10月27日の明け方にHIP40058の星食がありました。

池袋南口さんに計算ツールを更新していただきました。
明日"明け方”の6.3等星の掩蔽

それによると、私の観測ポイントでは



4時31分27秒でした。
ちなみに天文ガイドでは名古屋の予想時刻は4時25分。
だいぶ開きがあります。

かといって観測ポイント付近の予想時刻を天文ガイドに載っている計算式でも計算できないのです。
T=T0+a(λ-λ0)+b(φ-φ0)
という計算式なんですけど、今回はこのaとbの値が載っていません^^;
星食ハンドブックによると

a と b の値が与えら れていないのは,接食に近く,
このような簡単な式 では予報できない場合である.

とのことです。

今回は結構難しいのかもしれません。


出現を捉えたのですが、こんな位置から出てきました。
もう少しで接食が見れるぐらいでした。
場所が近ければ遠征もありかと思うのですが、
この場合、どうやって計算したら接食観測の限界線を求められるのかよく分かりません、、、


というわけで、いつも通りの観測でした。


出現はこんな位置から現れました(@_@)




その後、ふと写真を撮ってみたのですが、



こんなところにさっきまで無かった星が∑(゚Д゚)

どうやらHIP39999 (7.55等)の星食もあったようです。
しかも4時33分頃とわずかに遅いだけです。

こちらはノーマークでした^^;



それでは観測結果です。



BPMで4時31分25.147秒となりました。


ここから正確な時間へ落とし込んで行きます。

この時間の電離層の高さは



このイオノグラムから判断すると252kmでした。
今までの調査からだいたい2回か3回反射して届くはずなので、両方とも計算してみます。
(計算式はこちら
そうすると2回の場合は0.0091秒の遅延、3回の場合は0.0098秒の遅延となります。
もう少し丸めますと9msecか10msecといったところです。

BPMは20msec進んで報時されますので、
20-9 = 11msec
2--10 = 10msec

ここは10msecを選択し、1msecを誤差とすることにします。

個人差は0.352secですので、0.352sec遅れるということになります。

              参照:呼び鈴による個人差の再テスト

これらを考慮しますと
25.147s - 0.020s + 0.010s  - 0.352s = 24.785s

となり、現象の時刻は4h31m24.785sとなります。

これらの時刻を算出するときに入り込んだ誤差を次のように計算します。

BPMの電離層反射回数による誤差0.001s
個人差測定の誤差0.059s・・・STDEVで求めた部分。
シンチレーション・・・0.04s

よって
SQRT(0.001^2+0.059^2+0.04^2)=0.072s

私の場合は小数点以下2桁まで扱ってもらえますので、
観測時刻は 

4時31分24.79秒 ±0.07秒

となりました。


予想時刻とは2.2秒違いましたが、接食に近い星食をこの精度で計算してしまうとは恐るべし池袋南口さんです(≧∇≦)