ありがとう！愛しのネネ。

コロナで診療時間を短縮し、予約も減らしている上に、閉院時間中にも関わらず、

珍しい烏骨鶏を即日診療してくださった病院と獣医さんには、

本当にありがたくて、感謝の気持ちでいっぱいです。

ネネちゃんを触診検査した獣医さんに、私は憤って叱られました。

「今まで何をやってたの？もう手遅れだよ。できることはありません。

悪性腫瘍です。ガンだよ。腫瘍も大きくなっているし、色々な所に転移しているでしょう。」

私は驚き、摘出手術でなんとか助けられないかと相談しましたが、

手術を検討するなら、先ずは家で体力を回復させるしかない。

点滴注射をして消化を促すので、薬を混ぜた食事を

シリンダーで食事に混ぜて飲み込ませてください！と指導頂きました。

診察処置を終えたネネちゃんは、初めての場所で体をあちこちたくさん触られたり

点滴を受けたためか、疲れた様子で輪をかけてグッタリしました。

急いで帰宅し、ホッカイロを床に敷き詰めて熱が逃げないように保温し、

優しくタオルを掛けて、「大丈夫だよ。必ず良くなるからね。

お母さんが助けるからね！」と励まして休ませました。

帰宅したネネは、出迎えた妹たちを見て、ホっと安心したようでした。

私は、行く前よりも元気をなくした娘を見て、どうして今まで、

深刻なガンだと気づいてやれなかったのか、交通費込みで3万円も掛けて

この時期に連れ出して診察を受けさせたことが、この子にとって本当に良かったのか・・・

何度も考えましたが、点滴もしてもらえたし、お薬を飲んで安静にしていればよくなるよね！

そう思い、娘に優しく声を掛け、なでて落ち着かせて休ませました。

帰宅から2時間半後、食事の時間に薬を飲ませようと声を掛けると、ネネは動きませんでした。

大声で何十回呼んでも、体をどれだけゆすっても、私が名前を叫んでも、

抱っこしても、二度と目を開けることはありませんでした。

私は、子供のようにワァワァ声を上げて何度も大泣きしました。

いつものように、膝にネネを乗せてフワフワでモフモフの羽毛を、

愛しい体を、頭を、ホッペを優しく撫で続けました。

「ネネちゃん、お母さんだよ。ここにいるよ。ソバにいるよ。ネネちゃん、ありがとう！

愛しているよ、大好きだよ。お母さんのところに生まれてきてくれてありがとう！」

何時間も放心状態で、涙を流して撫でながらそう唱えているうちに、

ネネちゃんの体は徐々に硬く、冷たくなっていきました。

そのうちに、どうしていいか分からなくなり、ネネちゃんをこのまま今まで通り、

妹たちと一緒にお部屋へ置いておくことにしました。

だって、私がどこかにやらなければ、ずっとずっとネネちゃんと一緒に暮らせるからです。

ネネちゃんの亡骸と一緒に。

数時間、お部屋に置いていましたが、最近、気温が高くなってきたのでネネちゃんが腐ってきたら

かわいそうだし、残された妹たちの幸せを考えたらそれは違うと気づきました。

それで、手作りで棺桶を作ってあげることにしました。

組み立てている最中に、段ボールにビチャビチャビチャビチャ何度も水が跳ねてきて、

なんじゃこりゃ！と思ったら、自分の止めどない涙でした。

ネネちゃんが居心地良いように、ペットシーツを二重にした上に寝かせ、

気品あふれる華やかな娘に似合う、バラの花で丁寧に飾りました。

大切な娘を送る日に、母親の手でキレイに飾ってあげられて、

お花を習っていて良かったと心から思いました。

バラ柄の包装紙を貼り、甘いものが大好きだったネネのために、おいしいスウィーツやパン、

天国でも寂しくないように、鳥やモフモフ仲間のシールを貼りました。

今年、初めてたくさん花を咲かせた薄紫色のクレマチスに見送られ、

ネネちゃんは霊きゅう車に乗せられて、我が家を旅立ちました。

ペット葬儀社の社長さんが、「毎日ペットをお預かりして、たまに爬虫類もいるけれど、

ウコッケイ・・・というか、鶏自体を依頼されたのは初めて！」と驚いていました。

経験豊富な葬儀社さんの初チキン客となり、みんなの憧れである『ピンピンコロリ』を

見事に実現させたネネちゃんは、天使になっても尚、スーパーちきんなのでした。

烏骨鶏三姉妹や、ネネちゃんを可愛がってくださった皆様、

長い間、本当にありがとうございました。

一人でも多くの方を、一瞬でも笑顔にしたくて始めたブログですので、

弔報をお知らせするか迷いました。

しかし、命の尊さや、家族と暮らせる明日が来ることが当たり前ではないこと、

お別れの日は突然やってくる現実、だからこそ「今在る日常の幸せ」に気づき、

実感頂きたい思いを込めて、たくさんの涙を流しながら、記事とさせて頂きました。