「人の振り見て我が振り直せ」という諺が、事務所内の勉強会で出てきました。
内容は、Sさんという方が同僚から仕事の進め方について指摘を受け、Sさんは同僚の言葉に苛立ちを覚え、反論したところ、その様子を見ていた上司から「お互いを否定ばかりせず、相手の姿から良いところも悪いところも学びなさい」と注意を受け、冷静に自身を振り返る。といった内容でした。
この場合は丸く収まって良い教訓となったわけですが、仕事関係の注意や指摘で腹を立てることは働いている人にとってよくあることです。その理由のひとつは、仕事への注意・指摘が『自分自身の全てを否定されている』という無意識の思い込みによるものもある、と以前読んだ本に書いてありました。
上司のAさんが女性社員のBさんに仕事上の注意をする。しかしそれはあくまで仕事の注意で『上司のAさんがBさんを嫌っている』わけではないのです。そして仕事後に労いの意味もかねて上司のAさんがBさんを食事に誘うと、Bさんは「行きません!」と怒ったまま帰ってしまいました。上司Aさんは困惑し、Bさんとは心の距離を置くことにしました。
こんなエピソードもあるように、仕事上の注意や指摘=自分を否定されたと受け取る人が多いそうです。ですがそれは間違いで、本来なら切り離して考えるべきことなのですね。
職場での人間関係は複雑ですが、こういった人の心理を把握しておくことで、注意をする側・される側の双方ともにストレスの少ないやりとりができるのではないでしょうか。