ACTAが批准されていなくても、SOPA・PIPAが却下されていても、インターネット上の検閲・監視の目はすでに光っているようです。


ツイッター上の冗談で観光客が逮捕された、一部の反体制的なサイトやファイルの共有サイトなどが閉鎖されているのは、最近では毎日の出来事のようです。


また、FBIが3月8日に一時的にインターネット自体を閉鎖する可能性もあるそうです。

FACEBOOK上では、現体制に反対するような意見を投稿した場合、それが勝手に削除されている場合もあります。

2月15日 The Investigative Powers for the 21st Century Act (Bill C-51)

カナダでは、The Investigative Powers for the 21st Century Act (法案C-51)(「21世紀法案のための調査権」ぐらいの意味です)という法案が今週中にも審議に入る可能性があります。この法案自体は以前からあるものですが、国会で改正や追加がなされています。

そしてこの法案が可決すると、カナダの司法当局は、令状なしで、カナダ国内のインターネットや電話の通話内容などを監視することができるようになります


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2月15日【RT】http://rt.com/news/acta-bulgaria-protesters-ratification-353/
「ブルガリア ACTAの批准を拒否」


ブルガリアがACTA、模造品・海賊版拡散防止条約(Anti Counterfeiting Trade Agreement)を却下した六か国目となった。


首都ソフィアや他の16市で行われたACTAに対する抗議活動に何千人もが集結し、ブルガリア政府は、署名済みの同条約を取りやめる決定を下したのだ。


ブルガリアの経済担当大臣Traicho Traikovは、このデジタル化時代に適合していない産業をマーケティング的手段によってではなく、制裁処置によって支援することには否定的だ。
同大臣は「著作権は人権よりも上位におかれるべきではない」という。


昨年10月にACTAに署名をしたのは、オーストラリア、カナダ、日本、モロッコ、NZ、シンガポール、韓国、米国の8か国。 


1月にはEUと加盟国の22か国が同条約に署名し、署名国は31か国になった。

キプロス、エストニア、ドイツ、オランダとスロバキアは署名していない。


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2月15日【RT】http://rt.com/news/acta-protests-internet-copyright-419/
「ACTAの問題は民主主義の欠落」

ヨーロッパの国会議会でACTAが人権保護の観点から拒否されている中、なぜ、そもそもACTAに署名を行ったりしたのかという疑問が持ち上がっている。


1月26日に東京でACTAに署名した国の中で、考え直している国が一部あるようだ。


ルーマニアの前外相[Emil Brocは「なぜ私がACTAに署名したのかよくわかりません」と、2月6日に発言した。


2月3日には、ポーランドのドナルド・トゥスク首相は、「1月後半に当条約に署名する前に、十分な協議がなされていませんでした」と語り、ポーランド政府が「ポーランド国民にとって絶対に安全であることを保障する」ために必要なステップを踏まえていなかったことをほのめかした。


その数日後、スロベニア国民の代表として署名した外相が、署名をしたことに対して謝罪の意を表明した。

簡単に申し上げますと、私の署名した条約が、スロベニア国民が信じているようにインターネットの自由を制限するものとしては、明確に理解しておりませんでした。インターネットは人類史上、最大で最も意義の深いネットワークであり、ACTA加盟によって将来の我が国の子供たちがその制約を受けることになります


リトアニアの司法大臣、Remigijus Simasiusは自らのブログの中で、
「この条約がどこから発生したものか、どのように案出されたものかがよくわかりません。しかし、欧州議会やリトアニア議会での議論を巧みに避けて署名されたこの条約を、私は好きになれません」と記している。


そして、先週土曜日にはヨーロッパ全体で何千人もの人たちが抗議活動に参加しており、200以上の都市はこの問題となっている条約に反対する人たちで埋め尽くされた。


水曜にはブルガリアとオランダが抗議活動を受けて、当条約の支援を撤回している。


疑問になるのは、批准される可能性が日ごとに低くなっていくのであれば、なぜ最初の段階でこの条約に署名がされたか、という点にある。


この著作権保護体制を負わせようとするアイディアは、アメリカと日本による働きかけによるものだ。
そして、当条約の名目は、著作権の保護や、テロリストによって、あるいは暴動やその他の違法活動を扇動する可能性のあるインターネット・リソースを監視することにある。


しかしこの条約の下では、もしあるアカウントが犯罪活動や商標権・著作権の侵害などに使われたと政府が申し立てた場合は、政府はインターネット・サービスの提供者に対して利用者の情報提供を強制することができるようになるのである


自由と安全保障は通常は反する、ということことについて考えてみよう。つまり最も安全を保障されているのは、ほとんど自由のない刑務所の中にいる服役者である。安全保障は自由という代償のもとにもたらされる場合がほとんどであるそして、ACTA参加の代償が、まさしくその自由そのものなのである。


2011年8月、ロンドン・メトロポリタン大学のDouwe Korff教授とOxford Internet InstituteのIan Brownは、ACTAと欧州人権条約と欧州連合(EU)の基本権憲章の両立性についての論文を発表した。彼らの結論は以下の通り。

総合的に見るとACTAは、明白かつ不当に、知的所有権保護のバランスを所有権の受益者、知的所有権の所有者の集団側に傾転させるものであり、その他の人間を不当に不利な地位に追いやるものだ

権限のバランスを傾かせるのが、故意によるものか、あるいはそうでないかが、疑問の中心である。しかし、この条約にこれほど迅速に署名をした者たちは、この条約の複雑さや権限の範囲の点において、欺かれたものに違いない。