《彼が脱サラ!しかも農業!?そして彼女は・・・》(2008/6/26 エフエム岩手わけ:ありナイトクルーザー ONAIR)

何かと気ぜわしい都市生活を捨てて、人間らしく自然の中で暮らしたい・・・
と夢見る若者が増えているとか・・・・
そこで実際に脱サラして田舎で農業を志した青年がいました。
しかし、ある日突然「自然の中で一緒に暮らそう。ついて来てくれ・・・」と
言われた彼女はたまりません。
そりゃ、彼のことを愛してはいるのでしょうが・・・・
さぁ~て、彼女の場合は、どうだったのでしょう?


彼女は23歳当時、情報機器メーカーに勤めていた。
短大を卒業後、親戚のコネなどもあってなんとかここに就職できた。
待遇も環境も良く、職場環境としては申し分なかった。
入社当時から仲の良かった彼とは、1年前から恋愛関係になった。
最近は、結婚もちょっと意識している。
でも、お互い仕事が忙しく週末限定のお泊りデートも月に1・2回程度。
むしろランチタイムに会社で話す時間の方が多かった。
話題はもっぱら自分達の仕事に関係した話ばかりだったけど、それでも、新しいアイデアについて熱っぽく語る彼の側にいる事が嬉しかった。

2・3年後には彼と結婚し、彼女は会社を辞めて専業主婦。
子供も2・3人で、平凡だけど幸せな家庭を築いてゆくのだろう、と感じていた。
それに・・・きっと彼は、この会社で出世してくれるだろう・・・と考えていた。

そんなふうに何事もなく平和な日々が続いた入社3年目のある日、彼の信頼する上司が、不条理な理由から、いきなり地方の営業所に左遷された。
上司を見送った夜、彼は飲めないお酒を飲んで、夜中に彼女の家にやってきた。

「僕は、このままこの会社に一生勤めていいのだろうか?」
「このままサラリーマンで一生を終わっていいんだろうか?」
彼女の胸に顔をうずめて、彼は呪文のように彼女に問いかけた。
彼女の心の中に、得体の知れない不安が影を落とした。
不条理な理由で、信頼する上司が左遷された日から、どうも彼の様子が変だ。
彼と彼女の平和な日々に、嫌な影が近づいているような気がした。
彼女は、彼との穏やかで明るい未来を信じていた。
彼だって子供じゃないんだから、サラリーマンの宿命は理解していると思ってた。
きっと時間が解決してくれるだろう・・・・。彼女はそう信じたかった。

彼が酔っ払って夜中に家にきた日から2週間が立った頃、彼から明るい声で電話があった。二人でちょっとした旅をしよう・・・という。
なんでも、グリーンツーリズムとかいうもので、農村で農業を体験する旅らしい。
どうせなら温泉旅行の方が良かったが、彼からのお誘いならどこでもいいと思った。
だって彼から「一緒に旅に行こう」なんて誘いは初めての事で、それだけで嬉しかった。

その旅の参加者は、彼と彼女を含めて8名。参加者が少ない事が不思議だったが、現地について納得した。
その地域では、グリーンツーリズムの参加者を受け入れる農家が少ないのだ。
過疎化と高齢化で人口も減り、農家の数も減っているという。

最初は、自然がいっぱいで感激したが、大嫌いな虫も多いし、紫外線も気になるし、その上ヘビを見たときには、すぐに帰りたくなった。
彼女とは逆に、彼は子供のように目を輝かせて体験農業を面白がっていた。
楽しそうな彼に促されて、渋々農作業を手伝ったが、これが予想以上の重労働。
やっぱり農家の嫁にはなりたくない。・・・と、その時は思った。

しかし、農作業の後に飲んだ濃厚な牛乳の美味しさは格別だった。
そして、産みたての卵、採れたてのトマトには・・・参った!
「これが、手塩に掛けた味なんだ」と実感した。

その旅の帰り道、これで彼が以前のように元気になってくれるだろう・・・・
と彼女は、彼との平和なサラリーマン生活が戻ると考えていた。
グリーンツーリズムの旅の後、彼と久々にイタリアン・レストランで食事した。
その店は、彼が彼女に交際を申し込んだ場所で、二人にとっては特別な場所だった。
店の名前を聞いたとき、もしかすると・・・・結婚の話かな・・・と密かに期待した。

しかし、そこで彼女は、ありえない彼の言葉に、耳を疑った。
「僕、会社を辞めて農業をやろうと思うんだ。」
「お爺さんが、岩手で一人で農地を守ってるんだ。そこを手伝おうと思う。」
彼女はあまりの唐突な話に言葉も出なかったが、先日の旅をだしにした冗談なんだ・・・・と思い笑ってみせた。
しかし、彼の真剣な眼差しが、本気だったことに改めて驚いた。
グリーンツーリズムの農業体験が、自分の生きるべき道を教えてくれたという。
コンピュータの技術者から農業・・・・誰もが信じられない話だ。
彼女は、もちろん猛反対した。
彼女が結婚を考えるほど大好きな彼は、「サラリーマンの彼」なのだ。

しかし、彼女の気持ちは意にも介さず、彼は脱サラ計画を彼女に話し始めた。
「お爺さんの農地があるとはいえ、いきなり農業を一人ではできないだろう。
だから、最初は地元の農協に頼んで農家の手伝いからはじめる。
農業とはいえ、最低限の生活のためにも売れる農作物を作ろうと思う。
あの地域なら、リンゴとか和牛かな・・・・。もちろん稲作も覚えなきゃね。」
最近ずっと見たことのない笑顔で、彼は嬉しそうに農業を営む自分の将来像を語った。

「・・・だから、農業で生活できる目処が立つまで、待っててくれないか?」
彼女の目を真っ直ぐに見つめて、彼はそう言った。
しかし、彼女はうなずけなかった。
だって・・・どんなに彼を愛しているとしても、私は農業なんて出来ない!
虫も嫌い、ヘビも嫌い、紫外線は敵。
もっと大人になって、サラリーマン生活を受け入れたらいいじゃない!
結局、二人はそこでケンカ別れ・・・・・。

彼女は、その後も彼からの電話もメールも拒み、きちんとお互いの意思を確かめることもなくやがて彼は会社を辞め、新天地・岩手に旅立った。
両親をはじめ、彼女や友人知人からも猛反対されたが、彼の意思は固く、会社を辞め、お爺さんが一人暮らす岩手の農家に移り住んだ。

「待っていて欲しい・・・」
彼女は彼が真剣な眼差しで語ったあの言葉を心の中で繰り返した。
「待つ」って、いつまで待つの?
待っていれば私は虫が好きになるの?農業が出来るようになるの?
私はそろそろ24歳。彼を待つなんてできっこない!彼とはもうお仕舞い!
そう心に決めては見たが・・・・、彼が去ってからというもの、彼の事ばかり考えていた。

そんな彼女を見るに見かねて、彼女の友達がコンパに誘ってくれたが、
コンパに来る男達は、どれも一様に都会暮らしが染み付いた軟弱な男ばかり・・・。
たまに硬派な体育会系がいて、ちょっと付き合ってみたが・・・結局、身体目当てだった。
彼とあんなふうに別れてから1年半、3人の男と付き合ったが、長続きしなかった。

そうこうしているうちに、景気はドンドン悪くなり、勤めている会社もリストラが始まった。
彼が心から信頼していた上司も会社を辞めて「蕎麦屋」を始めた。
20代でも規定の倍の退職金が出るという・・・・。
あれだけ安定して、明るい将来が約束されていた会社が、危うい砂の城だと知らされた。
そして彼女は会社を辞めた。
「待っていて欲しい」彼はそういったが、彼女は彼を待てなかった。

貯金をはたいて彼が好きだといった赤いワゴンを買った。
必要な家財道具と身の回りのものをいっぱいに積み込んだ車に乗って、彼女は彼の元にゆっくりと走り出した。
助手席には、友達が餞別にとくれた、UVカットの日焼け止めと虫除けがどっさりと積まれていた。
《脱サラ青年は、農業で愛を耕す》(2008/6/19 エフエム岩手わけ:ありナイトクルーザー ONAIR)

環境保全、自然保護が叫ばれる現在、人間らしく自然の中で自然と共に暮らしたい・・・と誰もが夢見てはいますが、現実問題として、なかなかそんな暮らしは実践できませんよね。
まして、愛する人と共に自然とともに暮らす・・・・なんて夢のまた夢。
しかし、世の中には純粋にそんな生き方を目指す若者達もいるものです。

彼は25歳当時、コンピュータなどの情報機器メーカーの研究室にいた。
工業系の一流大学を卒業後、激しい就職競走を勝ち抜き、そのメーカーの技術者として就職できた。
入社3年目まで、待遇も環境も何不自由ない社会人生活に満足していた。
2歳年下の彼女とは同期入社で、新入社員研修で意気投合しつきあい始めた。
付き合うといっても、お互い仕事が忙しく週末限定のデートも月に1・2回程度。
むしろ会社の昼休みに一緒にランチするのがデートみたいなものだった。
お互い情報産業の将来について勉強も重ねた。

いつの日からか、二人は結婚を意識していた。
2・3年後には結婚し、彼女は退職し家に入り、彼はこのまま定年までこの会社で研究を続けるのだろう・・・と考えていた。
子供も2・3人もうけて、平凡だが幸せな家庭を築いてゆくのだろう、と感じていた。

そんな風に考えていた入社3年目のある日、研究室の40代の上司が地方の営業所に左遷された。
研究者も利用者の現場を知る必要があり、彼の今後の研究のため・・・・という理由だった。
しかし、本当はその上司が担当して開発した技術に不具合があったからだった。
技術者であっても、社員である以上、研究室だけが職場ではない事を改めて思い知らされた。

「僕は、このままこの会社に一生勤めていいのだろうか?」
「いや、このままサラリーマンで一生を終わって良い筈はない。」
彼の心の中に、得体の知れない不安が影を落とした。
コンピュータ関連の情報機器メーカーに勤めていた彼は、入社3年目で、サラリーマン生活に得体の知れない不安を覚えた。
そんな時、大学時代のサークル仲間の友人から飲み会に誘われた。
学生時代に良く通った居酒屋で二人、お互いの近況などを語りながら久々に学生時代のように無邪気に酒を飲んだ。

その時、友人がグリーンツーリズム・ガイドをしている事を知らされた。
なんでも、都市生活者を対象に農村での体験農業とか、漁村での体験漁業、山村での山暮らし体験をガイドするらしい。
その頃、信頼する上司の左遷などで塞いでいたので、この際、久々に彼女と一緒にそのグリーンツーリズムの旅にでも参加してみようか・・・
と思い立ち、友人にツアー参加を頼み込んだ。

最近塞ぎこんでいた彼を気遣っていた彼女も、その旅の話に喜んで乗った。
友人から奨められた「農村での体験農業」に二人で参加した。
参加者は、彼と彼女を含めて8名。参加者が少ない事が不思議だった。
しかし、現地について宿舎となる農家に案内されて納得した。
その地域では、グリーンツーリズムの参加者を受け入れる農家が少ないのだ。
過疎化と高齢化で人口も減り、農家の数も減っているという。

しかし、その体験メニューのそれぞれが新しい発見の連続で面白くて楽しかった。
畑を耕したり、稲刈りをしたり、牛や鶏の世話をしたり・・・・
産みたての卵の美味しさや濃厚な牛乳に感動したり・・・。
そして、日が暮れて皆が集う囲炉裏端での団欒が嬉しかった。

その旅を終えて、彼女と二人、帰りの車中で、彼は新しい始まりを予感した。
グリーンツーリズムの旅から帰って、はじめてのデートで彼女は彼の言葉に耳を疑った。
「僕、会社を辞めて農業をやろうと思うんだ。」
「お爺さんが、岩手で一人で農地を守ってるんだ。そこを手伝おうと思う。」
彼女はあまりの唐突な話にはじめは本気にしなかったが、彼の真剣な眼差しに本気を感じて改めて驚いた。
グリーンツーリズムの農業体験が、自分の生きるべき道を教えてくれたという。

コンピュータの技術者から農業・・・・誰もが信じられない話だ。
彼女は、もちろん猛反対した。
彼女が結婚を考えるほど大好きな彼は、「技術者の彼」なのだ。
しかし、頭脳明晰な彼は、淡々と緻密な計画を彼女に話し始めた。

「お爺さんの農地があるとはいえ、いきなり農業を一人ではできないだろう。
だから、最初は地元の農協に頼んで農家の手伝いからはじめる。
農業とはいえ、最低限の生活のためにも売れる農作物を作ろうと思う。
あの地域なら、リンゴとか和牛かな・・・・。もちろん稲作も覚えなきゃね。」
最近ずっと見たことのない笑顔で、彼は嬉しそうに農業を営む自分の将来像を語っていた。

「・・・だから、農業で生活できる目処が立つまで、待っててくれないか?」
彼女の目を真っ直ぐに見つめて、彼はそう言った。
しかし、彼女はうなずけなかった。

そして、その後二人の関係はぎこちなくなり、きちんとお互いの意思を確かめることもなくやがて彼は会社を辞め、新天地・岩手に旅立った。
両親をはじめ、彼女や友人知人からも猛反対されながらも彼は、やっぱりコンピュータ会社の技術者を辞め、
お爺さんが一人暮らす岩手の農家に移り住んだ。

季節は春の農繁期。早速、祖父から農業の基本を学んだ。
トラクターの操作から田起こしの基本、田植えまでの準備・・・・
畑では種まきする野菜の順番、畜舎では牛や鶏の世話などなど学習することのあまりの多さに、頭脳明晰な彼もさすがに戸惑った。
しかし、そうした農作業の一つ一つを覚えることも彼には楽しくて仕方がなかった。
毎日が充実していた。彼は、いまここに生きている喜びを実感していた。

彼女とは、気まずい離れ方をしたが、それでも彼は彼女とつながっていると信じていた。
だから、時々は近況報告のようなメールを送ったが、彼女からの返信は3回に1度程度しかなかった。
しかも、彼女は彼女で会社の近況報告程度のものだった。
「彼女に待ってて欲しい」と頼んだが・・・・やっぱり無理なのかな・・・・。
農業を職業として選んで半年、田圃では稲刈りの季節を迎えていたが、彼には収穫の秋の喜びも今ひとつ足りない想いだった。

稲刈りシーズンもそろそろ終わろうか、という10月下旬。
田圃の中を見慣れない赤い車がゆっくりと走ってきた。
農道には不釣合いなその車を農家の仲間達とぼんやりと眺めていると、いきなり方向転換してこちらに真っ直ぐに向かってきた。
その赤い車は、彼女を乗せて、ゆっくりと真っ直ぐに彼に向かって走ってきた。
《「困った女」はバブルの申し子》(2008/6/12 エフエム岩手わけ:ありナイトクルーザー ONAIR)

今からさかのぼること20年前、バブル末期の危うげな時代にどうにも堪え性がないというか、自制心がない・・というか、欲しいと思ったものは、必ず手に入れないと気がすまない「困った女」が、仲間内に必ず一人や二人はいたものです。
今日は、そんな懐かしいバブリーな困った女のお話です。


今から20数年前のバブル期は、形の無いものに無理やり値段をつけてその価値観を競い合う妙な時代でもあった。
誰もがブランド物や高級車を求め、その高い買い物を自慢する・・・・なんとも不思議な時代だった。
そんな時代だったから、女の子も売り手市場で、「ちょっと良い女」というだけで、男達からもてはやされた。
彼女もそんな「ちょっと良い女」の一人だった。
顔とスタイルに少々自信があったので、派手なファッションもそこそこ似合っていた。
そしてブランド物で身を固め、普通のサラリーマンには「ちょっと無理めの女」を装った。
勤めていた建設会社は、好景気で儲かっていて給料も高く、ボーナスも高額。
だから自分でお気に入りのブランド・バッグも買えたし、高級腕時計もローンで買えた。
そして、彼女を気に入った男達は、競って高級ブランド品をプレゼントした。

特に彼女を競っていたのは3人。
20代の新米のお医者さんと30代の不動産会社の社長、そして彼女が勤める会社の常務さん。
不倫も、二股も、何でもありの時代で、食事に誘われてそのままお泊り・・・するだけで欲しかったブランド物を軽くプレゼントしてくれた。
更に3人とも、一回泊っただけで彼女にのぼせ上がった。
彼女がまだ22歳、イケイケのバブリーOLの頃だった。

しかし、やがて間もなくバブルは、・・・・・弾けた。
バブル当時、経済的に豊かな3人の男から欲しいものを欲しいままにプレゼントされたバブリーな彼女だったが、ただのバカ娘ではなかった。
例えば・・・、3人の男達それぞれに 「カルチェの3連リングが欲しいの・・・・」というと・・・
3人ともカルチェの3連を彼女にプレゼントしてくれた。
だから、1個は自分で使い、残りの2個は質屋に入れるか、友人に売った。
同じようにブランド・バッグもお気に入り以外やダブりは、転売し、そのお金を小遣いにした。
今思えば、バブルの崩壊を事前に察知していたような小賢しさだ。

多少、普通のOLよりも給料は高くても、美しく目立つためには、それなりにお金も掛ったし、目立つ場所に出掛けるときもお金は掛った。
そして、バブル末期の夏、彼女を競う3人とは別に、彼女には本命の彼氏が現れた。
地元に美容院を3軒経営する30代の美容師で、職業とは裏腹に硬派の彼氏だった。
しかし、真面目で仕事熱心だったので、毎日忙しくなかなかデートも出来なかった。
だから、彼氏と会えない時に3人と順番にデートした。
彼女にしてみれば、時間を有効に活用し、合理的に3人のお相手をしたつもりだったが、彼女が複数の男と付き合っているという噂は、あっという間に本命の彼氏に届いた。
なにしろ彼女は常に派手なので出立つし、本命の彼氏の美容院のスタッフからも妬まれていたから、悪い噂は早かった。

彼に責められて彼女は心を改めたらしく、3人のリッチな男達との関係を泣く泣く断ち切った。
その直後にバブル弾け、日本は一気に不景気に陥った。
彼女が23歳の夏だった。
バブルが弾けたとはいえ、彼女が勤める会社は地元でも大手だったので、営業成績は伸び悩んだが、表立っては大きな変化はなかった。
3人のリッチな男達との関係を清算した彼女はその後、美容院を経営する彼氏と良好な関係を築こうと彼女なりに努力した。
しかし、しれはやっぱり少し間違っていた。
彼氏のためにも綺麗でいようと、相変わらずブランド物の洋服を買い集め、彼氏を送り迎えするために高級車を乗り換え続けた。
しかしその冬、ボーナスの支給日に、明細を見て愕然とした。
一昨年の支給額から一桁足りない。数万円・・・・という金額に目を疑った。
信じられなかったので上司に、「この金額、間違ってませんか?」と聞いてみたら・・・
「俺は、お前以上に悲惨だ!」と怒鳴られた。

彼女は困った。何が困ったって・・・・ローンの支払いが足りない・・・・。
ボーナスを当てにして、服を買った。車も乗り換えた。それに、あれもこれも・・・・。

新しい服や車を彼に見てもらうたびに、彼は「そんな高いの買って大丈夫か?」と聞かれたが、
「うちの会社、結構給料もボーナスも高いのよ。」と言い訳してきた。
確かに一昨年まではそれなりの金額だった。しかし、今年のこの金額では・・・・・。どうしよう・・・・。

やがて彼女は、お金は借りることが出来る・・・・という方法を思いついた。
「借金も財産のうちよ。」と思い切って、彼女は消費者ローンのドアを開いた。
彼女が24歳の冬のことだった。
バブル崩壊後の不景気で、会社の業績も悪化し、その冬のボーナスが激減した彼女は、溜まりに溜まったローンの支払いのために思い切って消費者ローンのドアを開いた。
その当時は、信じられないくらい簡単にお金が借りられた。
まずは、その冬のローンの支払いのためだけにお金を借りて、急場をしのいだ。

彼氏から、「ボーナスが減ってローンの支払いも大変だろう・・・」と心配されたが、
「大丈夫。両親に相談して何とかなったから。」と嘘をついた。
ここまでなんとか彼との付き合いも続いてきた。
そろそろ彼も「結婚」を考えてくれる頃だろう・・・。と確信に近い期待も持っていた。
ここを切り抜ければ、後は結婚して二人で何とかできる・・・・。そう信じていた。
しかし、彼との結婚を夢見ながらも、彼女の浪費は続いた。

消費者ローンの借り入れも、1件で50万円。2件で100万円。3件で・・・・・と、彼女の借金はどんどん膨らんだ。
しかも、高い利子の借金で、今度は月々の支払いまで苦しくなってきた。
支払いが遅れると会社まで催促の電話が来た。
ある日、借金の取立てが会社までやってきて大騒ぎになり、ついに彼女は会社にいられなくなった。
会社を辞めるほどの騒動になって、両親も慌てた。
借金は、両親が肩代わりして落ち着いたが、今度は硬派の彼氏は激怒した。
「俺に嘘をついてまで、派手な暮らしがしたいのなら、もうおしまいだ!」
そう言い捨てて彼は彼女から去っていった。
それは、彼女が25歳の6月の事だった。

やがて月日は流れ、彼女は今42歳。3年前に25歳年上の資産家の後妻に入った。
相変わらず派手に着飾り、今流行の「40ビューティ」を気取っている。
「困った女」は、案外渋太い・・・・。
【わけ:あり】ナイトクルーザー  2008/6/5放送分エピソード
《高校新米教師 ~純情編~》
今の世の中、呆れた出来事、物騒な事件は、枚挙に暇がありませんね。
特に教職にある教師、教諭の破廉恥な事件は、目を覆いたくなるほど・・・。
しかし、教師がみんな、あんな事件を起こすわけではなく、
尊敬すべき立派な先生も沢山います。
そんな中に、純愛を貫いた愛すべき教師もいました。
教師と生徒の禁断の愛・・・・・。
報われることの無い愛の形に見えますが・・・・果たして・・・・。

その当時、彼はようやく採用試験に合格したばかりの新米教師だった。
大学4年の夏、1回目の教員採用試験は、見事に落とされた。
4年間の大学生活を怠惰に過ごしたしっぺ返しだと深く反省した。
その後の一年間、がむしゃらに勉強した。どうしても教師になりたいと思った。
昔は、両親が教師だから・・・という程度の気持ちで、教師になろうと考えてたが、
その時は、心の底から「俺の仕事は、教師しかない。」と信じていた。
遊びの誘いは一切断って、1年間浪人して、2度目の教員採用試験で、なんとか合格した。
社会科の教師として、実家から遠い沿岸の高校に赴任した。23歳になっていた。
しかし、世間的には、まだ23歳。世間知らずの若造でしかなかった。
それでも、生徒の可能性を支える熱血教師の理想に燃えていた。

赴任先の高校は普通科のみの高校で、新米の彼は1年生の副担任も任された。
生徒達と年齢が近いせいもあってか・・・、それとも彼のキャラクターなのか・・・・、
着任して間もなく彼は、生徒達の兄貴的な存在として、生徒からも慕われ、
先輩教師達からも可愛がられた。
副担任になった1年生のクラスには、目立つ生徒も4・5人いたが、
比較的穏やかな生徒が揃っていた。
その中に、ひときわ大きな瞳の背の高い女子生徒がいた。
高校1年生にしては、落ち着いて物静かだが、不思議な存在感を持っていた。
彼は、その女子生徒がとても気になった。
思えば、それが新米教師だった彼と高校1年生だった彼女との、運命の出会いだった。

新米教師だった彼の宿舎は、高校近くの高台で、海を見下ろせる場所にあった。
内陸育ちの彼は、教師になるまで海の見える場所で暮らした事はなく、
初めての海岸暮らしは、何もかもが新鮮で心が弾んだ。
近所のおばさんの賄い付きだったので、朝晩には活きの良い魚介類が食卓に並んだ。
それがまた、毎日の楽しみにもなっていた。
時には、生徒の父兄が獲れたての魚を差し入れてくれたりもした。
お陰で、魚のさばき方も上手くなった。

ところが・・・・そろそろ1学期が、何事もなく終わろうとしていた7月。
彼の宿舎の賄いをしてくれたおばさんが、病気で入院することになった。
当分、自炊を余儀なくされた。まぁ、魚のさばき方も覚えたし、何とかなるだろう・・・。
そう思っていたが、新米とはいえ一人前の教師。徐々に仕事も増えていた。
学校の仕事を終えて、宿舎に帰る時間も遅くなっていた。時には深夜にもなった。
夜9時過ぎに宿舎に帰り、それから自炊・・・・というのは、かなり辛かった。
なんとか夏休みに入るまでは・・・と頑張ったが、宿舎に帰って晩酌をしてダウン・・・
という日々が続いた。

夏休みまで後一週間・・・・という頃。
いつものように夜9時過ぎに宿舎ると部屋に明かりがついていた。
賄いのおばさんが退院したのか?と勢いよく部屋に入ると・・・
彼が副担任するクラスのあの大きな瞳の女子生徒が笑顔で彼を迎えた。
聞けば、入院中のおばさんの姪なのだという。
「先生、晩御飯も食べないでお酒ばっかり飲んでるんでしょう。身体に悪いよ。」と
彼女に叱られた。

まともな食事も取らずにやつれていく彼を見るに見かねて、押しかけたという。
その時、彼はまだ23歳の新米教師。彼女は、16歳の高校1年生。
純粋に教師と生徒の関係でしかなかった。

月日は流れ、彼が沿岸の高校に新米教師として赴任して3年目。
彼はまだまだ未熟ながらも、26歳の社会科教師。
最初に受け持ったクラスと共に、3年生の副担任となっていた。
大きな瞳の彼女は、1年生のときからの存在感を更に増して、
その責任感の強さから生徒会の役員にも選ばれていた。

そろそろ3年生も本格的に進路を決めようとする6月。忌まわしい出来事があった。
季節外れの大荒れの天気の中、操業していた漁船が転覆した。
漁船には、父親と高校生の息子が乗っていた。
その高校生は、彼が受け持つクラスの男子生徒だった。
第一報を受けて彼は、真っ先に大雨の中、校長や教頭達と一緒に漁協に張り付いた。
懸命の捜索にもかかわらず、親子は消息不明のまま一夜が開け、
翌朝、無残な二人の遺体が見つかった。
亡くなった男子生徒は、卒業後には漁協に入って漁業を継ぐときめていたのに・・・・。

お葬式にはクラス全員が出席し、彼の無念を悔やんで泣いた。
その夜彼は、救助活動にも出れず、ただ連絡を待っていただけの無力な自分を恥じた。
一人宿舎で酒を飲んで泣いた。泣く事しかできなかった・・・。
そこに突然、大きな瞳の彼女が、肴を持ってやってきた。
何か大きな覚悟を秘めた眼差しで、彼の前に座った。
泣きはらした彼の目をじっと見つめて、彼女は腹を決めて口を開いた。
「私、先生の事が好きです。・・・・・ホントに好きです。
元気だった幼馴染みのあいつでもこうなった・・・・・、人はいつ死ぬか分からない。
だから私は、今の自分に正直に生きようと決めたんです。」
そう言い切って、彼女は彼に抱きついた。
彼が26歳、彼女が18歳の6月。
その日から二人の恋は歩み始めた。

彼女が高校3年の夏休み。
3年生の副担任である彼は、夏休みにもかかわらず連日学校で補習授業。
宿舎に帰ってからは、看護士を目指す彼女の個人指導に時間をかけた。
二人は、何も恥ずかしい事をしているつもりはなかったが、お互いの立場を考えて
できるだけ人目を避けて、密やかに愛を育んでいた。

ただ・・彼は、同僚の教師達からの飲み会の誘いも素っ気無く断るので、
なんとかく勘ぐる同僚も中にはいた。
夏休みが終わって二学期に入ると、生徒のあいだに二人の噂が広まった。
「破廉恥教師と淫乱女子高生」・・・心無い噂に少なからず彼女は傷ついた。
それでも、彼女は自分の気持ちに正直であることに誇りを持っていた。
誰に恥じることも無いという信念は揺るがなかった。
彼とて同じ想いだった。

噂に尾ひれはひれがついて、挙句父兄にまで広まったところで、
二人揃って校長と教頭に呼ばれ、噂の真偽をきつく問われた。
そこで二人ははっきりと言い切った。

「僕達は愛し合っています。彼女が卒業したら結婚します。僕達を祝って下さい。」
彼の言葉と彼女の笑顔に校長と教頭は、あっけにとられたが・・・・、
廊下から大きな拍手と歓声が沸き起こった。
彼女が18歳の高校3年生、彼が27歳の誕生日を迎えた日でもあった。

やがて二人はその誓いどおりに結婚し、
そのおとぎ話のような純愛物語は、その高校の伝説となって語り継がれている。
【わけ:あり】ナイトクルーザー  2008/5/29 放送

一人でいるのが怖い・・・誰でもいいから側にいて欲しい・・・。って、いつも思ってる淋しがり屋の女の子・・・。

どこにでも一人くらいはそんな女の子がいるものです。
貴女にも、心当たりはありませんか?
たぶん、どこにでもいるであろう「淋しがり屋の女」。
淋しいなりに、おとなしくしてくれればいいんだけど・・・
そんな女の子に限って、時として騒動の火種になったりするもの・・・。
今日は、そんなお騒がせな淋しがり屋のお話です。


彼女は、一人が怖い「淋しがり屋」の28歳。女の子・・・という年ではないが、小柄で童顔のせいもあってか、年齢の割りに若く見える。
男達の目線で見れば 「ほっとけない」タイプの可愛い女。
仕事は、中堅の会計事務所に勤める税理士。年がら年中仕事が切れることない。
淋しがり屋の彼女としては、そんな忙しい毎日に救われている。
しかし、いくら忙しいとはいえ夜9時には仕事を終えて帰宅する。
一人きりの部屋にシラフで戻るのが怖いので、毎日のように飲み歩いていた。

今の彼は、そんな彼女が毎日のように通っていた飲食店の青年経営者、34歳。
バツイチ、独身。二人の娘は別れた奥さんが連れて行ったそうだ。
彼女が飲みに通っているうちに仲良くなって、お店の確定申告を頼まれるようになり、税理士として彼の店を担当した事をきっかけに、付き合うようになった。
最初に彼の家にお泊りしたのも、酔った勢いで言った「一人じゃ淋しい」っていう一言からだった。

34歳の彼のお店は、若い感覚の飲食店で、若者を中心にかなりの人気だった。
経営者である彼自らが、厨房に入り調理もし、カウンターで接客もこなす。
安くて美味いし、明るく気さくな雰囲気、・・・と評判が評判を呼び、大繁盛!
口の悪い友達は、「離婚して、つき物が落ちた・・・・」などと毒づいていた。
しかし、税理士の彼女はちょっと不機嫌。
彼が忙しくなればなるほど、彼女は一人ほっとかれる・・・。
淋しがり屋の悪い虫がうごめき始めた・・・。

地元でも評判の繁盛店を経営する34歳の彼は、
税理士で淋しがり屋の彼女と一緒に過ごす時間が減っていた。
それでも、彼女は、仕事が終わると毎日のように彼の店に通っていた。
話もできないほど忙しくても、彼が忙しく働く姿を見ているだけで我慢した。
それまでは、いくら忙しくても休みの前日には彼の部屋でイチャイチャして過ごしたが、最近の彼は、休みの日でも様々な仕事や会合があって、なかなかのんびりできない。
彼女の夜のお相手も、しょうしょうご無沙汰だった・・・。
淋しがり屋の彼女は、それも不満だったが、
仕事とはいえ彼女以外の女性に優しい彼を見るのが嫌だった。

不満の挙句、彼へのあてつけに、店によく来る彼の友達と酔った勢いで、エッチした。
お酒の相手をして、素直に「一人じゃ淋しいのぉ~」と言っただけ。
ほんの火遊び程度のつもりだった・・・・が、予想外にも、その友達に火がついた。
彼に焼きもちを焼かせるつもりで軽く一回程度の気持ちだったのに・・・・、
本気にさせてしまった。どうしよう・・・・。


それからが大変!彼の友達はなんとも男らしい青年で、あまりにも潔く彼に 「すまん!彼女と俺はできている。彼女を諦めてくれ。」と、彼女には何も言わず、一人で勝手に彼に仁義を切ってしまった。
寝耳に水の彼は、怒ったらいいのか、嘆けばいいのか・・・・わけが分からずただ困惑した。
間が悪いことに、そんな男らしい場面とも知らず能天気に彼女が顔を出した。
ドアを開けたとたんに、不味い気配を感じたが・・・後の祭り。
「どういうことか、説明しろよ。」と彼に迫られ、
「ちゃんと話してくれよ」と友達に哀願され、・・・・
とりあえず彼女は、泣いてその場を誤魔化すしかなかった。

34歳バツイチ独身で飲食店経営の彼と彼の友達と一悶着あったが、とりあえず泣いて誤魔化した後に、居直って正直にいきさつを話した。
彼が忙しくて彼女の相手をしてくれなくて、その淋しさから彼の友達とほんの出来心で彼の友達に「付いて行った」(?)と、ありのままを話した。
「だって淋しかったんだもの・・・・」
年齢の割りに可愛い顔で、甘えるような声で、そんな風に言われたら・・・
二人の男は、それ以上彼女を責めることはできなかった。
そこでとりあえず、一件落着。

彼と彼女の付き合いは、その後も続いたが、相変わらず彼は忙しい毎日だった。
あんまりにも繁盛するものだから、近くにもう一軒店を構える計画も生まれた。
しかし、彼も前の事件に懲りて、彼女には毎日店に来るように頼んでいたし、彼女が店に顔を出せば、できるだけ彼女と話をするようにしていた。
それでもやっぱり、彼は仕事柄、女性のお客さんにも優しく接する。当然の営業行為だ。
がしかし・・・・彼女は我慢ならなかった。
しだいに、彼女の足は店から遠のいた。

淋しがり屋の彼女だったが、彼の仕事の邪魔はしたくなかったので、彼女自身も自分の仕事を増やして、忙しさで紛らわせた。
そんなある日、新規クライアントでベンチャー企業を担当することになった。
仕事の内容は、今まで知らなかった面白そうな業界だった。
その会社の青年社長は、ルックスやセンスも良く、話題も豊富で好感が持てた。
何度かその青年社長の会社を訪問し、税務処理をした。
決算目前のある日、税務書類の作成に手間取り、夜遅くまでかかった。
「これから彼の店にいっても、遅くなるな・・・・」と考えていたら、青年社長から
「これから一緒に飯でもどうですか?」と食事を誘われた。

彼女の淋しがり屋の虫が、久々に騒ぎ出した。

税理士で淋しがり屋の彼女が担当するベンチャー企業の青年社長から食事を誘われた夜。
すし屋のカウンターで、青年社長のベンチャー創業までの話を聞かされた。
地元の進学校から東京の大学に進み、理系の有名企業に勤めていたが、職場結婚した奥さんを交通事故で亡くし、そのショックで精神を病んだという。
その後、会社を辞めてアメリカに渡り、友人の会社を手伝ったが落ち着かず、生まれ故郷でやり直そうと思い立って、地元に会社を興したそうだ。
青年社長の澱みなく淡々と話す言葉に、思わず引き込まれた。
久々に「大人の男」を感じた。

そして、勧められるままお酒を飲んで、またしても酔った勢いで言ってしまった。
「一人じゃ淋しいの」
男前の青年社長も、流石に彼女の甘い誘惑には勝てなかった。
彼がいるにもかかわらず、淋しがり屋の彼女は、青年社長とエッチした。
しかし、今度のエッチは前の事件と違って、彼女も本気になった。
青年社長に傾く想いを自分ではどうすることもできなかった。
でも・・・・彼女には、店を構える彼がいた。

税理士で淋しがり屋の彼女は、二人の男と同時に付き合っている自分が嫌だった。
どちらか一人に決められない自分が情けなかった。
しかし、二股を掛けているあいだは、淋しくはなかった。むしろ充実していた。
二人の男に愛されていると思うと、彼女の心は満たされた。

忙しいながらも納得のゆく仕事を終えたある夜、彼の店に立ち寄った。
ドアを開けていつものカウンター席の前に立って、・・・思わず彼女は息を呑んだ。

店を経営する彼と青年社長の彼が、仲良くお酒を飲んで笑いあってる。
二人は、彼女を見つけると、声を揃えて・・・「俺達、同級生なんだ。」と言ってから、いぶかしそうに顔を見合わせた。
「これ、俺の彼女だけど・・・」 「エッ?俺の彼女だよ・・・」と怪訝そうな二人の彼。・・・・
今度ばかりは、泣いてごまかせるような状況じゃない・・・とその時、とっさに彼女は覚悟したそうだ。

「私を一人にして!」と叫び、淋しがり屋の彼女はその場から、・・・逃げた。