![](https://stat.ameba.jp/user_images/20231126/00/wakaik/57/ee/j/o1080060715369159197.jpg?caw=800)
広島の観光と言えば、「原爆ドーム」「広島平和記念公園」「厳島神社」が大定番ですが、これらは既に訪問済みなので、今回は以前から気になっていた未訪問のスポット2か所を訪ねる事にしました。
まずは全国からの観光客も多い「呉市」にあって人気の
「呉市海事歴史科学館」。
「大和ミュージアム」の愛称で良く知られており、その名の通り「戦艦大和」の建造に関してや、戦前・戦後の呉市においての船舶製造の技術等が展示されています。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20231125/23/wakaik/a1/17/j/o1080081015369153159.jpg?caw=800)
何といっても見所は戦艦大和の「10分の1スケール」の模型。
念の為ちょっと補足しますと、「体積」が実物の10分の1だと言う事ではありません。
模型を作ったり集めている様な人は良くご存知なのかも知れませんが、私もかつては完璧に勘違いをしていました。
10分の1スケールと言う事は、縦、横、高さの全てが10分の1に縮小されているという事なので、裏返せば、実物はそれらの長さが10倍ずつあるという事になります。
この大和の模型で言えば、全長は26.3メートルなので、実物は263メートルあります。
同じ様に、船の1番高い所、一番広い幅の所も、実物は模型の10倍ある訳なので、とても大きな船だったと想像出来ます。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20231125/23/wakaik/3a/17/j/o0810108015369153169.jpg?caw=800)
次に向かったのは、すぐ近くの「海上自衛隊呉史料館」。
愛称「てつのくじら館」です。
ここではかつて海上自衛隊で実際に使用されていた
「潜水艦あきしお」が展示されており、乗船して内部の見学が出来ます。(潜水艦内部は撮影禁止)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20231125/23/wakaik/e2/cf/j/o1080081015369154619.jpg?caw=800)
11時になって館内のカフェが開店したので、名物の
「あきしおカレー」で早めの昼食を取りました。
数量限定なので早めに券売機の前に並ぶ事をおすすめします。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20231125/23/wakaik/e4/9b/j/o1080081015369154640.jpg?caw=800)
この後は呉駅から次の目的地へ移動です。
往路では気が付かなかったのですが、この駅では、電車が接近して来る時のメロディーが「宇宙戦艦ヤマト」です。
とても気分が盛り上がる曲です。
余談ですが、JR神田駅の山手線ホームの発車メロディーが今年10月から変更されました。
私は普段、山手線には乗らないのですが、たまたま乗った日に神田駅でこのメロディーを聞いた時には自分の耳を疑いました。
そのメロディーとは、♪おくちクチュクチュモンダミン。
そうです。
「アース製薬」が販売している「モンダミン」(洗口液)の
CMソングです。
調べてみると、アース製薬の本社が神田駅前にある事から、広告活動の一環で、発車メロディーに自社のCMソングを使う事をJRと協議して実現したそうです。(今後5年間は流れる様です)
さて、次に向かったのは広島市内の「広島市環境局中工場」、略して「中工場」(なかこうじょう)。
いわゆる清掃工場です。
「日本一美しい清掃工場」とも呼ばれています。
中工場へは広島駅からバスに乗り、「南吉島」と言う停留所で降り、そこからてくてく歩いて行きました。
このルートで行くと、まずは外階段で工場の2階に上がります。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20231125/23/wakaik/d2/b1/j/o1080081015369156593.jpg?caw=800)
2階は海側に向かって吹き抜けの通路になっており、その両側のガラス越しに内部の設備機器類を自由見学出来る様になっています。(もっと内部の見学やゴミ処理に関する説明を受けたい場合は事前申し込みが必要)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20231125/23/wakaik/21/22/j/o1080081015369156606.jpg?caw=800)
圧巻の眺めです。
まるでSF映画に出て来る様な景色です。
どれが何の為の設備がわからなくても構いません。
この眺めをおかずにして、ご飯を3杯食べられます。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20231125/23/wakaik/41/b9/j/o1080081015369156631.jpg?caw=800)
通路を更に進むと海側に出ます。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20231125/23/wakaik/35/03/j/o1080081015369156685.jpg?caw=800)
こちら側から見る建物の外観や周囲の環境も、これまた美しい。
テントを張って一晩居座りたいくらいです。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20231125/23/wakaik/bc/4f/j/o1080081015369156712.jpg?caw=800)
中工場は2004年に完成したので、既に19年も経っている
のですが、何故か今まで私のアンテナに引っかからず、
この工場の存在を認識したのは2022年9月になってからで、テレビ東京で放送された番組、「新美の巨人たち」で取り上げられているのを観てからでした。
設計したのは有名な建築家の「谷口吉生」氏。
「葛西臨海水族園」や「ニューヨーク近代美術館新館」
など多くの傑作建築で知られています。
この清掃工場の設計姿勢が他の多くの清掃工場と違う点、それは、「清掃工場である事を隠さない」と言う事です。
一般に、清掃工場はネガティブなイメージで捉えられる事が多い様で、その為、多くの清掃工場は劇場の様な外観にしたり、極彩色で覆ったりして、「清掃工場に見えない」工夫をしている例が多いそうです。
その点、中工場の設計に際して谷口氏が考えたのは、
「生活に必要なのだから隠す必要は無い」と言う事で、
敢えてごみ処理の機械を近代的なアートして見せると言う手法を採用したそうです。
とても素晴らしい思想であり、実際に訪問してみると、見事にその思想が実現されていました。
私も国内外、数多くの建築を巡っておりますが、中工場の様な文句なしに美しい建築に出会い、何時間でもその場に居たいと思ったのは、実に久しぶりでした。
因みに、私は観ていませんが、2021年8月に公開され、
「アカデミー賞」の国際長編映画賞を始めとする国内外の数多くの映画賞を受賞した作品、「ドライブ・マイ・カー」の中でも中工場はロケ地の1つになっているそうです。
その影響もあってか、近年、訪問客は増えており、私が行った時も大型バスで団体さんが見学に来ていました。