【日本の伝統芸能を鑑賞する】: 能楽 | 世界あちこち散歩

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国内外の色々な所で見聞き・体験したヒト・モノ・コトを綴ります

以前海外勤務をしていた頃は、
現地の人から日本や日本人に関する
ありとあらゆる質問を受けたもの
でした。

 

そういう環境で働いていると、

自分の見識不足を自覚する事も

多く、又、ただのビジネスマン

ですが、ある意味、日本と言う国の

印象が自分の言動で左右されて

しまう事もあるので、大変責任を

感じてもいました。

 

そこで、なるべく広い分野に関して

自分なりに勉強をしたりしましたが

それらの知識は主に現代の日本に

ついてであり、あまり歴史や伝統

文化については知識が深くは

なりませんでした。

 

そうした反省から、又、昨今は

世界中で日本通の外国人が増えて

おり、訪日旅行者も(特にコロナ

以前は)激増しつつあるので、

日本人としてある程度は説明出来る

様になるべく、ここ数年は意識的に

日本の伝統文化について勉強、

体験する機会を持つようにして

おります。

 

例えば、一昨年には生まれて初めて

大相撲」を観戦しました。

 

相撲はテレビで良く観ていた時期が

あるので、スポーツとしての相撲に

関しては、ルールや決まり手等、

一通りの事はわかっていましたが、

興行としての流れや会場の作り等

現地に行かないとわからない事も

多いので、大変勉強になりました。

  


そして今年2月、日本を代表する

伝統芸能の一つであり、

ユネスコ無形文化遺産

にも登録されている

能楽」を鑑賞しに行きました。

 

私は、ある国に初めて旅行する時、

あるアーティストの絵や写真、

映画や音楽等を初めて鑑賞する時は

事前に仕入れる知識は必要最低限

にして、出来る限り現場での自分の

感性に依存し、自分なりの評価を

する様にしています。

 

ですので、これから書く事は、

殆どが現地で知った事、或いは

事後に調べて知った事になります。

 

まず、能楽とは何かですが、

」と「狂言」を含む伝統芸能の

総称です。

 

テレビを観ていると、時々本人や

物真似の人が

狂言師」として紹介されて

いますが、厳密には狂言師では無く

能楽師」だそうです。

 

その能楽師には、シテ方、ワキ方、

狂言方、囃子方という役割があり、

ある人がこれらの役割の中の複数

兼務する事は無いとの事。

 

そして狂言師とは、能楽師の中で

狂言方を演じている人の事であり、

狂言方能楽師」と言うのが正式

名称の様です。

 

さて、今回私が観に行ったのは

式能」と言う江戸時代から続く

格式の高い様式の能楽の催しで、

現在では年に1回の開催のみです。



翁附五番立」と呼ばれる構成で、

能と能の間に狂言が四番挟まれます。

 

本来、これら全ての演目を観るのが

良いのでしょうが、それには8時間

以上かかります。

 

よって第一部と第二部に分けられて

おり、チケットも通しで買うか、

どちらか一方を買うか選べる様に

なっています。

 

私が買ったのは第二部のチケット。

予想以上に席が埋まるのが早かった

ので、通しで買うのが難しかった

のもありますが、初めてでいきなり

8時間越えはきついと思い、

片方だけにしました。

 

国立能楽堂」が会場で、

渋谷区千駄ヶ谷にあります。





開演前に舞台をパチリ。

気分が盛り上がって来ました。

 


そして鑑賞。

 

途中、何度か寝落ちしそうに

なりました。

 

いや、正直に言いましょう。

                                                                   

寝ました。

ええ、寝ましたとも。

だって眠くなったんだから

しょうがないじゃないですか!

 

特に能の時。

あの独特の言葉遣いは殆ど

聞き取れず、あの幽玄な動きや

音楽も睡眠導入剤かと思われる程、

こちらの眠気を誘って来ます。

 

せめてストーリーを事前に頭の中に

入れておけばもっと楽しめたのかも

知れませんが、前述の様に、私は

事前学習をしない主義です。

 

でも周りを良く見渡すと、和服を

着こなした常連と思われる方々も

結構な割合で寝てらしたので、

少しは罪の意識が軽くなりました。

 

一方の狂言は、言葉も比較的良く

聞き取れてストーリーも理解出来、

かなり楽しむ事が出来たので、

狂言の上演中は眠くなる事は

ありませんでした。