【続・映画から国際情勢を読み解く】: アメリカ合衆国 | 世界あちこち散歩

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トップガン マーヴェリック」を
5月末に鑑賞した後、
アメリカ映画に見る国際情勢」と
いう題で投稿させて頂きました。

この映画は大ヒットしリピーターが
続出、今も公開中です。

私自身も既に2回鑑賞。
1回目はIMAX、2回目は4DX。
もう1回観に行くかも知れません。
その時は、Screen Xにしようかなと
思っています。

そして前回投稿時には知らなかった
のですが、記事の中でも触れた
ロッキー4 / 炎の友情」の
再編集版が8月19日から
ロッキーVSドラゴ:ROCKY IV
という題で公開されています。


オリジナル版の日本での公開は
トップガンと同じ1986年。
当時、映画館で観ました。


世界的にも興行的には大ヒットし、
私にとってもロッキー・シリーズの
中でも最も好きな作品なのですが、
評論家からは厳しい意見もあり、
監督・脚本・主演を務めた
シルヴェスター・スタローン」も
ずっと作り直したいと思っていた
そうです。

そこでコロナ禍の2020年に
スタローン自ら再編集に取り組み、
アメリカ本国では2021年11月に
一日限りで上映されました。

日本では幸い、一日限りでは無く、
当分の間、全国で公開されますが、
上映館は少ないので、余程のコアな
映画ファンでは無いと、この作品が
上映中である事に気づかないかも
知れません。

私はたまたまSNSで知って、
しかも、現時点では将来的な
配信やDVD販売の予定も無いとの
事だったので、公開されてすぐに
観に行きました。

今回の再編集にあたり、
スタローンは42分の未公開シーン
を追加しています。

それなのに、作品の長さは94分で
前作から3分しか長くなっていない
と言う事は、それだけ多くのシーン
がカットされたという事です。

その為、前評判では、
再編集と言うより新作に近い
とも言われていました。

では、実際に観てどうだったか。

まず言えるのが、確かに、今思えば
オリジナル版には無駄なシーンが
多く、今回、そういうシーンが
大胆にカットされているので、
より重要なシーンでの人物や背景
描写が深くなっています。

ただ、1986年にリアルタイムで
鑑賞した人間としては、そういう
無駄なシーンこそが、当時の世相を
反映している様な気もします。

次に、「新作」と言えるかどうか
ですが、その点においては
「良い意味で」、新作らしさは
無いと個人的には思いました。

これだけ大胆な再編集を行って
いますが、基本的なストーリーは
変わっていませんし、場面と場面の
繋ぎに不自然さもありません。

安心して下さい。
「あの曲」も流れますし、
最後にロッキーが負けたりも
しません(笑)。

一番変わったと感じたのは
オープニングとエンディング。

特にエンディングは、ロシアに
よるウクライナ侵攻後に編集した
のでは無いかと思ってしまう位、
少しゾッとするシーンになって
います。

オリジナル版については、
何十年も前の映画で既にご覧に
なった方も多いと思うので、
ネタばれを気にせずに書きますが、
試合後のスピーチでスタローンが
私が変われたのあれば、あなたも
変われる。誰もが変われる。」と
ソビエト連邦」の観衆に訴えます。

その言葉に観衆が大声援を送った
のみならず、最後には、ソ連の
指導者までが立ち上がって拍手する
感動的なシーンがありました。

その部分、今作では違いますので、
これから観に行かれる方は
楽しみにして下さい。

本当に人は変われるのか。
個人が変われたとしても、
国は変われるのか。
国が変わるのは難しいが、でも、
その国を構成しているのは個人。

昨今のロシア-ウクライナ問題も
踏まえ色々と考えさせられました。

最後に、去る8月30日、
ソ連最後の指導者だった
ミハイル・ゴルバチョフ」氏が
お亡くなりになりました。

ゴルバチョフ氏は冷戦の終結や
ソ連の民主化に尽力され、
ノーベル平和賞」も受賞しました。

「ロッキー4/炎の友情」及び
「ロッキーVSドラゴ:ROCKY IV」の
劇中では名前を特定していませんが、
ゴルバチョフ氏を彷彿とさせる
そっくりさんがソ連の指導者役を
演じられていました。

ゴルバチョフ氏のご冥福を心より
お祈り申し上げます。