【農村で女性起業家達に会う】: バングラデシュ | 世界あちこち散歩

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国内外の色々な所で見聞き・体験したヒト・モノ・コトを綴ります

NHKの長寿番組の一つ
鶴瓶の家族に乾杯」。

 

笑福亭鶴瓶さんとゲストが、

日本各地を訪問し、

ぶっつけ本番で、

人々と触れ合う番組です。

 

今はコロナで無理ですが、

以前は、時々、海外編も

放送されていました。

 

私の場合、海外旅行の際、

知らない現地の人と触れ合う事は、

特に目的にはしておりませんが、

一人で旅行をしていれば、

成り行きで、様々な出会いが

ある事が多く、そういう

偶然の出会いは楽しんでいます。

 

一方、仕事で海外に出張する際、

特に市場調査の目的がある場合は、

意識して現地の普通の人々に会って、

生活状況、消費行動等について、

ヒアリングをする事があります。

 

そんな出張の中でも、

特に印象に残っているのは、

2011年9月に訪問した

バングラデシュ」です。 


バングラデシュに関して

一般の人が持っているイメージは、

最も人口密度が高い国の1つ」、

洪水で度々被害に遭っている国

等があり、それはそれで

正しいのですが、私の訪問当時は、

日本企業が、中国に代わる

生産地としてバングラデシュに

注目し始めた頃であり、

特に繊維産業の進出が加速

しておりました。

 

さて、私の出張中、

本来の業務関連の打ち合わせ等は

全て、首都で最大の都市である

ダッカ」市内で行いましたが、

それとは別に、一日だけ、

農村を訪ねる事にしていました。

 

そこで見たかったもの。

それは、当時話題になっていた

マイクロ・クレジット

現場です。

 

マイクロ・クレジットとは、

低所得者向けに少額の融資をして、

起業や生活の向上を支援するもので、

一般的な金融機関の活動とは

少し違う、社会貢献的な事業です。

 

特に、バングラデシュの

グラミン銀行」は、この分野で

有名であり、顕著な功績を残しており、

この銀行自体と、創設者である

ムハマド・ユヌス」氏は、共に

ノーベル平和賞」を2006年に

受賞しています。

 

さて、当日は、まずは車で

グラミン銀行の支店の1つを訪問。

 

そこで、マイクロ・クレジットの

仕組みなど、基本情報を

教えてもらいました。

(これを説明すると長くなるので、

ご興味のある方は、ネットで

検索して下さいね!)



その後、近くの川岸に移動し、

ここからは船で目的地を目指します。



こういう船での移動、

色々な国で経験していますが、

いつもワクワクします。



 

無事に目指す農村に到着。

 




まずはセンターと呼ばれる

集会所の様な所に行き、

融資を受けている人々と

銀行側との定期的なミーティングを

見せてもらいました。

 


この銀行の融資先の

97%は女性との事。

カラフルな衣装が綺麗です。


 

この女性は約8万円を借り、

それを元手に夫が冷蔵庫の

修理店を開業。

月に約1万円の収入がある

そうですから、返済も問題

無いでしょう。

 


その後は、「家族に乾杯」の様に、

村の中を歩いて回り、

融資を受けた人達がどんな仕事を

始めたのか等、お聞きしました。

 

この女性は、借りたお金で

乳牛の飼育を始めました。

家には電気が来ており、

カラーテレビも所有。

夫は携帯電話を持っているそうです。



こちらは、母親が借りたお金で

開業した売店を、

息子さんが切り盛りしています。


 

収入が増えたおかげで、

家を新築している所にも

出くわしました。

因みにこの家、約70万円との事。



ところで、何故、

融資先の殆どが女性なのかですが、

特に女性の貧困を救済するという

趣旨がある事が、最大かつ表向きの

理由でありますが、それと共に、

特に途上国では、

貧困男性に融資すると、

それを別の目的で

消費してしまう事が多く、

それに比べて女性は、堅実に

資金を管理する能力があると言う

理由もある様です。

 

実際、この銀行では、融資したお金の

返済率は非常に高く、いわゆる

「貸し倒れ」「焦げ付き」になるのは、

極めて稀だとの事でした。

 

ダッカ市内に戻った後は、

グラミン銀行の本社を訪問し、

ノーベル平和賞関連の展示を

見学しました。




グラミン銀行からホテルに戻る途中、

国会議事堂」が見えたので、

車を止めてもらい、遠方からですが、

写真を撮りました。


 


この国会議事堂、見たかったんです。

それと言うのも、これを設計したのが、

アメリカの有名な建築家、

ルイス・I・カーン」氏だからです。

 

元々出張なので、観光の時間は

取れませんし、ダッカには、

どうしても観たい観光スポットは

特になかったのですが、

この国会議事堂だけは、出来たら

観てみたいと思っていたので、

希望が叶いました。

 

ただ、もしバングラデシュを再訪する

機会が訪れたら、今度は、

もっと天気の良い日に中まで入って、

じっくり観てみたいと思います。

 

それと、グラミン銀行から融資を受けた

人達のその後も気になります。

村が更に栄えていたら良いのですが。