三回忌が近くなり、心を落ち着かせるために坂東観音様巡りを調べていました。

九番からは埼玉県に入ります。そして東京、神奈川に戻り、群馬、栃木、茨城、千葉で一周となります。ルートの起源は資料があまりないようですが鎌倉を中心に関東を時計周りになっていて、鎌倉の人々からみた巡礼地であったようです。
鎌倉は源頼朝公の政権の地ですが千葉の最後の那古寺は頼朝公が平家に敗れて再起を祈願したお寺です。
信仰心が厚い頼朝公、鎌倉からのこの道のりには頼朝公の御心があるような気がします。

鎌倉時代から約800年、約1,300Kmを数えきれない多くの人々が歩き願ってきた場所に救いがあると思いたいです。


第九番
『都幾山 慈光寺』
天台宗 十一面千手千眼観世音菩薩 673年
聞くからに 大慈大悲の 慈光寺
誓いも共に 深きいわどの

埼玉県比企郡ときがわ町。東武武蔵嵐山駅から遠いこちらは、以前に記事にした知り合いが車で連れて行ってくれました。

人に頼ったはじめてのお参り。
晴天の5月、清々しい風で、お寺のある都幾山は花や紅葉の時期に山登りでも楽しめ、私の訪ねた時はシャガの花の群れが迎えてくれました。
また、坂の途中の梵字が刻まれた青石塔婆群が意味深く印象的です。バス停から歩くとなると慈光寺まで40分と書いてありました。
私はお寺の駐車場から歩いただけでも息が切れました、、、
ですが細道の先には赴きのある門構えが優しく強く迎えてくれたような気がして思わずここだけ写真に納めました。


お参りした後で本堂で観音様のことを丁寧にご説明いただきました。

こちらの千手千眼観音菩薩立像は千の手、千の目で子どもの世話をする母の姿であり、左の脇手の下の方の手が一本だけ手の甲を正面に向けている珍しい観音様なのだそうです。
『その手は子どもを抱く、おんぶする慈愛の手を表しているのですよ』そう聞いた瞬間からしばらく涙が止まりませんでした。

たったひとりの娘をこの手はもう抱きしめることができない、、、
どうか、どうか娘をよろしくお願いします
どうか、どうか別の世界で幸せでありますように。どうか、どうか、、、
書きながらも涙がとまりませんね、、、