前回までは膝を中心にブログを上げてきましたが、

今回からは「アキレス腱」についてです。

私も時々不具合を起こしますが、

「アキレス腱炎」について話をしていきます。

運動前のストレッチなどで、

アキレス腱を伸ばすことがよくあると思います。

では、アキレス腱に炎症が起こるとどうなるのか・・・

アキレス腱炎が起こる原因や症状、

リハビリまでを数回に分けて進めていきます(^_^)

 

アキレス腱が関係する痛み

アキレス腱の炎症には、

細かな違いがあることをご存じでしょうか?

診断の話は次回触れますが、簡単に説明しておきます。

①.アキレス腱炎:アキレス腱自体に炎症を起こします

②.アキレス腱周囲炎

  アキレス腱の周囲(パラテノン)に炎症を起こします

※パラテノン:アキレス腱を包む、血流が豊富な膜組織

       アキレス腱との間に組織液を含み、

       摩擦を軽減する

③.アキレス腱滑液包炎

  アキレス腱下方にある滑液包が炎症を起こします

※滑液包:滑液(粘りのある液体)を含んだ袋

     腱が骨の上を動くとき摩擦を減らす

 

Q.アキレス腱炎の定義とは?

アキレス腱の微細損傷再生を繰り返す過程で、

アキレス腱自体に炎症を起こして

痛みが発生している状態です。

アキレス腱は腓腹筋・ヒラメ筋の停止腱であり、

足首を動かした際にアキレス腱を含む

下腿三頭筋が作用します。

特に、つま先立ち地面を踏む際に足首は動くため、

これらの動作を繰り返すことで

アキレス腱炎に繋がっていきます。

 

〜アキレス腱炎の好発〜

アキレス腱炎の好発は足首を酷使するスポーツで、

「走る」「踏み込む」「跳ぶ」と言った

スポーツに好発します。

具体的には、陸上競技や剣道、

バレーボールなどが挙げられます。

それぞれに共通するのは、

競技中に繰り返し同じ動作が含まれている点です。

一度の大きなダメージよりも、

動作を繰り返したダメージの蓄積が

メインになると考えられます。

同じ動作の繰り返しにより

アキレス腱に体重の負荷がかかり、

微少な損傷を助長します。

特にヒラメ筋は足首の底屈に大きく作用し、

その際、約4.5cmの収縮運動をします。

その幅でアキレス腱も牽引されるため、

繰り返し牽引されるとかなりの負担になるでしょう。

 

Q.アキレス腱炎の原因とは?

アキレス腱炎が発生する原因は、

内的要因と外的要因に分けられます。

〜内的要因〜

①.筋肉の問題

上記でアキレス腱炎の好発スポーツを挙げましたが、

大体のスポーツは足を使うため、

アキレス腱は微細な損傷を繰り返しています。

下腿三頭筋は張りや硬さが出やすい筋肉であり、

その状態を放置すると

アキレス腱に負担がかかるようになります。

結果としてアキレス腱の柔軟性が失われるため、

炎症を起こしやすくなり痛みを引き起こします。

 

また、運動前後のコンディション

筋肉の状態を決める要素になります。

運動前→ウォーミングアップ不足・天候による冷えなど

運動前→オーバートレーニング・クールダウン不足など

これらの要因は単体でアキレス腱炎を起こすのでは無く、

要因が重なることで

筋肉の動きに影響を及ぼしやすくなります。

 

②.アライメント不良

人の体は真っ直ぐな状態であれば、

本来のパフォーマンスを発揮しやすく、

故障のリスクも少なくなります。

※アライメント不良の例

回内足(プロネーション)

アーチの低下(扁平足)

トゥーアウト

上記の例で共通しているのは、

足首の捻れ衝撃吸収機能の低下です。

まず、足首の捻れが起こることで、

動かなくてもアキレス腱が自然と捻れた状態になります。

この状態で捻れた状態で運動を繰り返すことで、

①に書いたようにアキレス腱炎の損傷が起こります。

 

一方、衝撃吸収機能が低下すると、

下腿三頭筋への負担が大きくなります。

アキレス腱は非常に強靱な靭帯なので、

ある程度衝撃には耐えられるようになっています。

しかし、衝撃分散ができている場合の話になるため、

衝撃吸収が弱くなるとアキレス腱への負担が大きくなり、

損傷が大きくなります。

結果として、

アキレス腱全体が炎症を起こすことになります。

 

また、止まった状態のアライメントに異常が無くても、

動いている状態で異常が見つかる場合もあります。

そのため、

両方から原因を検査していくことが大切になります。

例:ランニングフォーム・ジャンプの着地姿勢など

 

③.運動量や内容の変化

運動量の増加や練習内容の変更が、

原因としてよく挙げられます。

よくある要因は、

・新しいチームでポジションが変わった

新しい種目・競技に挑戦し始めた

シーズンイン冬季練習で練習量が増えた

などです。

 

練習のダメージが足に直接加わるのではなく、

間違った動き痛みを誘発する動き繰り返す事に

問題があります。

つまり、練習量を調節するだけでは、

本当にアキレス腱炎の原因を

取り除いたことにはなりません。

体の状態を整えている期間に、

それに見合った練習量を考察・実践することが

大切だと思います。

 

〜外的要因〜

①.練習環境

例えば、土のグラウンドとアスファルトでは

どちらが足の負担が大きいと思いますか?

もちろん、アスファルトのほうが練習の負担は

大きくなります。

それ以外にも、

固いグラウンド不整地な路面は足の負担を大きくします。

 

②.シューズの問題

同じシューズを履いていると、

アウトソールのすり減りなどでクッション性の低下や、

踵のアンバランス感が出てきます。

それにより、本来できている正常な動きに影響を及ぼし、

足の負担が大きくなります。

例:すり減って傾いたシューズ

また、根本として自分の足に合わないシューズを履くことも痛みの原因となります。

サイズ感だけで無く、

踵のフィット感などが合っているのかを

確認することも大切です。

 

このようにアキレス腱炎の概要に大まかに触れましたが、

シンスプリントと似ていると気づきましたでしょうか?

痛みの出る部分は異なりますが、

足の捻れやシューズが関係している点はほとんど同じです。

 

私は以前、シンスプリントとアキレス腱周囲炎の

混ざったようなケースに遭遇したことがあります。

検査していく中で、アライメントの異常や練習内容に、

両方を痛める要因が隠れていたため、

どちらとも取れる状況でした。

 

特に冬場や春先のシーズンインに遭遇するケースが多い

アキレス腱炎ですが、もちろん対処することは可能です。

次回はアキレス腱炎の症状・診断などに触れていき、

より知識を深めていきたいと思います(^^)/

 


 

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