私自身もそうですが、

日本人の多くが腰の痛みを抱えて生活しています。

腰が痛い原因は人によって様々ですが、趣味や仕事、

日常生活に支障が出ることに変わりはありません。

 

では、腰痛が起こる原因は一体何なのでしょうか?

詳しく書いてみたいと思います。

 

〜腰痛の原因〜

皆さんは、腰痛に分類があることをご存じでしょうか?

大きく分けて

「特異性腰痛」と、「非特異性腰痛」に分類できます。

 

それぞれの違いは・・・

特異性腰痛

 →画像(レントゲン・MRIなど)で

  原因が判明する腰痛で、腰痛のうち15%が該当します。

非特異性腰痛

 →検査をしても原因が判明しない腰痛で、

  腰痛のうち85%が該当します。

  原因はハッキリしていませんが、

  以下の点が痛みの原因とされています。

 

①.姿勢不良

長時間のデスクワークなどは姿勢が崩れやすく、

腰痛に繋がることが多いです。

パソコンやスマホを使用しているとだんだん猫背になり、

それを補正しようと反り腰になる傾向があります。

座っているときは立っているときと比べて、

腰に1.4倍負担がかかると言われています。

構造上常に負担がかかる上に、反り腰になるため

慢性的な腰痛を訴える方が多いのが現状です。

 

②.同じ動作の繰り返し

立ちっぱなしや座りっぱなしのように、

同じ姿勢を取り続けることは腰に負担をかけます。

具体的には、デスクワークや車の運転、荷物の運搬、

工場のライン作業などです。

動かずに同じ姿勢でいると、

筋肉に負担がかかり関節の動きにも影響が出てきます。

それにより正しい姿勢が取りにくくなり、

腰痛が悪化すると言った悪循環に繋がります。

スポーツではジャンプ動作による衝撃や、

バッティングでの回旋動作などで注意が必要です。

 

③.ストレス

季節の変わり目は気温湿度の変化が激しくなり、

腰痛を訴えるケースも見られます。

特に冬場は寒さで筋肉が固まりやすくなり、

ぎっくり腰を起こすことが多くなります。

それ以外に、

精神的ストレスも腰痛に大きく関係があるとされています。

ストレスによって交感神経が優位に働き、

筋肉の緊張が強まるため、腰痛に繋がります。

 

★腰痛は人以外では起こらない!?

実は、人類が二足歩行をするようになってから、

人類と腰痛は切っても切り離せない関係にあるのです。

なぜなら・・・

立ち姿勢を維持するためのメカニズムは

背骨に負担をかけやすく、

特に腰椎に影響を及ぼしやすいからです。

ヒト以外に二足歩行をする動物は多く存在しません。

つまり、二足歩行を続ける限り、

誰にでも腰痛は起こりうると言えるでしょう。

 

〜特異性腰痛の種類〜

特異性=原因が判明するため、疾患名がついています。

馴染みのある疾患も多いと思うので、

ご自身の症状と比較してみてはいかがでしょうか?

 

椎間板ヘルニア

椎間円板に傷がつき、

内部の髄核が後ろ側に脱出して痛みを生じる病態です。

レントゲンやMRIの撮影をすることで、椎骨の変形や

関節の隙間が狭くなっていることが発見されます。

20歳から40歳の男性に多く、下部腰椎に好発します。

二大症状と言われるのが腰痛下肢痛で、

痛みの後で下肢の筋力低下しびれが生じます。

特徴として、

前屈み(前屈)や患側(左右で痛みがある方)へ

身体を倒す(側屈)ときに痛みと制限があります。

 

脊椎分離症

脊椎分離症とは、椎骨の後ろ側のつなぎ目が断たれた、

いわゆる骨折の状態です。

スポーツ選手に多いのが特徴で、一般と比べて2〜3倍、

発生リスクが高いと言われています。

特に成長期(7〜18歳)で発症するケースがあり、

第5腰椎に好発します。

症状は運動後に増悪することが多く、

臀部から腰への鈍痛疲労感や、

分離部や腰に圧痛があります。

★脊椎分離症からすべり症を併発するケースがまれにあり、

 分離すべり症になることがあります。

 (脊椎分離症の1割程度)

 

脊椎すべり症

すべり症とは、

上の椎体が下の椎体に対して前方に滑った状態です。

スポーツ選手以外にも若年男性中年女性に多く見られ、

第5腰椎に好発します。

症状の発症にも違いがあり、若年者では腰痛

中高年者では下肢への放散痛(離れた場所への痛み)が

顕著に見られます。

また、すべり症の椎体部に陥凹が見られ、

腰椎の前弯が強くなります。

★脊椎分離症からすべり症を併発するケースがまれにあり、      

 分離すべり症になることがあります。

 (脊椎分離症の1割程度)

 

腰部変形性脊椎症

40歳以降の男性に多く、

退行性変性(加齢)が原因とされることが多いです。

加齢によって椎間板がすり減り、

椎骨同士がぶつかると「骨棘」を形成します。

形成された骨棘が神経を刺激したり圧迫することで、

腰背部痛坐骨神経痛、体幹の後屈痛などが起こります。

特徴的な所見に、同一姿勢からの動き出しに痛みが増強する

スターティングペインがあります。

症状は温めると改善しやすいと言われています。

 

腰部脊柱管狭窄症

脊柱管の中が狭くなり、

通過している神経や脊髄を圧迫している状態です。

40歳以降の男性に好発し、

椎間板や黄色靱帯の肥厚が原因となることがあります。

症状は腰痛や下肢のしびれ知覚障害などで、

両側性(左右両方)で多神経根(一箇所だけではない)

であるのが特徴です。

特徴的な所見に間欠性跛行があり、

長時間歩くと足に痛みやしびれが出てきます。

前屈みになったりしゃがみ込むことで

速やかに改善するのが、間欠性跛行の特徴です。

神経障害がある際に行われる膝蓋腱反射や

アキレス腱反射は、出現しないことが多いとされています。

 

〜非特異性腰痛の種類〜

非特異性腰痛は原因がハッキリ断定できないため、

痛みの性質等で判断することが多いです。

 

筋・筋膜性腰痛

背中から腰の筋肉にストレスや疲労が蓄積することで

痛みを引き起こす腰痛です。

特徴として、筋肉の緊張限局性(ピンポイント)の

痛みが見られます。

限局性の痛みは前屈み(前屈)で目立ち、

運動時に制限を生じることが多いと言われています。

 

椎間関節性腰痛

痛みは背骨のキワ(少し外側)の深い部分に感じることが

多く、特に下部腰椎の痛みを訴えることが多いです。

 

ぎっくり腰

正式には急性腰痛と言い、

椎間関節への滑膜流入や椎間円板が原因と言われています。

腰に急激な痛みが走ることから始まり、

痛みが消失してから慢性腰痛に移行するケースもあります。

急激な痛みは1週間程度で治まることが多いですが、

慢性腰痛に移行した場合、

繰り返しぎっくり腰になる事が多いと言われているので、

早期対処・予防が重要になります。

痛みが強い方だと歩くのもままならないこともあり、

足にしびれが出たり眠れない場合もあります。

急に腰が痛くなったと訴える方が多いですが、

 実際は腰への負担の積み重ねが原因のケースが多いです。

 仕事やスポーツで腰への負担が大きい場合、

 ふとした動きが引き金になり

 発症することが考えられます。

 

このように「腰痛」と一括りにしても、

細かく見ていくと原因や症状は大きく異なります。

今回は一般的な特徴を記載しているため、

実際は異なる症状が出てくる可能性も考えられます。

個別の症状は後々ブログにしたいと思います。

 

次回:腰痛の原因筋・ストレッチ

 

 


 

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