北畠親子 むらむらの【後編】 | わたる風よりにほふマルボロ

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現代短歌新聞2021年4月号

作品掲載

 

new「源氏で紡ぐ和歌便り」

2021年8月分掲載new

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(秋歌とて)

 

むらむらの雲の空には雁なきて草葉露なる秋のあけぼの

 

北畠親子

玉葉和歌集秋上588

 

 

訳や語釈、これまでの解説は
昨日の記事

お読みくださいね。

 

 

 

昨日の記事には、

 

この歌は

『古今集』のこの歌の本歌取り

と取ると読みやすいと考え

そのように書いた、

 

というような事を書きました。

 

 

さて、本歌取りに代表される

和歌技法と

京極派の関係について、少し。

 

 

 

京極派歌人たちは、

縁語や掛詞、本歌取りといった

従来の和歌的約束事に

安易に頼らず、

 

みずからの心に結んだ景を

みずからの選択で言葉に起こし

歌にする、ということをしました。

 

 

 

なので、

ほかの時代、流派の和歌と

比べると

彼らの残した本歌取りの歌は

少なめです。

 

 

ただ、彼らにも

本歌取りの歌を詠む技量は

じゅうぶんにありました。

 

彼らはそれらに

“安易に”頼らなかっただけ、

 

必然性のある場面では

本歌取りその他の

伝統的和歌技法を

京極派的な和歌に採用する

ことも、もちろんありました。

 

例えば九条左大臣女は、

京極派歌人のなかでも

目立って本歌、本説取りを

おこなった人です。

 

 

 

 

京極派和歌について

学び始めの方にいきなり

 

京極派歌人の詠んだ

あまり京極派的でない歌や

京極派のなかでは

例外に当たる作例

 

などを見せると、

京極派歌風について

混乱させてしまうかもしれない。

 

 

けれども、事実として、彼らは

本歌取りだろうが何だろうが

使うべき場面では使ってきた。

 

安易な利用を避けただけで。

 

 

このあたり、

全体の流れを考えて組める

講座ならばともかく

 

こうして日々訳し紹介してゆく

ブログにおいて

どのように伝えるべきか、

難しいですね。

 

 

例外を典型的な例と

受け取られても、困りますし、

 

だからといって

「そんな事はしなかった」

と極端な事を言うのも

事実と違うわけですし。

 

 

講座を勧めることで

ある程度は解決するのかも

しれませんが、

 

時間もそうですが、それに加えて

お金というリソースを使うことに

ついてはなおのこと

皆さんそれぞれ優先順位が

異なるのでしょうし。

 

 

 

まあ、私のような

影響力の小さな人間が

そこまで考える必要も

ないのかもしれませんが。

 

かもしれませんが、

それでも、考えてしまいます。

和歌が好きで大切だから、ね。

 

 

むらむらの雲の空には雁なきて草葉露なる秋のあけぼの

 

 

この記事の【前編】

 

 

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