京極為兼 めぐりゆかば【後編】 | わたる風よりにほふマルボロ

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やよひのつごもりの夜よみ侍(はべ)りける

めぐりゆかば春にはまたも逢ふとてもけふのこよひは後(のち)にしもあらじ

京極為兼
玉葉和歌集春下292
 
 

訳や語釈、解説の前半は

昨日の記事をお読みくださいね。

 

 

 

京極派は

「写生をした和歌グループだ」

だの

「写生の歌と観念の歌を詠んだ

 和歌グループだ」

だの言われますが、違います

 

彼らは写生をしたわけではない。

「季節の歌では写生をし、

 恋歌などでは観念の歌を詠んだ」

わけでもない。

 

 

 

京極派の核にあるのは

「心の絶対尊重」

という考え方です。

 

これは、

京極派の生まれた鎌倉時代の

和歌の常識を考えると、

甚だ非常識的な主張。

 

 

その斬新な考え方を

歌に反映させるにあたり

試行錯誤した結果、

 

彼らの一定数が

 

季節の歌では

(現代から見た)写生に近い表現を

選択し、

 

恋歌や雑の歌では

観念の歌を詠むことも

少なくなかった、

 

というだけ。

 

 

写生とか観念とか

字余りとか特異句とか……

「京極派の特徴」

と一般に言われるものは、

 

歌論を実作に反映させた結果

そのアウトプットの一定数に

共通して見られた、

表面的な特徴に過ぎません。

 

 

「心の絶対尊重」を

どのように歌に反映させるか

の試行錯誤の結果、

 

京極派のそうした表面的な特徴と

異なる特徴を持つ歌を詠んだ

歌人も、いくらでもいます。

 

それこそ、京極派代表歌人である

伏見院や永福門院なども、

その表面的な特徴から

大きくずれることを

厭いませんでした。

 

 

 

 

 

井上宗雄氏は
為兼の作品の中に生涯を通じて存在する、非具象的な観念歌を無視すべきでない事を指摘され、

これと彼の清新な自然詠との関係を考察して、

「為兼の写実歌とか自然詠とかいわれるものは、
 一つの属目なり、見聞なりを、そのままスケッチしたものではなく、
 鋭い自己の感覚でとらえた対象を、観念の中で構成しなおして表出したものである。

 従って、
 心の働きに基本を置いているという点で、結局は、
 いわゆる観念的な歌と自然詠とは同根から生じたものに外ならないのである」

と言われた

 

 

 

 

私もこうしていろいろな記事で

京極派について言及していますが、

 

記事ごとの言及なので、どうしても

とっ散らかってしまう印象は

あるでしょう。

 

 

だからといって、京極派について

まとまったものを学びたい

という方に

 

「岩佐美代子氏の図書がオススメ!

 509ページどーん! 」

 

と無邪気に言うのも

無謀な気がしています。

 

(良書なのでオススメですけれどね!

 前提知識がまあまあ要るし

 長いし高いしで、

 まず手に取るにはハードルが高い)

 

 

そんな昨今、私なりに

京極派についてPDFファイルに

まとめる機会がありました。

 

PDF7ページの小レポートです。

短歌関係の歌友や

古典関係の友人にも

「生き方や歌の詠み方について

 改めて考えさせられた」

と好評。

 

(あれ? 京極派レポートなのにすごいね)

 

 

こちらの販売ページ

用意いたしました。

 

内4ページは歌例、

レポート部分は3ページです。

そんなに長くないよ。

 

 

 

ココナラを通さず私に直接

ご連絡、ご入金いただけると、

手数料が取られないので

私としてはなお助かります。

 

が、ココナラ経由の購入のほうが

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ご遠慮なくお寄せくださいね。

 

 

 

この「めぐりゆかば」は

『玉葉和歌集』「春下」巻軸歌、

 

この次から

季節はいよいよ夏に移り

花鳥のあかぬわかれに春くれてけさよりむかふ夏山の色
西園寺実兼 玉葉和歌集夏293

この歌から

「夏」部が展開してゆきます。

 

これもまた爽やかで

京極派らしい夏歌ですね。

 

 

昨日の記事にも書いたとおり、

本当は今日が立夏で

暦のうえでは今日から夏。

 

明日からの夏歌のご紹介も

楽しみにお待ちくださいませ。

 

 

この記事の【前編】

 

 

めぐりゆかば春にはまたも逢ふとてもけふのこよひは後にしもあらじ

 

 

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