惟明親王 この葉ちる | わたる風よりにほふマルボロ

わたる風よりにほふマルボロ

美しい和歌に触れていただきたく。

*:..。o○ ○o。..:*

梶間和歌プロフィール小説

 

歌集『生殖の海』


歌をやり取りする

facebookグループ

 

和歌を学ぶ「歌塾」

個別動画視聴ページ

new基礎講座new

new初級講座new

*:..。o○ ○o。..:*

現代短歌新聞2021年4月号

作品掲載

 

new「源氏で紡ぐ和歌便り」

2021年10月分掲載new

*:..。o○ ○o。..:*

 

 

題しらず
 
この葉ちるみ山のおくのかよひぢは雪よりさきにうづもれにけり
 
惟明親王
玉葉和歌集冬879(880)
 
 
 
【現代語訳】
 
木の葉の散る
人里離れた深い山奥の、
誰が通るでもないのに
かろうじて存在していた
通い路は、雪の降るより先に
埋もれてしまったのだなあ。
雪より先に、落ち葉によって。
 
(訳:梶間和歌)

 

 

【本歌、参考歌、本説、語釈】

 

み山:深山

 

かよひぢ:通い路。

 「深山」の「通ひ路」なので、

 雪や落ち葉が積もらなくとも

 人通りは期待されない。

 

うづもれにけり:

 埋もれたのだなあ、

 埋もれたのだと気づいたよ、

 埋もれたのだった。

 「ぬ(に)」は完了、確述の助動詞、

 「けり」は気づきの助動詞。

 

 

 

高倉院第三皇子であり、

後鳥羽院の異母兄に当たる

惟明(これあきら)親王の詠。

 

 

惟明親王の歌には、

新古今的なものより

 

伯母である式子内親王の歌に

通ずる気配というか、なんというか、

性根の優しさのようなものが

どこか感じられます。

 

し、新古今時代よりひと昔前の

和歌の気配が

ほかの同時代の歌人の歌より

強く表れている印象です。

 

 

言語の可能性にとことん向き合い

高度な表現可能性を突き詰める

 

という気の漂う作は、惟明詠には

そこまでたくさん

見られないような気が。

 

 

 

新古今時代の歌人とはいえ

“新古今歌人”と区分されることは

あまりない惟明親王、

 

その人の歌まで私が

しっかりフォローしている

わけではないので、あくまで

ざっくりとした印象ではありますが。

 

 

どうなのでしょう?

 

新古今時代に生き

 

自邸に定家ら新古今歌人を

招いて歌会を主催し

 

新古今時代の

代表的なイベントである

「正治初度百首」「千五百番歌合」

などにも出詠している彼ですが、

 

“新古今歌人”という区分は

なされない……ですよね?

なされますか?
 

お詳しい方、いらしたらぜひ

コメント欄で教えてくださいませ。

 

 

この葉ちるみ山のおくのかよひぢは雪よりさきにうづもれにけり

 

 

*:..。o○ ○o。..:*

 

引っ越し祝いと生活費のご寄付を

募っております。

 

12月分のお家賃もおかげさまで

無事払い終えられました。

 

あなたの応援が

私の和歌仕事の質を

担保し、向上させます。

 

あくまでご無理のない範囲で、

ご検討よろしくお願いいたします。

*:..。o○ ○o。..:*

 

音符講座動画を個別購入する

 

和歌を読むための【基礎】クラス

 

和歌を詠むための【初級】クラス

 

 

音符梶間和歌歌集『生殖の海』 

 

 

 

音符『源氏物語』も梶間の和歌も

 楽しむ

 

 

音符和歌みくじで遊ぶ

友だち追加

 

 

音符梶間和歌の作品の掲載された

「現代短歌新聞」2021年4月号