人は神に役立つために、生まれて生きる、そは幸い。
神に背(そむ)きて、道を逸(そ)れ、外れて生きるは、かくも苦しむ。
修羅(しゅら)の道なり、地獄へ続かん。
神は望まず。
地獄へと、堕ちる前にて救いたし。
神の恩愛、慈悲の心を、気付かぬ愚かな魂たちよ。
いかに生まれていかに生き、いかに死ぬるか、よく考えよ。
勝手の思いや欲得に、眼を眩ませて、何も見えざる。
強き欲望願望に、心奪われ、何も聞こえず。
かくも貶(おとし)め 卑(いや)しめて、魂売りて、何を買う。
地獄の鍵か、あの世の行か、辛き責め苦と、後悔の日々。
神は脅して裁くことなし。
自ら裁きて、自ら選べよ。
己を浄め高める方へと。
神に導き誘(いざな)われ、正しき道を歩むは幸い。
自ら苦しき方を選び、執着嫉妬、憎悪にまみれ、魂汚す道を行く、愚かな者よ、戻り来(こ)よ。
正しき道は一つなり。
間違うことなし、迷いなし。
ただ進むのみ、歩むのみ。
時に雨風、嵐もあるらん。
なれど、晴天、微風もそよぎ、己の労をねぎらわん。
道に草花、空には星が、道の疲れを癒(いや)し 慰(なぐさ)む。
神の心に預けゆけ。
心の平穏安寧(あんねい)は、委ねる心に恵まれん。
疑い迷い、案ずるは、委ねぬ心の戒めなり。
神に預けて、任せ切れ。
なれど努力は 惜しむな、人よ。
神の慈愛を受け取れよ。
神の恵みを喜べよ。
この世に生まれて死ぬまでの、儚(はかな)き生を、楽しめよ。
~神から人へ〈下〉: 今日の話題社: 新版 (2003/09)ひふみ ともこ より~
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