なれど自ら遠ざかり、敢えて険しき坂を選(よ)り、苦しみ喘(あえ)ぐを好む者あり。
或(ある)いはさらに楽せんと、己の浅はか、道を外れて、返りて寄り道迷い道。
遠回りして時を無駄にす。
真の賢者、勝利者は、愚かで愚直な、欲のない、与えられたる道のみを、ただひたすらに歩む者。
他(た)を顧(かえり)みず、脇見せず、己の前なる道のみを、あまりに遠くを見やることなく、過ぎ来し過去を振り返るなく。
ただ今のみを、目の前のみを、無心の中にて進む者。
神は人を作り賜いし。
さなる賢く正直なるを。無欲なまでに多くを望まず、満ち足ることをよく知りて、同じに飽きず、繰り返すを耐え、鈍感なまでに不平を持たず、なれど、感謝の思いの厚き。
神の愛でらる人たれよ。
いかに優秀、成功せれど、人を貶(おとし)め、己のみなる繁栄栄華を極めし者は、いずれも魂汚れを持ちて、神は禊ぎて、浄めんとさる。
さなる者の魂は、神に感謝の思いも薄く、己尊し、偉し賢し。
人より優(まさ)るる才と過つ。
なれど許さず、さなる過ち。
神の与えし魂なくば、人は生き得ず、生もなし。
神の計りし仕組みのなくば、人は成功、 繁栄もなし。
なれば人よ、敬虔に、謙虚に祈れよ。感謝捧げよ。
神に優れる何を持つ。全てを神に与えられ、分けられ、授かり、さにて生きるを。
何を競(きそ)いて、勝たんと力む。
始めに神に作られて、全てを神に教えられ、ようやくにして人たるを。
さなくば人も動物ならずや。土中に蠢(うごめ)くミミズ と変わらず。
人よ、畏れよ、畏怖を知れ。この世の神秘を、真理の深さを。
神に預けて、何を恥じよう。
始めに戻れよ、元の姿に。神の慈愛に守られし、無力無能の生命なりき。
神は人を慈しまる。
慈愛の全てを傾けて、人を導き、育み与う。
神の慈愛に委ねよ、素直に。
人とは弱く、脆(もろ)き者。
神の慈愛の守護なくば、生きることさえ適わぬ生命。
この世の真理を、原理を知らば、人は悟らん、己の小ささ。
宇宙のゴミなり、埃(ほこり)なり。瞬時に消えて、何も残らぬ。
神は教えん。常永久(とことわ)に。
変わらぬ愛の深さを持ちて。
伝え続けん。
全ての真理を、余すとこなく、人に残さん。
神の心を伝え残せよ。
後(あと)なる人はさらに知らん。
神の実在、宇宙の不思議を。
~神から人へ〈下〉: 今日の話題社: 新版 (2003/09)ひふみ ともこ より~
http://www4.tokai.or.jp/kmh/index.html
なれば、終わらん。