人一人として、救わぬ者なし。
なれど、浄めが終わらぬ者は、神の光が入らぬなれば、先ずは浄めて、曇りを取らん。
その後、光を受け止めて、魂を起こし、目覚めさする。
さなりて初めて、書は許されん。
神の教えは知らされん。
なれば、急ぐに速すぐることはなけれど、急ぎて過ち、間違うなかれ。
人の迷妄、人の無知、汚れしままの魂には、この書は見せるな。与えるな。
許され、示され、教えられ、ようやくにして、精進せし者。
そのみが分かり、理解する。
なれば、苦しく辛き行なれど、与える前に、神に問え。
広める前に、よく質(ただ)せ。
無駄に拡げて、何も残らず。
返りて、害悪、毒残す。
なれば、教え伝える、大事なれど、し損じ、失敗、許されぬ。
意味なき広めは、何も変え得ぬ。何も起こせぬ。
なれば、よくよく考え、行動せよ。
伝える方法、過つなかれ。
先ずは示せよ、己の努力。
さにて伝わる人もあるらん。
なれば、本日、そなたに伝えし。
神の教えを広める前の、心の構えと、心すべきこと。
先にも伝え、申せしように、伝え広める大事なり。
なれど、伝える方法過たば、全てが徒労、灰燼(かいじん)に帰(き)す。
過去の失敗、繰り返するな。
過去の過ち、無駄にすな。
過去から学び、未来に活かせ。
さて、終わる。
よくよく読みて、魂に入れよ。
~神から人へ〈上〉 :今日の話題社: 新版 (2003/09)ひふみ ともこ より~
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