これは、演奏中にメンバー全員が熱中症になった時の、情けなくも恐ろしい実話である…。
これからの季節、皆さんに参考になれば…と、プライド(?)を投げ捨て、
その時の様子をメンバーの心の声と共にお伝えしよう……。
それはつい昨日のこと。
屋外ではあるが、日差しも強くなかった為、帽子も被らずセッティングを始めた。
普段、あまり汗を掻かない私や米ちゃんが、すでに汗まみれに。
私も、顎から数滴の汗が流れ落ちていたが、
メンバー全員が風邪の治りかけだったため、
汗が吹き出ているんだと勘違いしながらも、やけにスポーツドリンクが飲みたくなり
メンバーに買ってきてもらい、衣裳に着替える。
(体が塩分と水分を欲していた…この時点で体の信号に気付いていれば…)
さて1曲目。
(メンバーの心の声も合わせてお楽しみください…)
けんばやしでのアップテンポの踊りの最中、まずミナに異変が。
ミナ『う…吐き気がっ!帯締めすぎたかなぁ…うぅぅ…やばい…』
もちろん、まだ平気な他二人はそれに気付くハズもない。
2曲目。
すでに熱中症のミナは、モウロウとしながらも、組太鼓を打つ…。
3曲目に入る転換中のMCで、友永に異変が…。
さほど動いてないのに既に顎に凄まじい汗のしたたりを感じる。
しかも目に汗が!目をこすりながらもMC突入。
友永『ん?息切れ…にしては早いなぁ…。喋れば喋るほど息が切れ……うぅっ!吐き気がぁぁぁっ!!…』
…と、MCを切り上げ、
汗を拭くフリをしながら息を整え、命音の大太鼓を打ち始める。
途中、腕に妙な重さを感じ、ソロ部分を大幅にカットした。
その頃、次いで熱中症真っ只中に突入した米ちゃん…。
米『うぅ…気持ち悪ぅぅ…あれ…大太鼓短くない?…だめだ…今立つと私は吐くかも…。大太鼓もっと長くていいのに……そのまま打っててくれぇぇっ…』
最大の危機のポイントとなった命音を終え、MC。
大太鼓に向かっているときは夢中で気付かなかった体の信号は既に赤が点灯。
喋ればまた吐き気が襲う。
目の前がだんだん暗くなり、首から下が重い。
スタンドマイクに手を添えているのが辛いほど、肩があがらない。
この時ミナと米ちゃんはそれぞれ
『私ってかなり体力不足だ…皆平気に打ってるよぉ。…あぁ私は何で今、こんな事をしてるんだろう…私はなぜ太鼓を打っているんだろう…』
『友さん、相変わらず笑顔で喋ってるし…ヤバイなぁ私…』
と、それぞれ己の体力不足のせいだとブルーになっていた。
もちろん私も
『これって歳のせい!?二人ともピンピンしてるし…あぁ私はなんて情けないんだろう…』
と精神的に弱りながらも、すでに口を動かすのが困難になり呂律が回らず、
立っていられない自分に危機を感じ、
『では準備ができるまで暫らくお待ちください』と、
何度も観客に背を向けるチャンスを計る。
次は笛だ。
友永『笛かぁ…(絶望感)』
屋外で風が吹き込み音が出ない為、向きを変えようとするが、
笛を構えている事ができない程、左半身がすでに機能停止。
脳がストップをかけていたのだろう…
『もうヤメテ。ね?ヤメよぅょ、あやみちゃん…』と。
喋るのが困難な口は、もちろん笛を拭く力なんて残しておらず、
汗でずれる笛を支える力も無く、最悪の状態ながら曲を終えた。
さすがにミナは
『友さん、疲れてるのかなぁ…』
と気付くが、さっきからヤケに短いMCで休憩する暇もない状況で
既にメンバー全員体の危険信号を無視し、余力でかろうじて立っている状態に。
次の走り火では、力を振り絞って惰性で抱え桶を打ち、最後の最後にバチを落とす友永。
『がぁぁぁん…有り得ない…有り得ないですぅ(T▽T)』
米『∑(・◇・;)!!!…バチ落とした?…まぁ友さんの事だから、空中で格好よくキャッチくらい、しちゃうんだろうね…って…普通に拾ってるし!!』
ラスト転換…
ボーッとしたミナと米ちゃん。
二人が交互にチョロ…チョロっと意味無く太鼓位置を動かし、さぁ友永のソロの間一時の休憩…
と思っただろうが、
無情にも私がソロを半分ほどカット。
友『私はもう立てません…腕も動きましぇん…なんて不様な打ち姿…、あぁ…皆ごめんね…ソロ短縮するね……あ…笛…しゃがんで吹くね…もぅスタンドマイクの高さに腕が上がらないの…ここで吐くよりいいよね?…ね?』
すがる眼でミナに笑いかけた。
演奏後に片付けを手伝ってくれた和空メンバー(と、メンバーの愛娘、愛息子)の背中に天使の羽が見えた。
こんなみっともない演奏を見せ続けていいのか、それとも最後まで頑張って立って演奏を続けるべきか…。
こんな選択を迫られることのないよう、皆さんも充分 注意しましょう(^^ゞ
汗を拭く手ぬぐいやタオルは濡らしておくといいでしょう。上手に水分補給もしながら乗り切りましょう。