ユーザー(以下、ユ):あの～車の調子が悪いんですけどォ～ 多分点火系かと思うんですが～
北見(以下、北):オメ～前の車どうした？あの旧車。気に入ってたんじゃないのか?
ユ:そうなんですけど、なんかメーカーに部品が無いらしくて～直すに直せないんですヨ。まァ、あれはあれでゆっくりヤりますよ。
北:ククク……ゆっくりねェ～ ところでなんで部品が無いか分かるか？
ユ:単に在庫切れとか？
北:コラコラ、そんなんじゃネェ～って。メーカーには部品保有期間っつって、生産終了後10年間はちゃんと提供しなさいって法律があんのヨ。逆に言うと10年過ぎたら「そろそろ買い換えたら？」って事だナ。
ユ:あっ、聞いた事あります。７年だったかな？
北:７年は家電製品だワ。その10年の保有期間も、所謂「重要保安部品」と「定期交換部品」だけでナ、ブレーキとか操舵関係とか走る事に重要な部品だけなのヨ。
ユ:えっ、ガラスとかドアとかは？
北:それらは「意匠に関するモノ」って言われててナ、メーカーの都合で「もうありません」って言えるワケよ。たとえ5年しか経ってなくてもナ。車も10年過ぎりゃ、街中で見なくなるだろ？
ユ:ですね～、つまり古い車に乗り続けるには、それなりの覚悟と熱意が必要って事ですか？
北:そうそう…あと「古いモノが調子いいわけない」くらいの気持ちじゃないと、途中でくじけるわナ。だいたい、いつまでも調子良ければもっと古い車だらけだろ。
ユ:で、この車は……点火系かと……
北:コラコラ、どこが調子悪いかは俺が判断するんだって。そもそも、並行モノだなこの車。
ユ:何ですか？並行モノって。
北:か～知らんのか並行モノを…並行モノは正規輸入車じゃないって事でな、その車を扱うディーラーでは認められない車なワケだ。
ユ:そうなんですか？同じ車なのに～
北:そりゃそうだろ、正規輸入車は日本の法規に合わせて対策したりしてんのヨ、ちゃんと金かけてナ。そりゃ、その分プライスだって上がるだろ。そんな車と並行モノを一緒にしたら、客だって怒るわナ。
ユ:なるほど、じゃあ並行モノはダメなんですね。
北:イヤイヤ、一概には言えないな、俺も並行モノ好きだし。正規輸入車にはないグレードや車種があってサ。でも、その分ユーザーが苦労したりもするのヨ。正規ディーラーに在庫があるような部品でも、本国から取り寄せたりとかナ。
ユ:それも楽しみと?
北:そうだな。そこを楽しめないなら、正規ディーラーで正規輸入車を買えばイイわけ。
ユ:知り合いの自転車屋のオヤジは、解体屋とかで車買ったり、払い下げ買って喜んでますが？
北:俺に言わせりゃ、論外だなそのオヤジ。どうせ「安くてイイんですよ」とか言ってんだろ。途中で故障で止まっても「朝まで車で寝りゃいいヤ」くらいにしか思ってなわナ、多分。朝になっても直らねって。
ユ:みたいです～
北:少しでも不安があるなら正規モノを選べばイイし、新しいモノに乗ればイイ。ある意味、逆境を楽しめないとキツいかもナ。