皇朝銭成分分析2 | 和同開珎ー皇朝銭専科のブログ

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昨日に引き続き、皇朝銭最終銭である乹元大宝の分析をしてみた


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乹元大宝 Ke0320

    ポイントA     ポイントB     ポイントC    ポイントD    ポイントE
Cu  37.61      16.23      41.24    23.69      9.56
Pb  43.97      24.53      12.67    56.28     48.31
Fe   1.26       2.01       1.32     5.11      0.84
Sn   2.24       1.57       1.22     2.23      2.12
他   14.92      55.66      43.55    12.69     39.17

他は Sbアンチモニー As砒素 Biビスマス Beベリウム Zn亜鉛 Mgマグネシウム Ag銀 Au金 Caカルシウム Si珪素 S硫黄 Pリン Naナトリウムなど

昨日の延喜通宝の次に発行された、皇朝銭最後の貨幣であるが、延喜通宝同様、品質には恐ろしいほどのムラがあり、銅の含有率は極めて少ないことがわかる
およそ5年間にわたり鋳造されたが、流通範囲も狭く、当時の平安貴族には貨幣流通不振の理由が分からず、『日本紀略』によれば天徳2年4月8日には伊勢神宮以下11社に新造の乾元大宝を奉納して流通を祈願している
結局963年鋳造を終了した