稲田防衛大臣の靖国神社参拝について中国などが文句を言っていますが、我が国は信教の自由が認められているとともに、戦没者を追悼することはどの国でも当たり前のことです。

 

中国外務省の報道官は「日本の侵略の歴史を美化する靖国神社を参拝したことは、日本の一部の人物の頑固な誤った歴史観を反映している」と述べましたが、靖国神社が「侵略の歴史を美化する」という根拠を示して欲しいものです。

 

当時の国際社会において「侵略」は定義できず、それだけでも日本の行為が「侵略」であったとは言えません。

 

また、中国が首相や閣僚の靖国神社参拝を批判するようになったのは昭和50年代後半からで、新たに何かしらの意図をもって声を挙げたわけです。

 

中国において戦闘が行われ、日本軍や国民党軍の兵士のみならず戦闘に巻き込まれた民間人が命を失ったことについては直視しなくてはなりませんが、まさに靖国神社参拝は、国のために命を捧げられた方を追悼するとともに戦争によって命を失う方が無いよう思いを新たにするものです。

 

不戦の誓いをもって靖国神社に参拝するわけですから何ら問題はありません。

 

安倍総理の靖国神社参拝についての思い、「A級戦犯」とされた方々が裁かれた東京裁判の異常性については、平成26年の予算委員会質疑で明らかになっています。

長文になりますが重要部分ですので議事録を掲載します。

 

○和田政宗君 それでは、次に靖国神社の参拝について聞きます。

 私は、普通に例大祭や年末年始、終戦の日に靖国神社に昇殿参拝しているわけですけれども、総理の靖国参拝を外交問題化して批判する国があります。A級戦犯が合祀されていて軍国主義の美化につながるという的外れな批判です。そこで、A級戦犯とされる方々と東京裁判についてお聞きしたいというふうに思います。

 過去の質問主意書に対する政府答弁によれば、東京裁判によるA級戦犯に対する刑は国内法に基づいて言い渡された刑ではないとしています。ということは、国内法においては、A級戦犯とされる方々は戦争犯罪人として裁かれていないということでよろしいでしょうか。あくまで連合国が設置した東京裁判の下、裁かれたということでよろしいでしょうか。

 

○国務大臣(岸田文雄君) いわゆるこのA級戦犯につきましては、極東国際軍事裁判所において被告人が平和に対する罪等を犯したとして有罪判決を受けたこと、これは事実であります。極東国際軍事裁判所が科した刑は、我が国の国内法に基づいて言い渡された刑ではありません。しかし、我が国としては、サンフランシスコ平和条約第十一条により極東国際軍事裁判所の裁判を受諾しております。

 

○和田政宗君 それでは、お聞きしますけれども、東京裁判が国際法上有効な裁判であったかという議論については、政府は、今答弁にありましたように、サンフランシスコ平和条約で裁判を受諾しているので異議を述べる立場にないというふうにしています。一方で、当時の国際法上、A級戦犯とされる方々の平和に対する罪というのは戦勝国により事後的に考えられたもので、それを基に裁くことは法の不遡及の原則に反するという考え方があります。国際法上、平和に対する罪はいつから存在するようになったと捉えているのか、政府の見解を聞きます。

 

○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の平和に対する罪ですが、この平和に対する罪は、極東国際軍事裁判所条例のほかにニュルンベルク国際軍事裁判所条例にも規定されております。戦後、国際社会においては、国際法廷を設置し、国際社会全体の関心事である最も重大な犯罪を犯した個人を訴追し処罰するとの動きがあるものの、この極東国際軍事裁判所条例に規定された平和に対する罪がこれまでに国際慣習法として確立しているか否かについては種々議論があるところです。

 いずれにしましても、この極東国際軍事裁判所において被告人がこの平和に対する罪等を犯したとして有罪判決を受けたこと、これは事実でありますし、我が国としてもサンフランシスコ平和条約第十一条により同裁判所の裁判を受諾はしております。

 

○和田政宗君 そうしますと、更に聞きますけれども、ニュルンベルクの裁判ですとか極東国際軍事裁判の条例ですね、これ以前にはその平和に対する罪というのは存在しなかった、すなわち一九四五年前後に確立したものであるというふうに捉えているんでしょうか。

 

○国務大臣(岸田文雄君) 過去の例全てを検証したわけではありませんが、極東国際軍事裁判所、そしてニュルンベルク国際軍事裁判所、こうした裁判所の条例にはこの平和に対する罪というものが規定され、登場しています。それ以後、戦後、この平和に対する罪につきまして国際慣習法として確立しているか否か、こういった議論が続いているということであります。

 

○和田政宗君 そうしますと、東京裁判というのは、国際法上新たな罪名をつくり出して刑を言い渡すという問題点があるというふうなところがあるとともに、これ、連合国による一方的な裁判であったというふうになるわけです。

 私は、A級戦犯とされる方々の中には、政策や作戦を誤って国体を危機にさらして国民に多大な犠牲を与えた責任がある人物はいるというふうに思います。しかし、死をもって償ったわけです。さらに、政府が東京裁判による刑を受け入れているにしても、刑罰終了をもって受刑者の罪は消滅するというのが近代法の理念であるとともに、政府は、処刑されたA級戦犯とされる方々を公務死として扱っています。

 でありますなら、靖国神社にA級戦犯とされる方々が合祀されていても軍国主義の美化にはつながらず、総理も二度と戦争を起こさないという信念の下、参拝しているわけですから、何ら総理の参拝に問題はないと考えますが、総理のお考えはいかがでしょうか。

 

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、累次申し上げておりますように、国のために戦い、倒れた方々のために手を合わせ、御冥福をお祈りをする、尊崇の念を表するのはリーダーとして当然のことであろうと、これは各国共通のリーダーの姿勢であろうと、こう思っておりますし、今委員がおっしゃったような意味において戦没者を追悼する、そして不戦の誓いをする、そういう意味において参拝をしたわけでございまして、また同時に、戦争で亡くなられた靖国神社に合祀をされていない国内外、諸外国の霊を慰霊する鎮霊社にも参拝をしたところでございます。

 戦後、我が国はまさにこの自由で民主的で基本的人権や法の支配を尊ぶ国をつくってきたわけでございまして、今後ともその平和国家としての歩みはいささかも変わることがないわけでございますし、様々な批判が加えられておりますが、私の参拝に対して、それは、その言わば批判は私は誤解に基づくものであると、このように思っております。