ノブくん(仮名) | 環の会 -Motherly Network-      育ての親と養子として育った子どもたちからの声

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環の会で子どもを迎えた家族からの声をご紹介します。
※子どもの名前はすべて仮名です。

環の会のみなさん、はじめまして。。
我が家は今年2015年の1月にノブという生後五日の男の子を迎えました。
迎える当日は環の会の事務所で産みのお母さんから直接彼を託される、というなんともドラマティックな展開。幸運にも産みのお母さんと一緒に写真撮影をしたり、ノブについてお話をしたり、緊張感に包まれる中、ノブという命のバトンをしっかりとこの手で受け継ぎました。
低体重で生まれた彼はとても小さく脆く感じましたが、帰宅後は夫婦そろってドキドキの育児がスタート。沐浴やおむつ替え、ミルク授乳等一つ一つの細かい作業に幸せを噛みしめながらお世話できることが本当に夢のようで、その後彼の生命に関わる大きな問題が発生するなど思いもよらずに過ごしていました。
1ヶ月検診で気になっていたミルクの吐き戻しを医師に相談するも、問題なしとのこと。一安心したのも束の間、その数日後に容態が急変して救急車で搬送。まだ生後40日にもならない彼は大学病院で入院し、手術を受けることになりました。病名は肥厚性幽門狭窄症。胃の出口が閉じる事により、飲んだミルクを噴水のように吐き続け、栄養や水分が体に吸収されない病気です。難病ではないものの、ノブは極度の脱水症状で衰弱しすぎていたため、手術もすぐに受けられませんでした。小さく弱った体でミルクを欲しがり泣き続ける(手術までの五日間、ミルクは飲めず点滴のみ)ノブが一番辛いのはわかっているものの、代わりに大量の涙を流しながら完全看護に臨んだ長い入院期間でした。当時は「替われるものなら替わってあげたい。なんとかこの子を助けてください」と毎日祈る日々でした。
ノブを迎える前は環の会の方針通り、性別、年齢、肌の色、障害の有無等については「無条件」で受け入れると何度も自分たちに言い聞かせていました。そして、それで良いと思っていました。ただ、楽観主義の私たちはなんとなく、「ま、そんなこと言っても言うほど特別なことはないだろう。普通の健康な赤ちゃんかなぁ。みんなそんな感じだし」と漠然と思っていました。ところが我が子として迎えた子は、苗字はカタカナ、生後すぐに大病で入院と手術というなんとも環の会の研修通り(笑)。次の試練は何かな?ただただ、健康に育ってくれることを願います。
それでも私たちはノブに出会え、また我が子が彼であるという事実をとってもラッキーだと思っています。こんなに可愛い子は見たことないですし(すでに親ばかですね)言葉では言い表せない不思議な絆が私たち家族にあるからです。心から愛おしく、本当に可愛くてたまりません。
育児の先輩方からしてみると「大きくなると可愛いだけでない、色々な問題が出てくるのよ」と言われると思いますが、今は家のベランダで小さな洗濯物が干されている光景や、ノブを囲んでジィジ、バァバがデレデレになっている姿を見ると胸が熱くなります。些細なことですが、彼がいるからこそ体験できる親としての日々に感謝です。

そろそろ生後半年を迎えるノブ。術後の経過は良好で今ではプニプニ選手権があれば上位入賞は間違いないほどの体格です。そして、とってもやんちゃな匂いがします。
やんちゃでもいいよ!一緒に毎日を元気に過ごせますように。

環の会の皆様、今後ともよろしくお願いいたします。