皆さんは、この名前をご存知でしょうか？
あれ、聞いたことあるな？
と思う人。
多分、この人の父親
日米開戦時、東條英機の前の総理大臣、
近衛文麿の名を思い出したのでは、
と思います。
Pのマークのセーターが文隆氏
ダブルのスーツが近衛文麿です。
撮影は、文麿、貴族院議長の時,
1934年(昭和9年)と推定されます。
あれ？Pのマークって何だ？
随分、洒落たスタイルだなって思いますよね。答えはこれです。
東部の名門プリンストン大学のPでした。
そう、ハーバード、エールと共にアイビーリーグの雄、現在も世界大学ランキング6位は下らない、あの名門、プリンストン大学です。
学生たちの写真、結構年代物で、我われオジサンには、「トラッド」と言うより、VANに代表された「アイビールック」そのものです。
親子の写真は、文隆が、プリンストン大学ゴルフ部キャプテンを務め、全米学生チーム1位を達成する頃です。後にも先にも、日本人でそんな人はいないと思います。
180cmで、堂々とした体躯が素晴らしい。今の松山英樹並みですね。
互いに父と息子を誇りに思う気持ちの感じられる、清々しい笑顔ですね。
文麿は1891年文隆は、1915年生まれなので、父43歳、息子19歳。若い！
しかし、後に父の首相としての栄達はあるものの、この時がこの親子に取って最良の時だったかも知れません。
日中戦争、ヨーロッパでの戦乱と時代の波に、この二人は巻きこまれて行きます。
この1934年、貴族院議長として文麿は大統領や国務長官とも会談しています。
その時の印象は、
「Ｆルーズベルトと、ハルは、日本に対し無知なり」
フランクリン ルーズベルト
真珠湾攻撃を、誘導し、原子爆弾の開発を進めた大統領(任期1933〜1945/4/5)と、対日石油禁輸と大陸権利全面放棄、ハルノートつきつけた、国務長官(任期1933〜1944)と会談していたとは、文麿の運命を、暗示する皮肉でした。
これ見て、皆さん、あれっ？と思いませんでした？米国大統領任期って、1期4年で2選8年までですよね。
私は初めて知ったのですが、Fルーズベルトのみが、非常時を理由に、唯一4選されているんです。
元々、初代ワシントンが3選を固辞し、慣例で2選までになってたんですが、1956年に、憲法が変わり、2選までと成文化されてるそうですが。
また、日系人排斥や、人種差別主義的な政策から、共和党かと暗に思い込んでいたのですが、ニューディール政策とか、大きな政府的な考えは、民主党の大統領が正解でした。
さて、このアメリカ留学時代、文隆は後の運命を左右してしまう人々と出会います。
次回は、文隆の生い立ちと、そこらあたりから。