ムーランルージュ!ザ・ミュージカル 6/23(帝国劇場) | 晴れ、ときどき観劇。

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観ました~!
 
これは…愚痴なんですけど………チケットが高い……ぐぬぬ……。
NYで観劇したときだって同じかそれ以上に高かったけど、そう感じなかったな~……と考えていて思い出したのは、あちらには銀橋みたいなエプロンステージがあって、オケピに該当するところにVIP席があって(チケット取れないし超高額だったけど)、客席側も真っ赤&電飾でラッピングされてて(前方だけじゃなくて後方ぎりぎりまで)、そして2階席の最上段でも紙吹雪が降ってきて、自分自身が本当にムーランルージュに行ったみたいな没入感が味わえたから…じゃないかな、と思っていて。
今回、いろんな方が言ってるけど音量が下がったことにより(ショーパートは結構音量大きかったけど、芝居パートがかなり小さく感じた。セリフと歌詞は聞き取りやすかった)、普通に公演を観ている感……狂乱の度合いが下がった感……2階席は蚊帳の外感……2階席だって18,500円払ってるんだから紙吹雪くらい降らせてくれよ感………(紙吹雪の恨み)
近くの席にね、ものすごく控えめで恥ずかしげに「Huu…」って声を上げる方がいて、それがなおさら蚊帳の外感を増していたんです。あれは恥も外聞もなく声を出して熱狂するから作品の一部となれるんであって、独り言みたいに声を上げるのは悪手だと思うんだな。いっそのことヒューヒュー係を雇って、客席に配置してサクラ的に騒がせたら良いのかもしれない。いわゆる大向こう。ますますチケット代が高くなってしまうね、南無三
 
そういう意味ではクリスチャン@甲斐くんはかなりショーアップした歌い方で、ロクサーヌとかRolling in the Deepとかお芝居重視の公演だったらちょっと気になるくらいしゃくって歌ってたのが好きだったし最高だった。サンティアゴ@中河内さんのかなり誇張したダミ声も。ジドラー@松村さんはテンポ感ちょっと乗り遅れているような気がした、単に遅取りなのかもしれないけど。デューク@伊礼さんはイケメンすぎる。最高に高貴で傲岸不遜ではあるんだけど、どう転んでもセクシーだし愛人でいいからなりたいんだよな……劇場を出た瞬間に「デュークおしゃれすぎるだろ!遅れてきた女に『君にはカルティエの腕時計をプレゼントしなくちゃ』とか言うのは!」という興奮の声が聞こえてきて、全くの同感だったもんね。仕事辞めたまえも羨ましすぎたな…いや単なるサラリーマンくらいの男が言ったらケッて感じだけどショーに出資して屋敷を愛人に与えるくらいの財力のある貴族に言われるんだったら0.5秒で諾だわ。快諾だわ。喜んで!!!
サティーン@望海さん、現時点で望海さん以上にサティーンに相応しいミュージカル俳優が思い浮かばないながら、劇場の空気をびりびり震わせる歌声を知っているだけに……せめて音量をもっと上げてくれたなら、、、それがダメならキーを下げてくれたなら(もっとダメそう)、、、と思わすにいられなかったです。まあ登場時点から死にかけの娼婦なんで芝居としての説得力はあるんですけどね、、、結核という美人しか罹患しない病(偏見)に罹るのも納得ですし。
 
そうだ、「デュークが何をどうしたって素敵すぎて愛人に立候補したい」問題を考えていた時に思ったんですけど、ムーラン・ルージュという作品って実はとあるアーティストが若き日に落ちた熱烈な恋を回想する物語じゃなくて、レビュー小屋のパトロンが作らせたショーだった…のでは?
だからこそサティーンの自尊を踏み躙るパトロンがあれほどイケメンで、娼婦であるサティーンは愛に惑い、愛を選び、そして死ぬ。彼女を愛したはずのアーティストは何事もなかったように笑って過去を回想する。ショーは続く、サティーンがいなくなっても。そう、パトロンがいれば。
 

だからやっぱり、この作品を物語として捉えるとむかむかしてくるからこそ、ショーアップすることで客席を熱狂の渦に巻き込んでしまう、ひとときの夢に酔わせる、醒めたときに熱狂の余韻のなかにざらりとしたものを残す、方がいいんじゃないかと思ったりして。

なんか初演時とだいぶ違う感想になっちゃったんですけど、そして仕方ないと理解もしているんですけど、正直これは観る席で感想が絶対違うと思うんだ。私は前日にチケット発券した時点から明確にテンションが落ちたので(2階中段のはじっこだった)(帝劇は舞台の間口が狭くて奥行きがあるのではじっこだと別作品に見える気がする。18,500円なのに!)

そのテンションのまま観劇してしまい、終演後はキャスボをはじっこからサッと撮って、そそくさと帰宅の途に就いたのでした。

 

以上。ではでは………あしたは月組です………!たのしみ!!!