四月大歌舞伎 夜の部 4/20(歌舞伎座) | 晴れ、ときどき観劇。

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まず最初に言いたいんですけど、見えないからって左右に動かないんで欲しいんですわ。私の前の前の人が通路側のくせに動く人で、その後ろの人が前に出たりワイパーみたいに横に動いたりする人で、私はChooChooTrainの最後尾でイライラする人でした。合間を縫って見えるところもあったけど、見えないところが大変多かったです。

 

 

一、於染久松色読販(おそめひさまつ うきなの よみうり)

長い通し狂言から、土手のお六、鬼門の喜兵衛を抜き出しての上演です。

質屋・油屋に強請りに入った夫妻の、おもしろおかしくがめつい一幕。たいへん面白い。「昨日あんたがたが殴った男は私の弟で、帰ってくるなり頭が痛いと言って死んだんです。どうしてくれるんですか。15両じゃ足りない、100両くらい貰わないと…」と強請ってる最中に当の本人が「昨日はありがとうございました」ってやって来るし、強請りに使った死体は実は仮死状態でお灸を据えたら生き返るし(笑)、「この恩は忘れないよ」とか言ってちゃっかり15両持って帰るし、そのがめつい・身持ちの悪い夫妻のお役を仁左衛門さま・玉三郎さまが演じていることも面白い。汚れ役というんですかね、汚いんだけど、確かに汚いんだけど、きれいなんだなこれが。

あとはもう、錦之助さんがおっとりいい方で面白いのと、彦三郎さんの声がいい!声が良すぎてDJやって欲しいけど姿もいいからラジオじゃもったいないので、地上波にもバンバン出まくる俳優になってほしい。

 

二、神田祭

一幕で汚かったので、カーテンコール的な意味合いなんだとか。へえ。

鳶頭と芸者による舞踊なのですがあまりにラブラブできれいで溜め息。そしてとにかく可愛いんだ、このお二人!

手を繋ぐところ…、仁左衛門さまの肩口から玉三郎さまが顔を覗き込んで、目を合わせて頷くところ…、頬を寄せるところ…、たまりませんな。

私の思う仁左衛門さまの「すっきりかっこよくて、品が漂って、色気があって、可愛い」魅力が全開で、オペラを握る手に力が籠りました。たまらん。ほんのり笑ったり困った顔をしたり、きりりと引き締めたり、どの表情もたまらん。永遠に見ていたいです。大好き。

 

三、四季

春は紙雛。夏は魂まつり。秋は砧、冬は木枯。

まず春の紙雛、男雛が愛之助さんで、女雛が菊之助さん。昼の夫婦が逆転ですね。きれいで優雅です。ラストにお人形に戻るのが少しだけ不気味でもあり、可愛くもあり。

夏は、大文字焼きを臨む渡月橋のほとりで、若い男女の恋の駆け引き。男が橋之助さん、女が児太郎さん。児太郎さんは大変うまいし雅なのだけど、前回も申し上げた気がするけど貫禄が勝ちすぎている。せめて鬘を大きいものにして、美しく見せる工夫をしてほしい…

秋はね!首ワイパー女のためにほぼ見えなかった(演者が一人なので、もれなくブロックされる)ので、紗幕の向こうの箏曲を見ていたのですよ…三台あるのに音がぴったり重なって一台から奏でられているようで素晴らしかったな。ところでお琴って、面?張?どう数えるのが正解なのか38ちゃいなのに知りません。かわいそうに。

冬。こがらしに舞う木の葉たちと、森を支配するミミズクと。木の葉で少年がおふたり、眞秀さんと亀三郎さんが出ておられて可愛かったです。あと、男寅さん!めちゃくちゃ美人でした。見惚れちゃう。

 

 

今月も大満足な大歌舞伎でした。次はABM。