四月大歌舞伎 昼の部 4/20(歌舞伎座) | 晴れ、ときどき観劇。

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観ました。

 

一、双蝶々曲輪日記 引窓

この「引窓」と「角力場」が、昔はよく上演されていた覚えがあるのですが、言われてみれば久しぶりでした。

角力場では全盛期だった濡髪長五郎が、罪人として追われる身の上となり、生みの母お幸に会いに来る。母には現在の家庭があり、義理の息子(先妻の子)南与兵衛は濡髪長五郎の捕縛を条件に父の名である南方十字兵衛を名乗ることを許されていたのだった。人の道であり、かつ母とその家族のため、自ら捕らわれる長五郎であったが、与兵衛は放生会に事寄せて長五郎を落ち延びさせるのであった。

自宅の二階に身を隠す長五郎の姿に与兵衛が気付いたのが、天窓から差し込んだ光で庭の手水に長五郎の姿が映ったからで、与兵衛の女房お早が窓を閉じて長五郎の姿を隠すシーンから「引窓」と呼ばれている…のですが…2階の人の姿が1階の庭の手水に映る??とは???と、この幕を見るといつも思います。笑←どうでもいいことばかり気にして生きる女

与兵衛に梅玉さま、長五郎に松緑さん、母お幸に東蔵さま、お早が扇雀さん。どうしても中盤が…うとうとしてしまうのですが…梅玉さんの与兵衛、品が良くて穏やかで可愛らしくて素敵でした。

 

 

二、七福神

ものすごい短い舞踊ながら、満足感の高い…そしてなんとも縁起のよい…一幕でした。

でもほとんどの役者がこの幕だけの出演で、もったいないお化けが出そうでした。

個人的に注目しておる歌昇さんが恵比寿さまで、おっきな鯛をぴちぴちさせながら抱えていらして可愛かったし、布袋さま(鷹之資さん)にお酒を注ぐとみせかけて注がないイタズラをしていて可愛かったし、弁財天さま(新悟さん)と毘沙門さま(隼人さん)のラブラブぶりをほのぼのにこにこ見ていて可愛かったし、そうかと思えば踊るとめちゃくちゃ決まるので素敵でした。さがり眉毛になまず髭のジジイなんですけどね。

 

 

三、夏祭浪花鑑

こちらを楽しみに参りました。

がめつい舅を手にかける男(前科あり)のお話。

2014年にネチネチ書いたとおりのあらすじ、よく上演される3幕での構成でした。そして、初めて見たネイティブ大阪弁話者(愛之助さん)による団七九郎兵衛でした!確かに浪花の夏祭りを感じたわ。いや本当に。

骨太でかっこよくて、でも慌て者というか粗忽者というか、つい罪を犯して後から悔いる、みたいな気質、可愛さ…を感じる団七でしたし、「義父に手傷を負わせてしまい、騒がれてやむを得ず手にかける」説得力のある、体力もあって見応えのある、とても良い団七でした。良かった。そして団七と肩を並べる一寸徳兵衛に菊之助さん、この上演だと見せ場があまりないのですが、通し狂言で見せて欲しい~~!と思うくらいハマりキャスティングだったと思います。やっぱり団七と徳兵衛は両雄並び立ってもらわないと。大詰めの立ち回りとか迫力あっただろうなあ。釣船三婦は歌六さん、声がいい。いちど懐に入れた人間を可愛がる優しさと、小者への厳しさ、若いものをたじろがせる気迫も良かったです。一方、徳兵衛女房お辰を愛之助さんが二役で演じられたのですが(わたしこのパターン初めて見た…と思う…)、これは別の役者で良かったかなと思いました。例えば菊之助さんとか。

三河屋義平次は橘三郎さん。この記事が面白かった。すごくがめつくて、憎たらしくて、心映えの悪い(笑)爺さんでした。いつも思うけど、この憎たらしいジジイの娘が美しくて気風のいいお梶さんっていうのは本当に不思議ですよね。しかも今回は米吉さん。遺伝子を感じない、永遠の謎。

 

 

次は夜の部。