月組 Eternal Voice/Grande TAKARAZUKA110! 4/14マチネ・ソ | 晴れ、ときどき観劇。

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30代OLの日常ときどき観劇、たまに旅行

 

ワレ@宝塚大劇場

さよならの代わりに、ありがとう。


 

 

観劇いたしました。
ほんとうは前日からインして梅田に泊する予定だったのですが、予定というのはいつでも未定と相場が決まっているものです。やむなし。
予定は未定といえば、出演者も……いくつかのお役が初日とは異なるキャストにより上演された回でございました。正塚先生と私の推し、りんきらさんが休演のために、主人公ユリウスのおじさまにして飄々としたイギリス紳士の魅力を爆発させるジェームズさんのお役に、正塚先生と海乃さんと私の推し、佳城さんが代役で入られたということです。(しゃしゃり出がち)
で、さぞかし面白かろう……という高めバーを軽々クリアして、やすジェームズたいへん面白かったです。間が良いのよ、ああいうのって天性だと思う。セバスチャンと戦うときの急な飛び蹴りと回し蹴りのキレの良さも最高でした。
みかこアマラとのラブラブっぷりも元から近しい感じがして、とっても好み。噛み合うようで噛み合わなくて恋に落ちるふたりっていう関係性が好きなんですよね…昔から。

同じく休演の影響で別役を演じることとなった大楠てらくんのセバスチャン、おおセバスチャン。かの著名な大拙さんが存在感たっぷりに無言で存在する鍛え抜かれた大男だとしたら、セバスチャンは大きくて鍛えてもいるけれど気配を消し相手の意識から消えるとはいえ宇田川の視界にはバッチリ入る男でした。かっこいい!

さらに同じく、村の男ハミッシュを演じていたのは爽悠季くん。なんかすごい分かるというか、正塚先生が好みそうな間合いのお芝居をされていて…サンコイチで出る妃純凛ちゃん&彩路ゆりかくんとの相性もすごく良くて好きでした。
あとさ、話題のナウオンを見たことで、「あれ下心あるくない?」ことアデーラを送り狼しようとするユリウスさん、そういう目で見ると(?)フォザリンゲイ城址の1泊もなにやら思わせぶりだし、ユリウスさんが住んでるはずの屋敷で「伯父夫妻が何者かによって襲われ首飾りが奪われた」と知るのが翌朝であるあたりに(前夜のうちに帰宅しなかったのか?)(ということは、つまり…??)と叙述トリックに勘付いてしまいました。出会ってすぐから隙あらば手を繋ぎに行くし、「あるがままに」の一言で生涯を確約しようとするし、普段は突き放すような尊大な口調なのにアデーラには終始優しいし見る目が甘いし……恋愛が物語の根幹に置かれていない作品のなかで惹かれ合って結ばれるお話、そういえば一番好きなんでした、私。
あとはもう、本当に、正塚芝居と月組の相性が良すぎてじたばたします。隅から隅までみんな正塚色に染まっていて最高。



そしてショーなんですけど、初見だったかもしれないレベルで記憶を失って観たのですけど、記憶失わせパートが多すぎるんだわ。
まず仮面舞踏会で一回記憶失うでしょう。全カップル観たいけど目は2個しかないしメモリは1個しかない。白河りりちゃんの青いタイツが可愛い。空城さんまのあ凛ちゃんと組んでるねえ。躍らせ方がうまいねえ。好き。さち花さんがきゃぴきゃぴ踊っていて可愛い。ただでさえお衣装の色味やらカップルごとの雰囲気やら振り付けやら表情やら見たくて忙しいというのにお顔は仮面で半分くらい隠しちゃうの、贅沢すぎる。もったいないお化けが出ますよ。
アヴァンギャルドでももちろん記憶を失いますよね。下手花道でセリ上がるあみちゃんがイケすぎてて怖い、あの短いフレーズで劇場をかっさらっていくのが爽快。そしてイケ男を引き連れ遠慮会釈なくギラギラを振りまくちなつさんのイケ散らかしがすごい。あまし率いる娘役のカッコよさ!あと羽音みかちゃんの踊りのニュアンスが好きすぎる。こありちゃんも好きすぎる。みうみんも好き。ちのちゃんも可愛い。みんな男子とも客席とも駆け引きをしながら踊っているのが堪らなく魅力的だ!男子はね、空城さんはもちろんのこと、瑠皇りあくんとか彩路ゆりかくんとかに、引き返せないなにかを感じております。それから長めヘアの男子が色気爆発させていて、一星慧くんの襟足が長い(かつ、開襟深めで長めの毛先が首筋に這ってる)のも、あと夢奈瑠音っこの長め前髪が横顔、目と鼻の間くらいにかかっているのが堪らない。色気!!!でもタートルネックで露出を最低限に抑えている英かおとさんも色気!!!若手っぽさを振りまきながら時々危険な目をする春海ゆうさん!色気!!!
中詰めはもちろん記憶喪失です。しかも遡って記憶を蝕む厄介なやつ。赤×フラメンコ×マイナー調の音楽×ソンブレロ(帽子)×サルエル=無理。×同期ごとの見せ場、許してください。私がやりました。

辛うじて覚えていた一連なんですけど、中詰めおわりで客席降りしていた皆さんがダッシュで舞台に戻ってくるところ、上手階段下で待っていた風間さんが、マチネ左手首をトントンして(遅いよ)ジェスチャーをされていたんですよ。誰かと思えば!春海さん!!上級生!笑 ソワレはマチネの教訓を生かして大急ぎで帰ってきたらしい春海さんに風間さん、両手サムズアップ。だから上級生!笑 仲良くて微笑ましいです。

ア・プリティ・ガール・イズ・ライク・ア・メロディで110期生をご紹介される風間さんのお姿は、ナウオンで「渋すぎじゃない?渋うて渋うて」と評するれいこさんを思い出してしまって多幸感に満たされつつもニヤニヤ。直後のロケットは微笑みながらも涙が止まらない。

荒城の月も、もちろん記憶喪失です。ストーンをこれでもかと張り付けた狩衣にブーツにラメを撒き散らした紫のロングヘアなんてお芝居じゃ観られないわよ…とか、海ちゃんを筆頭にダンサーズがひとつの群れに徹していて美しいなあ…とか、海ちゃんって「トップ娘役」であり「月城かなとの相手役」だけど、同時に「月組娘役というチームのひとり」としての立場も最後まで守り抜いたよなあ素敵だなあ…とか、人の世は目まぐるしく移り変わるけれども地上に降り注ぐ月の光は少しも変わらないことであるよ…とか、オペラのようでもあり読み聞かせのようでもある麗泉里ちゃんのお歌が素晴らしいなあ…とか、なんじゃかんじゃ考えていると終わります。結構覚えてるじゃねえか。

ぱるあみのムーンリバー、ちるじゅり率いる娘役ちゃんのムーンライトセレナーデ、そして黒燕尾。月城さん率いる月組には確かにジャズのイメージがあります。しかもスタンダードナンバーで、クラシカル。ところでムーンライトセレナーデメンバーの、天愛るりあちゃんのコケティッシュは何事ですか?きょとん顔でまばたきをしながら銀橋に出てくるところなんて通帳を差し出したくなる可愛さ。見てくれ。黒燕尾については毎秒良さしかないので……ちょっとウェイター!このショーを作ったシェフを呼んでくださる!?(一徳先生ですよ)

デュエダンがキャント・ヘルプ・フォーリン・ラブで、しかも今までのデュエダンの振り付けを繋いでいっているのが本当にロマンティック、そして泣ける。いつもお芝居で踊っていたような印象だったれいこちゃんが解き放たれたように楽しそうで嬉しそうな全開の笑顔で踊っているのもいい、そして泣ける。涙がぼたぼた頬を伝って首へと流れたり胸元に落ちたりします。濡れても色の変わらない素材を着て行かれることをお勧めいたします。

 

という感じした。

 

ムラでの観劇はこれが最後。

東京では……1度は確約されたのですが……これがね、聞いてください。1列目なんです。どうしよう。ど……どうしよう。できれば直前くらいに一度復習しておきたいのですが……、どうしよう。どきどきしてきた。(※2か月以上先)

 

 

楽しみです。