「ブランド」とはなんなのか? | MCワカのしれっと徒然。

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2022年4月から1年間の海外移住なう

昨日テレビを見ていて、衝撃的なニュースが

流れてきました。
 
 
農林水産省の地理的表示保護制度(GI)の
「八丁味噌」の登録を巡って
愛知県味噌溜醤油工業協同組合(県組合)と、
岡崎市の「まるや八丁味噌」、
「合資会社八丁味噌(屋号:カクキュー)」の
2社でつくられる「八丁味噌協同組合」の
二組合が申請したが、県組合の申請が登録され
生産地を岡崎にこだわった八丁味噌協同組合が
登録を外れたというニュースでした。
 
もともとは先に申請をした八丁味噌協同組合
でしたが、生産地を愛知県に広げないと
登録出来ないという農林水産省の要請をうけ
「それでは伝統製法の八丁味噌を守ることは
出来ない」と拒否。
登録が認められず、一旦申請を取り下げたら、
その直後に申請した県組合に
「八丁味噌ブランド」が認定されたのです。
 
 
このニュースを見て、私の第一印象は
「悲しい」そして「情けない」。
 
そもそも「ブランド」って何なのよ?という話。
 
農水省の「地域ブランド」の認定の経緯には
疑問しか感じません。
 
岡崎市の2社が作る八丁味噌は
「味噌玉は握りこぶしほどの大きさ」
「天然醸造で2年以上の熟成期間をかけ、
温度調整は行わない」
「仕込み桶は約2mの木桶のみ」
「重石は天然の川石をピラミッド(円錐)状に
組み上げ、約3トン積みあげる」
という伝統製法にこだわって作っています。
 
そしてそれを八丁味噌の定義として守ることで
ブランド力を保ってきたのです。
生産量は多くは作れない。値段も高額。
一般的・大衆的ではないかもしれないけれど
「400年にわたって伝統的な製法を守ってきた」という本来(オリジナル)の「八丁味噌」と
今回GIが認められた「八丁味噌」は
「製法・品質・伝統」が違うものなのです。
 
そもそも「八丁味噌」の八丁は岡崎城から
西に八丁の八帖町を由来にしており、
これ以上ない「地域ブランド」だったのに、
GIでは「愛知県」と広域に広げています。

【参考】

上記ページによると、
GIでは八丁味噌の特性を
いわゆる「名古屋めし」の代表的な調味料
として~(中略)
愛知県の特産品として広く認知されている

生産方法を
「味噌玉は直径20mm以上、長さ50 mm以上」
「熟成期間は一夏以上
(温度調整を行う場合は25℃以上で最低10ヶ月)」
「仕込み桶はタンク(醸造桶)」
「重しの形状は問わない」
「最終製品としての形態は、味噌(加工品)である」

としています。

これはどうみても………
「八丁味噌」ではないですよね?

名古屋めしの代表的な調味料としていわゆる
「赤味噌」があり、その中に、素材や製法に
こだわることで「ブランド力」を築いてきた
「八丁味噌」がある、と私は認識しています。

岡崎市の2社は今でこそ伝統製法を後世に
残そうとタッグを組み「協同組合」を
立ち上げて、共にブランド力を高め合って
いますが、過去にはこの二社がお互いに
「八丁味噌」製法にこだわり、どちらも
特許を取れなかった(独占じゃなかった為)
歴史があります。

農水省がなぜ「八丁味噌」の生産地を
「愛知県」と広域に広げないと受け付けない
としたのか、
伝統製法でない(いわゆる今回登録された
県組合方式の)製法を受け付けたのか、
八丁味噌協同組合の申請に対して公示まで
1年半かかったのか、
取り下げ直後に県組合の申請公示がされた
こと、
岡崎市や商工会議所などから意見書が提出
されたにも関わらず
学識経験者委員会の意見聴取後すぐ(3日後)
に県組合の登録がなされたこと
(↑GI制度の審査の流れ、という申請の資料
に~参考~として、
「登録申請の公示期間中に第三者からの
意見書の提出があり、双方に相応の言い分が
ある場合には登録がなされず、地域での調整
が求められる」
との記載があるのに、県組合が登録された)

……知れば知るほど疑問だらけです。

農水省が
「消費者が愛知特産の多くの豆みそを
「八丁味噌」として認識し、みそ煮込みうどん
など「名古屋めし」の定番調味料として
使われているし、製法も大きな違いはない」

「八丁味噌は県の共有財産」

「岡崎の2社へは認定した枠組みへの参加を促す」

というような意見だとニュースで知り、
こういうのを「本末転倒」っていうんだよ、と
怒りさえ沸いてきました。

このブログを見てくださっている愛知県
以外の方々に問いたい。

名古屋の味噌煮込みうどんや味噌カツに
つかわれているのは「八丁味噌」という
認識ですか?

愛知県産の多くの豆味噌は「八丁味噌」
という認識ですか??

「赤味噌」「赤だし」「豆味噌」ならわかる。

むしろ知ってました?八丁味噌。

知ってる人は八丁味噌ってどこの名産だと
思ってました?

「八丁味噌」は岡崎ブランドなんだよ!
岡崎の八帖で作ってないものは違う味噌。

名古屋で作っている赤味噌は名古屋味噌で
いいじゃない。

たとえば、武豊町の


みたいに素晴らしい味噌もいっぱいある!

(中定商店さんは知多味噌溜醤油工業協同組合
で、県組合員なんですけどね)
むしろ、自分の蔵の味噌にプライドあったら
八丁味噌って呼ばれたくないんじゃないかと
さえ思うのですが……どうなんでしょう?


実は今回タイムリーなことに、昨日の今日で
まるや八丁味噌の浅井社長とお話する機会が
ありました。

・今回のいきさつについては、本当に「困惑」

・今まで一生懸命伝統製法にこだわってきた
のにその伝統が守られず、全く別製法のものが
ブランド登録されて、正直どうしたらいいのか
分からない

・消費者が、我々が守ってきた伝統製法と信
じて従来の「八丁味噌」と違う品質の味噌を
購入してしまう可能性があり、結果的に
消費者の不利益になる

ことなどを切々と語って下さいました。

そして「あくまで争うべきは県組合ではなく、
農水省」と。
「この経緯はおかしいし、あまりに理不尽な
状況」
だとおっしゃっていました。

私に出来ることは
「おかしいと思うことはたとえ国が相手でも
発信」
「正しいものが報われる世の中であると信じて
応援する」
くらいです。

今回はたまたま身近な「八丁味噌」だった
けれど、他にも同じような案件って
あるんじゃないかと思っちゃいました。

いい方向に動きますように。


まるや八丁味噌の浅井社長。
応援してます!!負けないで~!