やさしい仮説と選択
何かをするときに、こうしたらどうなるだろう?
ということを誰でも自然に考えていると思います。
例えば、私が事務所(表参道から徒歩9分)から六本木まで行くときにどうやっていこうかと考えるときはこんな順序で考えています
仮説(どんな選択肢があるのか)
1. バスで行くと、事務所から停留所まで5分→バスに乗って10分→バスの待ち時間10分、料金は200円
2. 電車で行くと、駅まで9分→駅の構内で3分→半蔵門線で青山一丁目まで2分→青山一丁目から六本木駅まで大江戸線で2分、待ち時間5分、料金は260円
3. タクシーで行くと、待ち時間5分~8分、六本木まで5分、料金は710円
4. 徒歩だと20分
こう見るとバスで行くのが一番合理的だとわかります。渋滞や事故があったとしても5分で行かれるところなので、徒歩でも20分くらいです。停留所の数でも3つなので途中で降りることも可能です。料金も一番安いです。
選択(何を選ぶか)
実際にどうしたか、ということですが、
行きはタクシーに乗り、事務所を出てから10分で六本木につき、710円払いました。
確実性では電車か徒歩なのですが、体力や持ち時間から一番合理的でないタクシーを選びました。でも帰りは体力も時間もあったのでバスを使いました。
こんな風に何かをするときに、どういう選択肢があって、自分はどうする、と選択をする。こういう意思決定は日々誰もが自然にやっていると思います。
土地の有効活用を考える時もまったく同じです。
1. 賃貸物件を建てる
2. 売却する
3. 別のものと買い替える
このような選択肢があるときに
仮説
① 税引き後の手残り収入はいくらになるのか
② 借り入れをしたら返済できるのか、何年の借り入れにしたらいいのか
③ 周辺の土地利用とくらべてどうか、
㋐駐車場 ㋑マンション ㋒店舗 ㋽事務所 最有効利用は何か
④ 管理費がいくらくらいかかるのか
⑤ 消費税に対する影響はどうか
⑥ 相続対策効果はあるのか
といった項目について、仮説をたてます。
この場合はバスで行くとか歩いていくといったような選択と比べると、複雑で重大な影響がある選択となりますので、詳細に慎重に仮説を立てることが必要です。
充分な仮説があって初めて「安心して自分はこうする」ということを選択することが可能となります。
さらに事務所から六本木に行くという身近な事例でさえ、交通事故や突発的な出来事など予期せぬことが起こることを想定して、時間とお金に余裕をみています。ですから土地の有効活用など不動産にまつわる投資について「これが安心だ」と決断する時には、時間と金銭の余裕が必要です。皆さんはどのように決断なさっていますか?
東京税理士会麻布支部所属
税理士 渡辺 由紀子