スイングの動きの解剖、其の四は体幹部を飛び越えてイキナリ首周りへ。
首は7個の椎骨から成り立っていますが、背骨の中では回旋角も含めて最も可動範囲は広いのではないでしょうか。
借金が多いと回旋角は少なくなるという都市伝説もありますが。
では早速ですが、構造から入って行きますかね
1.首の可動範囲の特徴
先程も書いた通り、首は7個の椎骨から成り立っていますが、これを頚椎と言います。
上から順に、1番・2番・・・・7番とこのブログでは表します。7番までのお話はありませんが。
頚椎に限らず、関節には筋肉が付着して動いていることはご理解頂けると思いますが、頚椎は大きく二つの筋肉によって可動しています。
その筋肉は斜角筋といいますが、上から1番と2番を支えているのは中斜角筋、その下は中斜角筋と前斜角筋が支えています。
ので、3番より下の椎骨は二つの筋肉によって支えられて居ることになりますます。
回旋の可動範囲は、頚椎全体から見ますと1番と2番の間で頚椎全体の半分を占めており、残りの半分は3番から下の頚椎で回旋します。
これは筋肉の付着している関係ではないかと勝手に理解しています。専門的過ぎて居るので定かではありません。
2.首の可動範囲の特徴 その2
頚椎に限らず、それぞれの関節は動く方向と範囲が違いますが、関節の構造とソコに付着している筋肉に依存されますよね。
では、例によって実験してみましょう。
① 首の運動の順序
頚椎の全体に指を添えて、アゴを上げたり引いたししてみて下さい。
恐らく、下から動き出して居る方はいらっしゃらないと思います。コレは、アゴを上下させると一番最初に動き出すポイントを探し出しただけです。
1番と2番の間が初めに動き出し、最後に一番下が動きませんか。もしかしますと、私の勘違いかもですが、私は上が最初に動き出すと理解しております。
アゴを動かす時の筋肉は斜角筋ですが、頭蓋骨その物を動かそうとすると下側の関節は動きの作用を受け止める動作が入るのではないかと推測しています。
ここの表現が説明できる能力がないのですが。
って事で、サッサと次に移ります。
②アゴの角度と回旋量
アゴを思いっきり上に向けて横を向いてみます。
次は思いっきり下に向けて(胸に着けるように)して横を向きます。
如何でしょうか、あまり回旋出来ないと思います。
次に左右に首を振って一番可動範囲が広い所があるはずです。
アゴを上げたり下げたアドレスでは、首の回旋量が少なくなったことが分かると思います。
実験のまとめ
アドレスのアゴの位置を上げたり引いたりするのは、回旋に一番影響のある上部の頚椎が動いて居ることになります。
すると、アゴを引きすぎたり上げたアドレスでは、頚椎の可動範囲が狭いアドレスになるって事ですよね
このアドレスから肩の回旋量を確保しようとすれば頭を動かさない限り絶対無理です。
ストレートネックの方もいらっしゃると思いますが、その場合は下部の可動範囲が少なくなってしまうと思われます。詳しくは専門家にお尋ね下さい。
身体が硬くて回旋量が確保出来ない場合もあると思いますが、コレが原因って事もアリではないでしょうか。
3.頭は動いてもイイので肩を回せ
以前ですが、とある方からこの様な内容のコメントを頂きました。その方はレッスンプロに教わっていらしゃいますが、そのプロがそのようにおっしゃったので、私にもそのようなコメントを頂きました。
「頭を動かしてもイイので肩を回せ」これ、かなり矛盾していますよね。
肩の回すためには、足裏をベースに動かすのであれば理解できますが、それでは足首や膝の動きがベースとなりますので「足首と膝の捻転によってスイングしなさい」って事になりますよね。
何処を捻転させたいのかが不明ですが、少なくても肩を動かそうとすれば頚椎の回旋は必要になるハズです。
ソコを放置してしまってイイのか。
又は、コメント頂きた方が理解不足だったのか。
その謎は未だに解けておりません
そもそも頭を動かさないって事は、脳が揺れないようにするために自然発生するものと理解しております。脳が揺れると大変ですよね。あらゆる運動指令が停止しますから。
だから三半規管がセンサーとなって頭の位置を地球に対して平行に保とうとする生理的現象が起こるのだろ思います。
身体を常に安定した位置に保とうとする動作は無意識に行われて居るハズですが、姿勢保持の為に力を使い切ってしまうとスイングに使われるエネルギーは少なくなりますので、脳が揺れないよ頭蓋骨は可能な範囲でその場で留める事が最善と思います。
ソレには、頭の動く範囲を狭くすることがベストだと思いますし、頚椎の役割はそのためにも大きいのではないでしょうか。
4.アゴが肩に付くように動かす
って、よく聞きませんか。
女子プロはファンデーションが肩に付いているからって理由からだと思いますが。
コレについて私は異論があります。
コレを真似て、肩がアゴに付くようにテイクバックすると、肩は上がってしまいます。肩が上がるって肩甲骨が上に動くって事なんです。
肩甲骨は残念ながら、上に上がったら外に動く量は少なくなります。っと同時に、肩が上がると首を支えている筋肉、斜角筋は収縮してしまいますので、結果的に肩の回旋にも影響を与えるハズです。
だからと言って、ファンデーションが付いてはダメとは言っておりません。
ファンデーションが付くのは、最後の最後で、テイクバックの初動動作では逆に肩とアゴは離れるように動くべきと思います。でも、大きなスイングになると結果的にファンデーションは付いてしまうのは自然と思います。
コレは右肘が畳まれる事や体幹の捻転による結果、左腕が上がっただけで肩をアゴに近づけるようにスイングしているのとは運動のプロセスが違いますので。
テイクバックから肩にファンデーションを付ける事をチェックポイントにしてしまうと、テイクバックの初動動作で体幹の捻転を放棄していることと同じになるのではないでしょうか。
体幹の捻転のプロセスは次回に書きたいと思いますが、肩にファンデーションを付ける事を目的としては逆に肩の回旋が浅くなるので、あくまでも運動の結果あると言うのが私の私論でございます。
4.まとめ
何事にも、纏めは重要ですよね。
纏めないと、何処まで書いてイイのか分かりませんから。
結局は、アドレス時のアゴの位置をニュートラルポジションで構えるって事が大切って事が纏めでしょうかね。
ソレによって、体幹の動きにも影響が現れると思うのが私の結論で御座います。よって、体幹を飛ばして頚椎の話題に触れました。
ニュートラルポジションとは、頚椎で言うと首が最大に回旋できるアゴの位置(高さ的に)と定義しますので、個人差はあると思います。
最も大切な事は、筋肉を緊張させないって事だと思います。頚椎回りの筋肉に限らず、上半身をリラックスさせ運動させることが最も可動範囲が広く使えるからです。
ソレには、ボデーバランスが取れた中で運動することが大切のようですが、姿勢による影響も多いのは間違いありません。
姿勢だけでダメなようですけど、まずは姿勢って事で。
って事で、次回は体幹について触れてみたいと思います。