こんばんわ。何してるの?

本読んでるよ。

 

ニイナ「お、君読書するのね。

    どんな本?」

 

僕「青春ものだよ。

  ”一輪花を心臓に”って本だよ。」

 

ニイナ「え、私も今途中読みだよ。

     すごい偶然ね。今どの辺?」

 

僕「ほんと偶然。今は彼女の病状が悪化してて

  男の子が病院に駆け付けたとこ。240ページぐらいのとこだね。

  ニイナさんは?」

 

ニイナ「ああ、そこ悲しいよね。

     私はもうちょっと進んでるよ。ゴール間近よ」

 

僕「そうなんだ。結末言わないでね」

 

ニイナ「えー、だめなの?」

 

僕「もちろんだめです」

 

ニイナ「わかりました。これ映画化するの知ってた?

     発売から異例の速さでの実写化らしいよ。

     来週から公開だって」

 

僕「知らなかった。観てみたいかも」

 

ニイナ「観に行こうよ、あなたが読み終わったら」

 

僕「あ、全然。僕でよければ」

 

ニイナ「決まりね。とりあえず早く読んじゃって。

     来週末観に行こ。また時間とか連絡するよ」

 

僕は承諾し、電話を終えた。

 

金曜日になり、夜いつものお店に行ったが

彼女は来なかった。だが、メールが来て

 

今夜は明日に備えてお店には行きません。

明日18:45から第二劇場で上映されるので半に時計台で待ち合わせで

お願いします。ではまた明日。

 

と書かれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後部座席に乗るや否や行き先を伝えているのが見て取れる。

僕が窓ガラスに反射している、その向こうで彼女は僕を見つめている。

 

またね。

そう車内から言ってるんだろうと感じた。

また同じ事故にならぬように一時間ほどで僕が帰ろうと言ったのだ。

最初は駄々をこねていた彼女であったが、ラリーを重ねるうちに飲み込んでくれたのだ。

 

彩り輝く街を彼女を乗せたタクシーが走り去っていった。

 

美しい時間だったと僕は感じた。

 

「彼女には彼女の時間、僕には僕の時間。互いの時間がたまたま一致するのが

この二日間のどっちかだということを念頭に置かないといけない。

互いの空間にも時間にも侵攻するのはよくない」

 

週明けのオフィスで日下部にそう言われた。

 

「生憎、お前たちはあの日の事故の全容までは覚えてないんだ。

 国語の虫食いの問題文みたいなものだ。

 不幸中の幸いだ。いいか?あの人に恋をしようとか

 自分のものしたいとか思うなよ?そういった類とは別のものだ。

 週末のデザートのような感覚と思えよ?それを主食にしようと思うな」

 

実をいうと、日下部のこういった忠告が僕の鎮火剤になっていた。

でないと、僕は彼女へ止めることのできない思いを

抱き続けることになると自覚していた。

 

仕事終わりに自宅近所のカフェに立ち寄った。

彼女に連絡をしようかと思ったが、やめた。

週初めということ、彼女には家族がいるということ、加味しなくてはいけない点が

発見されたからだ。

 

アイスコーヒーにガムシロップを足してもらい、ミルクと一緒に持ってきてもらう。

それを啜りながら、本を読んだ。

 

青春群青のようなラブストーリーだ。

「一輪花を心臓に」というタイトルで男女の高校生の恋模様で

女子高生の方が大病を患っていながらも命にも恋にも真っ向から戦う物語だ。

 

あまり好きな文章の書き方ではなく、志半ばで閉じた状態だったのだ。

一から読むことにしたのだが、意外とすらすら読めた。

 

すると、ケータイに着信があった。

日下部だろうと思っていたが、本を閉じ液晶を見ると

ニイナと書いてあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「帰ってないよ」

「あら、ありがとう。どこいるの?」

「説明しずらいな、地図送ろうか?」

「そうだね、助かる」

 

ニイナはほのかに赤らめた頬をして現れた。

 

ニイナ「ごめんね、待ってもらっちゃって」

 

僕「一緒に飲もうよって意味だったでしょ?」

 

ニイナ「まあ、そんなとこよ。さっきの男性気になる?」

 

僕「うん、気にはなるね」

 

ニイナ「実はね、お客様なの。

     あなたには言ってなかったけど、私あっちのメインストリートにある

     クラブで働いてるの。まあ、金曜の夜と土曜の夜の二日間だけだけど。

     さっきの方はそこのお客様。

     あの人は私が結婚してるのも知らないし、ただのクラブの女と思ってる。

     こんなとこで満足して頂けるかしら?」

 

僕「ほう、大変満足です。最初見たときは旦那さんかと思ったよ」

 

ニイナ「おじいちゃんを旦那にする趣味はないわよ。でも旦那ともあそこのお店

     行ったりもするのよ。店主とも仲がいいから」

 

僕「そうなんだね」

 

ニイナ「私からもいろいろ聞いてもいいかしら」

 

僕「どうぞ?」

 

ニイナ「さっき一緒にいた男性は君のおともだちか何か?」

 

僕「いや、同僚だよ。僕がの週末にひとりで飲みに来てること知ってるんだ。

  冷やかしに来たんだよ。こんな洒落たとこでいっちょ前に飲みやがってって

  指をさされたよ。さっき愛しの人に会いに消えてったけどね」

 

ニイナ「そうなのね、あなたも好かれてる人なのね。

     人は見かけによらないものね。ぶっきらぼうなお顔してるし

     あまり愛想もよくないのにね。」

 

僕「そうだね、好かれてるかはわからないけど、

  無愛想とはよく言われるね」

 

ニイナ「やっぱりね。

     ただね、私はあなたを好いてるわよ

     この間の出来事は予想外だったけど」

 

僕「僕も予想外だったよ、まさか既婚者とそんなことになるなんて」

 

ニイナ「誰にも言っちゃだめよ。

     あなたは口が軽そうだもの」

 

僕「言わないさ、見かけで判断してはだめよ?」

 

ニイナ「そうね。さ、乾杯しましょ。

    あなたのこと、たくさん聞かせて」

 

彼女はそう言って笑って魅せた。

 

 

 

 

 

なんでそんなことわかるんだよ。

 

お前、キャバクラとかクラブとか行かないだろ?

あの二人は見るからに客と店側の関係だぞ。

 

確かに行ったことないからわかんないな。

 

三十路を近くに迎える男性の小声での会話だ。

彼女たちの方は互いの笑い声が飛び交っている。

男性が話すことにニイナが甲高い声で笑っている。

時折、店主が二人に入って話題を提供したり、僕らに加わったり、

日下部と仕事の話をしたりで、

 

彼女が同じ空間にいるのに話すことができないという不思議に

感覚に苛まれていた。

 

ひとしきり、二人で飲んでいると日下部が

ちょうどカヲリがこの辺で友人と飲んでいるらしく呼ばれてるから

行ってくるというので、一緒にお店を出ようとなった。

 

店主にお会計を頼む、その際に彼女たちの方を見ると

楽しそうに話してる。

見たくないものを見てしまったと思った。

 

勘定を済ませ、日下部を先に出口に向かわせた。

後からついていく。ついでに彼女に挨拶をと思ったのだ。

 

彼女たちに近づこうとしたが、即座に止めた。

男性から見えない、且つ僕に見えるような位置に手を持ってきて

何やらジェスチャーをしている。

ケータイをいじるジェスチャーに見えた。

半信半疑ではあったが、僕は大きくうなずいてお店を後にした。

 

遅かったな。

外で待ってた日下部にそう言われた。

続けて彼は今から会うんだろ、と聞いてきた。

 

まだわかんないというのと、例のジェスチャーのことを話した。

日下部はきっと連絡するから待っとけってことなんだろうなと言った。

 

日下部をカヲリがいるお店の前まで送っていった。

お酒に飲まれるなよ、溺れるなよ。そう言い捨てて店に消えていった。

 

来るかもわからない連絡を待つために入ったことのないバーに身を置いた。

 

「帰っちゃった?」

待つ暇もなく、そう来たのだ、ニイナから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

たくさんの人々が行き交う週末を迎え、日本国民が浮かれるのを肌で感じる。

このネオン街はより休日の始まりの空気をまとっている。

光もいつもより光り、音もいつもより大きい。

 

残業を終え、街に到着するころには駅に向かう人多かった。

その波に逆らい、いつものお店に向かうのだ。

夕飯も会社近くの定食屋さんで済ませたから、あとはお酒を飲むだけだ。

 

店主は僕が注文したビールを作っている。

周りを見ると、会社仲間の客というよりかはカップルが目立つ。

どうやら彼女はまだ来ていないようだ。来るのかもわからない。

この前の件以来、連絡を取っていなかった。

 

週末になると、ここで会えると思っているから

わざわざ約束をつけるまでもなかった。

 

この夜、彼女が現れたのは僕が来て一時間も経たない頃であった。

明らかに彼女より年のいった男性と腕を組んで現れたのだ。

 

この人が噂の旦那なのか、あまりにも年の差を感じたから

関係値に興味があった。決して嫉妬心が芽生えたわけではない。

 

僕はいつも隅の席に座り、彼女たちは僕より一番遠い席に座って笑顔で話している。

 

こういうこともあるか、そうそう一緒にはいられないか、ちょっと残念だな

そんなことを頭にぼやかせながら、グラスを進ませた。

 

程なくすると、着信が入った。

ニイナからのメールを思っていたが、違った。

 

日下部からのメールには

今、いつものバーか?と文章が入っていた。

返信をすると、この店に来ようと思ってるとのことだった。

 

メールに地図を添付し、日下部に送った。

 

店に入り、僕の横に座ると彼はビールを注文した。

そして、カウンターの奥の居座る二人を見て、あの人だろ?

と聞いてきた。

 

奇麗だなだの、エロそうだなだの感想を僕にぶつけてくる。

ただそのあとには、

横にいるおっちゃんは旦那ではないだろうなといった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ニイナ「おはよう、起きるの早いのね」

 

僕「おはよう、なんか目覚めちゃった」

 

ニイナはケータイで時間を確認し、すでに昼の11時であることを教えてくれた。

 

ニイナ「もうこんな時間ね、どれだけ寝たんだろ。

    昨日のこと覚えてる?」

 

僕「スポーツバーみたいなところを出たとこまでは覚えてるけど

  それ以降は全く」

 

ニイナ「そうなのね、私そのお店行ったのも覚えてない。

     でも、ふたりこうして裸ってことはそういうことなのね」

 

僕「多分ね。そういうことみたい」

 

ニイナ「ねえ、こっち来て」

 

彼女は右腕で掛け布団をめくりあげ、僕を招いた。

入ると元々、さっきまで眠っていた場所なので暖かかった。

 

ニイナ「結婚してるって言ったのびっくりした?」

 

僕「うーん、あんまりかな。

  大体予想はついてたよ」

 

ニイナ「あら、それが私はびっくりね

     後悔してる?」

 

僕「今はしてないよ、いずれするのかもしれないけど」

 

この話を聞いた日下部は唖然としていた。

 

お前、後悔するぞ。

つうか、いましろよ。

 

その日の業務をだらだらこなし、日下部に今朝の話の続きを酒を飲みながら

しようと誘われ、駅前の居酒屋に入った。

 

週初めということもあり、客足が少なかった。

あまりにも多かったら、個室に入ろうかと思っていた。

 

生ビールでの乾杯をすませ、では早速、と日下部が切り出した。

 

日下部「どういう流れでそうなってしまったんだよ」

 

僕「正直に言うと、結構お酒入ってたから鮮明な記憶はないんだよな。

  でも結局は両者合意ではあったとは思う」

 

日下部「まあ、多分そうだろうな。

     でも今回のことは事故に近いな。もう一度彼女に会いたいと

     思うか?」

 

僕「別に今はそうは思わないな。

  週末になれば、多少の心変わりはあるとは思うけどな」

 

日下部「悪くは言わない。今回のことは事故として処理して

     再犯しないことだ」

 

その後も日下部に叱咤され諭され反論する余地もなく僕らは帰路に立った。

 

日下部にこの件について言われたのは今日だけであったが、

金曜の就業終わりにこう放ってきた。

 

 

息が出来なくなるぐらいまで堕ちるなよ。

 

 

 

 

 

 

 

なんとなく目が覚めた。

何時なのかわからない。どこにいるかもだ。

 

ただひとつわかるのが冷たいことだ。

背中がひんやりと。

無数のグラスがあって、各々に入るだけの氷が入っている。

それらをまとめて背中で受けている、そんな感覚だ。

 

後ろ身はそんな程度であるが、前身はその真逆だ。

生暖かい。僕の左脇腹から右の首元に向かって一本の暖かみのあるものが

通っている。

 

その出所を見てみると、純白よりも白な色をしたものが横たわっていた。

掛け布団をめくると、現れたのはニイナだった。

僕は驚きもしなかった。

 

眠っているようだ。

彼女の眠りのお邪魔をしないように僕は恐る恐るベッドから出た。

用を足し、大きな鏡の前で歯を磨いた。髪も相当乱れている。

単純な行為をするので記憶の回収がやりやすかった。

 

そこで眠っている彼女は、昨夜泥酔ながらに自分が既婚であることを告白をした。

 

僕は驚きとともにこう返した。

 

そんなことじゃないかなと思ったよ、あなたはあまりにも美しいから

きっとすでに誰かの人なんだろうなと。

 

事実だった。

ニイナは僕が今まで出会った女性のどんな人よりも妖艶で

肌も髪もきれいで、人知があって、なにより声がきれいだ。

 

「実はね、私結婚してるの」

 

そう囁いた声もきれいで、鋭い棘があった。

 

布団をめくり、彼女の顔を眺める。

昨夜のお顔そのままだ。

化粧も落とさずに眠ってしまったようだ。

 

顔を近づけると、彼女の寝息が聞こえた。

同時に昨夜共に交わした赤ワインの匂いが閉じられている小さな口からした。

 

その口もまた、赤い。ほんのりと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蝉の鳴き声を全く聞かなくなり、秋口を迎え始めた。

 

毎度のこの月曜日の憂鬱で足元は重くなり、朝日にも活力を頂けそうにもない日だ。

相も変わらず、日下部は始業時間前から仕事に着手している。

 

また憂鬱か?

毎度のことだ、と返しておいた。

 

日下部「月曜が憂鬱になるってことは週末、相当いいことがあったんだろう、お?」

 

僕「そうでもないよ、むしろ災難だったよ。

  むしろ、今のこの憂鬱の引き金になったんだよ」

 

日下部「どうしたんだよ、例のおもしろそうな女だろ?

     なんだよ、男でもいたとか、そんな程度の事だろ」

 

僕「当たり。なんでお前はいつもそんなことわかるんだよ」

 

日下部「当たりかよ、

     まあさ、毎回言うんだけどさ。

     気になる女に男がいたぐらいでへこむなよ。そんなのよくある

     ことだろ」

 

僕「違うんだよ。今回は。

  男は男でも。」

 

日下部「なんだ」

 

僕「結婚してるんだそうだ」

 

日下部「ああ、はいはい。

     そっちの人だ。村が違うな」

 

僕「既婚村的なことか」

 

日下部「まあ、そんなとこだ。

     やめとけよ。顔なじみの常連客程度にしとけよ」

 

僕「それがな、やっちゃったんだよ」

 

 

 

 

3時を超えていた。

時間が更けていくに連れて、僕とニイナは完全に理性を闇に置いてきたかのように

なり、二人だけの世界を作り上げていた。

 

「あなたは彼女はいるの」

「OLってどんなことをしているんですか」

「お家は近いの」

「どんな男性が好きなんですか」

 

お互いのことを漁り合いをしたのだ。

僕はそういう世界をよその視点から見ていた期間が長かったので

最初はしどろもどろではあったが、徐々には距離が近くになっていってるのがわかった。

 

目の前に座っていたニイナはいつからか僕の横に座っているが

酔っぱらっていたこともあり、恥ずかしがることもなかった。

 

ニイナの右肩が僕の左肩に、僕の左手がニイナの右手に

交渉手段が言葉から体へと変わりつつあった。

 

すると、ニイナは

僕の左耳に口を近づけて

 

ニイナ「私ね、実は結婚してるの」

 

僕にしか聞こえない声でそう言い放ったが、

左耳の鼓動が右耳にまで移っていた。

 

 

 

 

断る理由が見当たあらなかった。

二つ返事で了承を伝えた。

 

すると、

彼女はバッグから手帳を取り出し、何かを書いているようだ。

書いたページを引き破り、僕に差し出す。

 

聞いたことのないビルの住所と店名と

電話番号が書かれている。

 

ニイナ「もうちょっと話してくからここにいて。

     これ私の電話番号だからわかんなかったら電話して。」

 

彼女は僕に小声でそう伝えた。

どうして一緒に行かないのか気にはなったが

まだ一緒にいられるという事実で陽気になり、そそくさと会計を済ませ、

僕はお店を後にした。

 

僕もそこそこ酔っぱらっていたが、彼女から渡された紙の住所をケータイで調べていたので

すぐにたどり着いた。

 

スポーツバーのような場所で終電逃した人間たちがお酒を進めている。

お店に設営されているテレビモニターではいつ行われたかわからないMLBの試合が

放送されている。

 

ビールを注文して試合を観ていると彼女がやってきた。

僕の存在を目で捕らえると、彼女は微笑んでいた。

このお店には昔から来ているらしく、店主と近況を話しながら笑っている。

 

グラスビールを手に持って僕の元へやってくる。

僕の向かいに座る。僕の椅子があって丸いテーブルを境に彼女が座っているという状態だ。

 

ここのバーの方が断然に明るくて、彼女の顔がはっきりと見える。

 

ニイナ「電話かかってこなかったから、帰ったって思っちゃった。

     すぐわかった?」

 

僕「わかりましたよ。」

 

ニイナ「ごめんね、先に行かせちゃって。

    あの店主に確認とってたんだよね。」

 

僕「なんの確認ですか?」

 

ニイナ「お兄さんとまだ一緒にいてもいいかの確認?}

 

僕「その確認いります?僕そんなに信用されてないのかな。」

 

ニイナ「信用してないとかじゃないよ。

     前にね、あそこの男性客が私に嫌がらせまがいなことしてきたんだよね。

     だからそれ以来、男性客と一緒に抜けるときは店主の許可をもらってからにしてるの。」

 

僕「そうなんですね、大変ですね。

  じゃあ、合格通知が来たって思っておきます。」

 

ニイナ「そうね、そう思いな。」

 

と彼女は笑った。

明るい場所で見る彼女の顔は眩さが異常だった。