ニイナ「おはよう、起きるの早いのね」

 

僕「おはよう、なんか目覚めちゃった」

 

ニイナはケータイで時間を確認し、すでに昼の11時であることを教えてくれた。

 

ニイナ「もうこんな時間ね、どれだけ寝たんだろ。

    昨日のこと覚えてる?」

 

僕「スポーツバーみたいなところを出たとこまでは覚えてるけど

  それ以降は全く」

 

ニイナ「そうなのね、私そのお店行ったのも覚えてない。

     でも、ふたりこうして裸ってことはそういうことなのね」

 

僕「多分ね。そういうことみたい」

 

ニイナ「ねえ、こっち来て」

 

彼女は右腕で掛け布団をめくりあげ、僕を招いた。

入ると元々、さっきまで眠っていた場所なので暖かかった。

 

ニイナ「結婚してるって言ったのびっくりした?」

 

僕「うーん、あんまりかな。

  大体予想はついてたよ」

 

ニイナ「あら、それが私はびっくりね

     後悔してる?」

 

僕「今はしてないよ、いずれするのかもしれないけど」

 

この話を聞いた日下部は唖然としていた。

 

お前、後悔するぞ。

つうか、いましろよ。

 

その日の業務をだらだらこなし、日下部に今朝の話の続きを酒を飲みながら

しようと誘われ、駅前の居酒屋に入った。

 

週初めということもあり、客足が少なかった。

あまりにも多かったら、個室に入ろうかと思っていた。

 

生ビールでの乾杯をすませ、では早速、と日下部が切り出した。

 

日下部「どういう流れでそうなってしまったんだよ」

 

僕「正直に言うと、結構お酒入ってたから鮮明な記憶はないんだよな。

  でも結局は両者合意ではあったとは思う」

 

日下部「まあ、多分そうだろうな。

     でも今回のことは事故に近いな。もう一度彼女に会いたいと

     思うか?」

 

僕「別に今はそうは思わないな。

  週末になれば、多少の心変わりはあるとは思うけどな」

 

日下部「悪くは言わない。今回のことは事故として処理して

     再犯しないことだ」

 

その後も日下部に叱咤され諭され反論する余地もなく僕らは帰路に立った。

 

日下部にこの件について言われたのは今日だけであったが、

金曜の就業終わりにこう放ってきた。

 

 

息が出来なくなるぐらいまで堕ちるなよ。