~ スロットカーのレースリポート (後編) ~
60年代スロットカーキットは多々あれどスケールモデル最高峰 ”COX ”
精密マグシャーシに高精度パーツ、架装されるは忠実に再現されたボディ。
さらにボディ中央のコックピットにはシートやダッシュパネルは無論、
ドライバー人形の足先まで立体的な造型は他に類がない。
昔から時折、ビンテージ愛好家の間でCOXのレースも行われてはいたが、
スピード重視なら後期製品、例えばポリプロ系ボディのサイドマウント、
ラチャ系アルミシャーシ+パワフルなNASCA16/36モーター。
Ex”Model Cars ”山田剛久氏 の好むチータラチャは走りも素晴らしく、
私も入手し太いスポンジタイヤの走りを楽しんだ。
13年前の山田氏の記事⇒『Cheetah MTG』|MOTOR PSYCHOLOGY
唯、あの深く沈み込んだコックピットや加速でジャダるのもCOXテイスト、
取りもなおさず、60sCOX-GPはパイプでもアルミでもないマグシャーシ限定。
↑ YS氏の2E、ブレーキングトルク反動を利用してハネが動く
↓ 色ヤケとワレ補修ムラの我が2Aと並べては恐縮だが..未だ現役
そんなディスプレイの主役が、レースに引っぱり出されたのは昨年7月。
儚きものはヒトの命に限らず、本年9月 RMPBレーシングパラダイス廃業
ファイナルレースをもって豪華なCOX-GPも 暫く見納めかと思っていた。
ところが 11月、神奈川は大和の ”ビッグバン ” で早くも再開の仕儀。
< COX GP >
明治屋GPはフル電圧12Vで行われたが、こちらは10Vに落とされた。
エスハチはボディ巾も60㎜程度とジャスト32クラスのサイズ。
こちらCOX-GPは大柄なボディに安定したトルク、ビンテージらしく
幾分リラックスしたレースとなった。
↑ 1/24COXクラスは10周/10ヒート(出走6マーシャル4)レース
着順ポイント合計、ローテーションで2ース行われた。
↑レース1の最終ヒート、TOM氏シャパラルがトップゴール。
電光掲示板は、液晶やLEDでなく昔懐かしいニキシー管
(ネオン球)交・直どちらでも使えるが交流だと50Hzサイクル。
蛍光灯と同じく目に留まらぬ速さで点滅しているのだ。
シャッタースピードが速いとフォト(中)のように表示が
欠けるが、 (右)シャッターを遅らせればうまく撮れる。
↑ レース2のヒート3、US氏とTOM氏ロータス同士の競合いはUS氏が制する。
↑ レース2ヒート7、TK氏とYS氏ディノスパイダー の競合い。
1/32用コースゆえスロットワイズ90㎜、接触リスクも接戦臨場感も高い。
↑ (左) レース2のヒート7、先頭はYS氏ディノスパイダー
(右) 1位TOM氏ロータス、2位YS氏ディノ、3位SZ氏チータ
リザルト
レース1;
1位: Lotus 30 /US氏
2位: Chaparral2A/KMY
3位: Lotus 40 /TOM氏
レース2;
1位: Chaparral2A/KMY
2位: Lotus 30 /US氏
3位: Dino166P /YS氏
ファステストラップ:7.959Sec./Chaparral/KMY
町田の RMPBレーシングパラダイスがなくなっても、こうして ”ビッグバン” でスロットカーレースが楽しめるのはありがたい。
また、コースレイアウトにも素晴らしいポテンシャルを感じる。
上のフォトと下図を比べて分かる通り、ビッグバンは かって東洋一のコース、白金レースウェイに似たレイアウトとなっている。
唯、残念な事は 現在の走行指定方向が(コントロールBOXから見て)左廻り。
白金レイアウトは 本来右回りで走ってこそ楽しく、またスロットカーの特性にとってアドバンテージあるものだ。
もしも将来、ガイド編線の張替え等改修の機会があったら、そのポテンシャルを生かすべく、走らせる方向は現在の逆とされるよう、是非提案したい処。
その” 白金レイアウトのアドバンテージ ”とは何か?
先ず冒頭、「COX-GPは大柄なボディ..幾分リラックスしたレースとなった」
と申し上げたが、大柄でリラックスと言っても(サイズ感を別にして)ストックカー的ドリフトやソウイングテクニックなどレバーを優雅に楽しく操作している暇はない。
実際ここビッグバンで(よほど素早い操作できる方にはコントロールの余地あるかも知れないが)、少なくとも自分にはループ先からタイムカウントしているバックストレート(下段)への立上りでテールスライドを調整する位のことしかできなかった。
当日TOM氏とも話した事だが、かっての白金レースウェイに似てると云っても逆廻りではまるで違って以下のような利点が享受できない事を意味している。
白金逆回りが意味するのは、;
例えばバンクはストレートからスリリングに高速で回り込むためのものでなく、
メインストレート前の加速エリア。
あの富士スピードウェイも右廻りから左廻りとした時はバンクをショートカット。
否、凹凸でバンピーなのにスピードも上がり過ぎる危険からバンク走行を止めるために左廻りとしたのが事実上の経緯なのだが、たとえ30度バンクのコンディションが良くても、逆廻りではメインストレート前のバンク上段まで使いきれなかったろう。
白金レイアウトでは立体交差のループも、楽しく加速でドリフトをコントロールしながらゴールラインを目指して駆けあがるトコロだが、
(逆回りゆえの下りでは)せっかくストレートでスピードがのったところから半端に減速、又は断続ブレーキで勢い殺してパーシャルでやり過ごし、前からレーンアウトしないようグッとガマン。
回路短絡ブレーキしかないスロットカーにとって、徐々に締め込むようなブレーキングはありえないからだ。
またハイスピードからブレーキング競争する” ヘアピン” がその意味論から外れてしまうのも、逆相レイアウトでは仕方ないこと。
ビックバンではヘアピン手前のシケイン状S字でブレーキの必要ないほどスピードを抑えられているからで、目の前=コントロールBOXストレートで加速できるまで単にガマンをするトコロとなる。
このサーキットが白金の逆回りなのは90年代後半からの伴野氏(シグマホビー/バンプロ)のストラテジーだろうことは想像に難くない。
ご本人にも聞いたことがあったが、徐々に速度を落としていくような絞り込まれたコーナーがその特徴なのだ。
ご存じの通りスロットカーは、たとえ今のデジコンで短絡ブレーキのレスポンスを調整できたとしても、一度のブレーキング操作中の強弱調整不可。
それゆえ、テクニックで差が出るとのお考えなのだろう。
だが、本来ガイドシューで進行方向が規制されているスロットカーにとってドリフトコントロールが、その本質的な醍醐味であることは違いない。
勿論、単に大きなテールスライドはロスにしかならない、かと言ってグリップに徹していれば、より前に進むというものでもない。
またスリップアングルも同心円のコーナーであれば、同一カテゴリではその理想角にあまり多様性はないだろう。
だが、短い直線やS字や接するコーナー等ではドリフトさせる位置や角度によってタイムも変わる。
それゆえ コーナーのどこでどれだけテールを振らせるかは、スロットカーにとって実車のライン取り同様に趣深いものとなるのだ。
確かに奥が絞られた減速しながら入り込むコーナーにはガマンとテクニックの差が出るトコロではあるとしても、主に加速~レバー操作でドリフトコントロールできる方が楽しい、と言う事がお分かり頂けただろうか。
そしてそれこそが、白金レイアウトのアドバンテージなのだ。
まぁ 32用営業店貸切でやるのだから文句を言える立場ではないが、辛口インプレもコースにポテンシャルを感じていることゆえご容赦頂きたい。
それに又いつか、24用フルサイズサーキットを走りたいと思うのも私だけではないだろう..。
↑ 当時の白金レースウェイ38度バンクのフォトが出てきた。
カメラのレリーズ不具合で重ね焼きされてしまったフィルムゆえプリントされず捨てられる事もなかったのかも知れない..













