先週末のスロットカーレース " レッドライン7000 "
自分は PUの違うKTM(カツミ)とKemtron(宮沢製米国向けOEM)2台を持込み、KTM車をKD氏にレンタルしたのは、彼のPUが不調だったからだ。
見事なレース運びで初優勝したKD氏だが、自車で出場できなかったのは残念だろうし、不調原因が分からなかったのも、きっと心配事だろう。
電関モーターは約65年前のクラッシックな製品、すべてむき出しで分かり易いが、
一筋縄でいかないし、レア品ゆえAssy交換という訳にもいかない。
勿論、KD氏は走行テクニックだけでなくファインチューンも素晴らしい腕前だが、
電関モーターは、私同様に還暦越えの親しみあるものゆえ、お預かりする事にした。
チェックしてみるとコイル極間の僅かなインピーダンスや絶縁は問題ないが、
片方のブラシからの電流がおかしい。
↑ ±ブラシホルダー間をチェックすると、ちゃんと電気が廻っていない?
カーボンブラシからコミュテータの通電不良なので、ホルダーケースを開け
ブラシを取りだしてみたら、片方コミュテータと接触する側が汚れていた。
カーボンブラシの接触面はスプリング側とコミュテータ側で⊕⊖それぞれ、つまり4か所あるが、問題は⊕側。
カーボンブラシの上=スプリング側はキレイなのに下=コミュテータ側があきらかに黒い。
この部分を掃除すると導通確保、普通に廻り始めた。
ブラシホルダーは下図のように薄いベーク紙で本体ケースと絶縁を取っている。
普通のオイルやグリスは何でもないが、なにせ0.1㎜あるかないかのペーパー。
一部のケミカル類やスラッジが付くと微妙に通電、つまり絶縁が弱くなるから注意したいトコロだ。
勿論、水中研ぎ出しやシンナー、VooDoo等接点復活剤を使った場合、乾燥させるだけでなくコイルへのダメージリスクにも注意しないといけない。
↑ ブラシホルダーは上端外周に雄ネジが切ってあり、Bナットでケースに止められている。
その中にカーボンブラシとスプリングをセットし、また中間にリード線取付用端子を挟み、その上からAナットで圧をかけて押さえている。
つまり、Wナットで止まっている訳だが、今回(ガタつく程ではないが)締付トルクが少し緩く、指先で動かせた。
トラブルの原因にもなるので、メネジB(六角ナット)をキッチリ締めてから、メネジA(円形飾りナット)を締付けたい。
ネジ山の噛み合いの少ないトコロなので、勿論オーバートルクには注意しなければならない。
原始的に見える60s電関モーターだが、扱いはセンシティブだ。
だが、なぜカーボンブラシに電流不導になるスラッジが付着したのだろう?
また、ここは回転部と接しているので、本来凹面状に摩耗しているはずなのだが、
下の写真の②③のとおり摩耗は僅か、 殆ど平面だった。
つまり面圧、あるいは導通が低く十分な電流が供給されていなかったことも推測される。
① スプリング側、キレイで問題なし
② コミュテータ側、表面にスラッジ付着していた
③ ②をクリーニング後、いずれも凹面は僅か
④ アタリが良くなるよう半丸ヤスリで軽く凹面を付けセット
⑤(参考):通常使用中(ナラシの済み)の当り面
ローターのコミュテータはキレイに清掃されていたのでそのままセットしたが、サスフレーム側の動きが引っかかる?
下部取付ネジが干渉しているのが分かったので、メインフレーム側を修正。
無事リペア完了し、KD氏の豪快な走りに期待したい。
唯、レーシングパラダイスがなくなったら走行可能なサーキット自体がなくなる。
未だいくつか存続する32コースでUSRRC66や明治屋などスモールサイズのカテゴリーは(許されるなら)走行可能かも知れない。
だが、1/24フルサイズスロットカーは?
電関アメリカンストックカー、トルクフルだが速すぎる事もなく、慣れればドリフトコントロールが楽しめる。
単独走行だけでなく、ワイルドにコンコン接触しながら競う迫力は他のカテゴリーに無いものだ。
風前の灯だとしても、いつかまた、この手で操作、この目でレースを楽しめたら...。






