中高生の頃は、アメリカのポップスチャートばかり聴いていました。
テレンス・トレント・ダービー(TTD)が、その頃のヒーローで。
しかしながら、完璧主義者のテレンスはアルバムのリリースが極端に遅く。
その為、テレンスが影響を受けたアーティストのアルバムを買い漁り。
大学生の頃は、中古・輸入CD店のディスク・ユニオンに入り浸ったものです。
プリンスにハマり。テレンスとは対照的にプリンスは曲のリリーススピードが異常に速く。
プリンスは、ペイズリーパーク・スタジオで、毎日、新曲の録音をしているらしく。
大量の未発表曲の録音を抱えているとのウワサ。
そして、プリンスが共演したアーティストにも食指を伸ばし、はてはジョージ・クリントまで買い漁り。
いや、ジョージ・クリントンはキモカッコ良かったのであります。
ジョージ・クリントン率いるパーラメント&Pファンクオールスターズのアルバム「アーバン・ダンスフロアー・ゲリラズ」は、耳障りが良く、ノリノリで心地よかったのですが。
パーラメントの本領は「チョコレート・シティ」だと先輩に諭されて。
いやはや、泥臭くてディープな世界でした(笑)。
そして、プリンスはモダン・ジャズ界の巨匠マイルス・デイビスとも共演しており。
プリンスの輸入盤のコレクターズアイテム「クルーシャル」で、マイルスがトランペットを吹いていました。
大学生の頃、新しい音楽に触れたくて、大学構内の生協で、マイルスのオムニバス・アルバムを購入したのですが。
アメリカン・ポップスに慣れた耳には、どうにもこうにも良く分からず。
書店でジャズ評論家・後藤雅洋氏の「ジャズの名盤・名演」を手にし、そこからモダンジャズ・ピアノの開祖にして天才バド・パウエルを知り、やがてはパウエル信奉者になるのですが、その話は別の機会に。
マイルス・デイビスのアルバムは何枚か持っているのですが、実はあまり聴き込んでおらず。
その中でも、お気に入りは「フォア・アンド・モア」と「リラクシン」。
「フォア・アンド・モア」はノリノリのライブ音源でカッコ良くて好き。
それとは対照的なリラクシンですが、冒頭の「イフ・アイ・ワー・ア・ベル」の調和が素敵で。
それ以外のアルバムだと、マイルスの名演として名高いバラードでトランペットの金属音がどうにも耳障りで、と言ったらマイルス信奉者に叱られるかも。
ただ、マイルス・デイビスの生き方、その姿、立ち振る舞いが、物凄くカッコ良かったのは間違い無く。
御洒落な服装に、漆黒の肌と鋭い視線と漲る知性。
黒人が差別されていた時代に、裕福な医者の家に生まれ、ジュリアード音楽院で学び、天才チャーリー・パーカーに弟子入りし、パーカーを尊敬しつつも、あまりの人格破綻者振りにパーカーを見限り。
人種差別に毅然として抗い。
モダン・ジャズのあらゆるジャンルに関与し、モダンジャズの帝王と呼ばれ。
大学生の頃、マイルスの死後に刊行されたマイルス・デイビス自伝を読み、物凄く面白くて。
いや、秀才かと思っていたマイルスは天才でした。
そして、天才ひしめく当時のジャズシーンを回想するマイルスが素敵で。
で、結構マイルスのCDを購入したものの、それほど聴き込まず。
そろそろ、マイルスを聴いてみようか。