つれづれにっぽん66【和歌を知りたい 2】 | つれづれ にっぽん

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にっぽんの神話を、エッセイ風に書いています。

【和歌を知りたい 2


今回は和歌の修辞のうち、


「縁語」


を取り上げますよ~。

 

今後、「縁語」という言葉を見たら、すぐさま、

 

「連想ゲーム」


と置き換えてください。

 



ええ、「縁語」なんて、「連想ゲーム」なのです。

 

 

例えば、キリギリス(古い呼び方:はたおり)の声を聴いて詠んだ和歌では、

 

「青柳の 緑の糸を 繰りおきて 夏へて秋は はたおりぞ鳴く」


(春の青柳を糸にして、巻いておいて、夏を経て(糸を綜て=機織り機に縦糸を通して)、秋にははたおりが鳴いているなあ)


 

というものなんですが、

※夏を「経て」×糸を「綜て」は掛詞……ダジャレ。

 

 

「糸」って言ったら「繰る」だよね! 糸巻きまき!

「繰る」って言ったら「綜」だよね! 機織り機に糸をかけるよ!

で、機織り機に糸をかけるっていったら、「はたおり」だよねやっぱり!


 

「糸」→「繰る」→「綜」→「はたおり」

 

 

連想ゲーム。

 

こういうことです。

 

 

 

 

では練習問題。


「青柳の 糸よりかくる 春しもぞ 乱れて花の ほころびにける」


この中に、「糸」から連想される言葉が二つあります。どれでしょう?

 

 

 

正解は……

「乱れて」と「ほころび」でした!

※厳密にいえば「よりかくる」もだけど今回はスルー。

 

 

「糸」っていえばさあ、「乱れる」よね。

「糸」が「乱れる」ってさあ、つまり「ほころび」だよね。

 


ってだけなんです。

 

 

ちなみに和歌の意味は


「青い柳が、緑の糸を張り渡したように見える春だなあ。糸が乱れてほころびるみたいに、花がほころんでいるぜ」


です。


「はる」=「春」×「張る」だったりもします。

 

 

 

 

次回は「枕詞」!

 

ではまた(^^)/

わらび