つれづれにっぽん63 【秋の月が綺麗なのはなぜ?】 | つれづれ にっぽん

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にっぽんの神話を、エッセイ風に書いています。

【秋の月が綺麗なのはなぜ?】


今回は、いわゆる「古典常識」というものについてお話します。

つまり、奈良時代や平安時代の人々の中で、暗黙の了解のような感じで分かりあっていて、よく和歌の題材にされるようなもののことです。

 

難しくありません。面白いです!

 

 

●その1 秋の月はなぜ綺麗?

 

→それは、月にある桂の木が紅葉するから!

 

当時、月には桂の木が生えていると信じられていました。

中秋の名月のころは、地上でも紅葉が始まる頃ですよね。

ですから、秋の月は美しい橙色に染まるのは、そこに生える桂の木が見事に紅葉するからだと思われていたようです。

 

 

●その2 秋に木の葉が紅葉するのはなんで?

 

→それは、時雨(しぐれ)が葉っぱを染め上げるから!

 

紅葉の時期と、さあッと降る時雨が見られる時期がだいたい一致することから、

その雨が葉っぱを染色するというのが常識だったようです。

 

それが本当かどうかは別としても、濡れた木の葉って確かに色が濃く見えますし、

一雨来た後の木って、幹が黒く濡れて、色のコントラストが美しくなりますよね。

 

 

●その3 じゃあ、木の葉だけじゃなくて地面から生えている草まで紅葉するのはなんで?

 

→それは、露が葉っぱを染め上げるから!

 

この原理は前述の通り。時雨だけではなく、露も染色役だと思われていたようです。

 

私が好きな歌はこちら。

 

――白露の 色はひとつを いかにして 秋の木の葉を 千々(ちぢ)に染むらむ――

(古今5257

 

露の色は一色なのに、どうやって、秋の木の葉を黄色にも紅色にも、何色にも染めているのだろう?

 

 

 

素敵ですよね( *´艸`)

 

 

ではまた(^^)/

わらび