つれづれにっぽん34【古事記と日本書紀って?】 | つれづれ にっぽん

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にっぽんの神話を、エッセイ風に書いています。

【古事記と日本書紀って?】


 日本の神話と言えば、古事記と日本書紀!


って、よく言われますが、何が違うの? 

って思っていらっしゃる方が多いと思います。


あとは、「記」と「紀」を間違えがち。

 

今回は、そんな問題を解決すべく、


「3文でわかる古事記・日本書紀」+解説 


といきたいと思います!

 

 

●3文でわかる古事記


国内向けに書かれた日本神話。

大和言葉で書かれている。

ヤマトタケルが怖い。

 

 

解説

古事記は、日本国民を対象とした、「私たちの国はこうやって出来たんだよ。国民の皆、知っておいてね」という本です。


だから、昔からの日本語、「やまとことば」で書かれています。「和語」ってやつです。

ですから、漢字で「読む」より、声に出して「詠む」ほうが、意味が分かりやすいです(と私は思います)。

 

また、ストーリーはすべて一続きになっています(それが普通では? と思いますが、ここが日本書紀との違いです)。

 

もう一つ特徴を挙げると、ヤマトタケルという人の表し方が違います。古事記では、このヤマトタケルのお父さんは、「俺の息子ヤバい。怖い。いなくなってほしい。死んでくれ」と思っています(超訳です)。

 

 

 

 

●3文でわかる日本書紀

海外向けに書かれた、日本の公式な歴史文書。

漢文で書かれている。

ヤマトタケルがかっこいい。

 

 

解説

 日本書紀は、貿易や交流をする外国に向けた、公式な歴史文書。「我々はこういった歴史を持つ国であーる。貿易に交流に、今後ともよろしく頼むのであーる。」というものです。


ですから、日本語ではなく、中国語(漢文)で書かれています。それに返り点などをつけて、日本語として読めるようにしたものが、調べて出てくる「日本書紀原文」です。

 

 そして、ストーリーが一続きではない……です。一続きと言えば一続きなのですが、間あいだに、「こういう風に書いてあるものもあるよ。こういう説もあるよ。」と注釈が入っているので、読んでいるとブツブツ切れます。


 そもそも古事記や日本書紀は、日本中にそれぞれ伝わっていた神話を一つにまとめたもの。だから、ところどころ食い違いが起こってしまうんです。外国向け公式文章には、そういった「没ネタ」みたいなものも、きちんと書いておかねばなりません。それで、毎回「ある書(ふみ)に曰く」と、没ネタが入っているのです。

 

 ヤマトタケルの件ですが、日本書紀でのお父さんからの評価は「あいつ、スゲーんだぜ。強いんだぜ。自慢の息子だ、頑張ってくれよな!」です。

 

 

 

●漢字間違う件


古事記は、「こじき」と読みますが、大和言葉では「ふることぶみ」とも読みます。「古い(昔の)事を記したもの」で「古事記」です。

だから、「記す」の字を使います。

 


日本書紀は、「日本書」の「紀」です。昔中国では、時系列で並べた(編年体)話を「〇〇紀」と呼んでいました。(逆に、人物にクローズアップした紀伝体を「〇〇書」と呼びます。)

日本書紀は基本時系列にそってまとめていますから、「日本についての書物」の「紀 バージョン」といったところでしょうか。

それで、「紀」の字を使います。(これは本当に諸説あります!!!)

 

 

 

今回は、古事記と日本書紀についてのお話でした。初めて読むなら、日本語を使う方には古事記をお勧めします。わかりやすいです。

 

ではまた(^^)/

わらび