ただ、たった一晩の出来事の描写のためになんと17年以上もかかっており、その中身の濃さ?は尋常ではないと思います。
思えば、その一晩の始まりだった「賭博堕天録カイジ」第一巻が発刊されたころ、自分はしばし日本を離れることとなり、ああきっと日本に帰る頃にはこの話はとっくに終わっているのだろうな、と思っていました。
ところが、数年後に帰国してからもまだその「賭博堕天録カイジ」編は続いており、それどころかやっとその話が終わったと思いきや、「今夜、俺ともう一勝負・・」などと言い出した和也というボンボンとの勝負のためにその一晩はさらに引き延ばされることとなり、その間にうちでは子供が生まれ、仕事が変わり、いろいろなことがあって、子供はすでに小学二年生ももう3学期・・という時期になってやっとその長かった一晩が終わるという、まさに「史上最長の一夜」でした。
「史上最長の一夜」といえば、「アカギ」も長かったわけですが、果たして「カイジ」と「アカギ」、どちらの一晩が長かったのか比較してみたところ、「アカギ」の最長の一晩、鷲巣編が始まったのが1997年ということでしたので、ちょうど20年くらいでした。
「カイジ」の一晩が17年ということで、まあいい勝負ではあるものの、やっぱり「アカギ」の方が長かったのですね。
さて、この「24億脱出編」ですが、個人的にはとても面白いと思っています。
話の趣旨としては、これは基本的にギャンブルの話ではありません。
先の「ワン・ポーカー編」でボンボンの和也氏とのギャンブルに勝って24億円を手にするわけですが、周りの黒服や、和也氏の親などがそんな勝負を認めるはずもなく、おそらくすぐに取り押さえられてその現金は回収されてしまうと踏んだカイジが、黒服たちの追っ手を逃れて脱出する話なわけですが、なかなかスリルがあります。
例えば、帝愛グループ(和也氏の家もその中にある)から出てくる際に使った軽トラックと現金が入った大量のトランクを、足がつかないように破棄しなければならないわけですが、都内の空き地などに乗り捨てたりすれば当然足がついてしまいます。
なので、とんでもなく遠く(今回は広島)まで行って車を廃墟に捨ててきたりするのですが、そういう「いかに足あとを残さずに24億持って逃げ切るか」の方法を考えるのが面白いです。
自分だったらどうやって車を破棄するかとか、現金24億をどうやって隠すべきかとか、考えるのもなかなか楽しいです。
ただ、これって、長期的に考えれば絶対に逃げ切れないと思われます。
外国人である仲間の二人に6億ずつ山分けして、彼ら二人を祖国へ逃がす、そこまではもしかしたらできるかも知れませんが、なんといっても当の本人、カイジが今後日本で暮らすとして、例えば家を買えばその名義をもとに見つかってしまうでしょうし、もちろん賃貸も同じだと思います。
12億もあれば、一生ホテル住まいということも可能なはずですが、それこそホテルに宿泊すれば足が付きますから・・あ、もしかしたら、この個人情報保護の時代、ホテルに泊まったことはそう易々と他人に話してはいけないことになっているのかも知れませんね。
とはいえ、裏の世界のトップのような人間にとっては、そんな表向きの個人情報保護など、関係ないでしょうから、やっぱり逃げ切れない可能性が高そうです。
できそうな生き方としては、とりあえず宿無し、ほぼホームレスのような形式をとりながらも、食事は毎日レストランでとっても大丈夫でしょうしお風呂も毎日温泉に行っていても大丈夫でしょうから、「家がない」というだけでお金は無制限に使える旅人のような生き方なら出来得るかも知れません。
しかし、そんな生き方をすることが本当に幸せかは疑問だと思われます。
いずれにしても、この24億脱出編、どうやってこの先逃げるのか、興味深いところです。