先日最終回を迎えた「下町ロケット ゴースト編・ヤタガラス編」にすっかり感情移入してしまいました。
実はこの番組、最初の頃(ゴースト編が始まったばかりの頃)は、少なくとも前作に比べればあまり感情移入していませんでした。
というのも特に帝国重工側の上層部の人物相関図がややこしくなっており、それぞれの立ち位置がよくわからなくなってしまって、やや焦点ぼけのような形に見えてしまっていたからでした。
しかし最後はやはり、「エンジニアって最高だな」と思わせられる展開だったと思いいます。
自分はやはり、物心ついたころからエンジニアに憧れて、エンジニアになろうと思って生きてきましたから、こういうエンジニアが社会を動かすような話には特別な感情が入ります。
今でこそ自分はエンジニアとして働くことができていませんが、それでもやはり、エンジニアの魂を持ったビジネスマネージャーこそ、会社を変えていける中心なのだと信じてやっています。
・・そういう視点で見ていたので、この下町ロケットの中で一番気になるキャラクターは、吉川晃司さん演じる財前部長でした。
なぜなら財前部長は、今や大企業の幹部であるにもかかわらず、エンジニアの魂をそのまま持ち続けている管理職だからだと思います。
今の時代の大企業の幹部の方々がどれほど忙しいのかは、ほんの少しだけわかっているつもりです。
あれだけ忙しいと現場の細かいところを自分の目で見ている余裕が全くなくなるのも無理はないと思います。
(※いわゆるバブル時代の幹部ならば、黙っていても会社もビジネスも成長していったでしょうから遊んでいても成立してしまったかも知れませんが、今の時代の役員は、この難しい時代の中で安定してビジネスを伸ばしていく責任がありますので、相当動かなければならないと思います)
そういう難しい時代の中で、本当に会社をリードしていける役員に必要なものは、顧客のニーズと真剣に向き合うことと、現場の作業を(数字だけではなく)目で見て手で触って理解していることではないかと思います。
・・財前部長は、まさにそんな役員だったと思います。
締まったスーツを着こなす吉川晃司さんの演技力も伴って、非常にいい味をだしていたと思います。
もう一人、個人的に好きなキャラクターは佃製作所の技術リーダーの一人である、軽部さんでした。
彼はいわゆる「不言実行」タイプで、陰でどれほど努力をしていても人前では一切そのことを言わないタイプ、そして経過よりも結果にこだわるタイプ・・自分のイメージする「エンジニア」の典型的な人物像のような気がします。
いつも定時で帰ってしまう業務スタイルにイライラした時もありましたが、実はそれは病弱な娘さんを病院に迎えに行くためであり、誰もいなくなった研究室で深夜に黙々と作業をしている姿をみて、「なんとエンジニアらしさがにじみ出ている人なのだろう」と思った人は自分だけではないのではないかと思います。
実は今の社会では、不言実行よりも有言不実行の方が前に出られる状況だと思います。
まずは言ってみる、宣言する、そうすることで自分のやる気も煽り立て、周囲も巻き込んでいく・・そういう「有言」が単に会社内でのVisibilityをあげるだけではなく、結果にもつながりやすいことは理解しておりますが、やはり人知れず努力を積み重ねる姿勢は良くも悪くも「エンジニアっぽい」と思います。
なお、ストーリーそのものはまだ煮え切らない形で終わっていると思います。
何と言ってもダーウィンと、佃製作所のランドクロウとの対決が終わっていません。
もちろん、すでに欠陥が見え隠れしているダーウィンが地に落ちるのは誰の目にも明らかだと思いますが、どういう形で決着を迎えるのか、長い悪夢?からいまだ冷めないギアゴースト社長・伊丹氏が最後はどうなるのかなど、見どころは多々あると思います。
ところで、今Webで見て知りましたが、あの「殿村家のお米」が、期間限定でイトーヨーカドーなどで発売されるらしいですね(詳しくはこちら)
下町ロケット ヤタガラス編を見た人ならまず間違いなく食べたくなるであろう「殿村家のお米」、ちょっと興味深いですね。
・・もっとも自分は味音痴なので、いつもたべているお米を「殿村家のお米」と書かれた袋に入れて渡されれば、それを食べて「やっぱり違う!これは美味い!!」などと言いそうですが。。