ボランティアで小学生のプログラミング体験をサポートしよう | 気分良く前向きに生きよう & テクニカルを楽しむ

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日常感じた心の世界に通じることや脳の働きに関することを書きながら、PCや携帯やプログラミングなどの技術的なことなども書いていこうと思います。

先日、ボランティアで都内のある小学校に行き、プログラミングの授業のサポートをしました。

使う教材は、マイクロビットという 小さな基盤に小型のCPUや各種センサー、LEDやボタンなどがついた、いわゆるIoT向けのワンボードPCですが、プログラム自体は普通のWindows PC上で作成し、それをUSB経由でそのマイクロビットというボードに転送、即動作するというものでした。



しかし自分は懐疑的でした。

というのも、自分は(古い話ではありますが)18歳以上の専門学校生に対して、10年近くもの間プログラミング教育を専門として働いていました。

しかしながら、それなりにやる気があって普通に高校を卒業している子たちであっても、例えば変数という概念がなかなか身につかなかったり、A=A+1という演算式をどうしても受け入れられなかったりといったことで、何時間も授業を受けてもなかなか基礎レベルの概念さえも身につけられずに苦労していた姿をたくさん見てきました。

それを、まあもちろん当時に比べてはるかに直観的なUIを提供しているとはいえ、プログラミング経験0の小学5年生に、たった2コマの授業だけでそれなりのプログラミング体験をしてもらうというのは、かなり敷居の高いことに思えました。

また、PCがWindows7だったため、Windows10ではなかったため専用アプリを使うことができず、ブラウザ経由でのプログラミングをするしかありませんでした。
そのため、作成したプログラムをワンクリックでマイクロビットに転送することができず、マニュアル操作で、ファイルエクスプローラを使用してバイナリファイルをマイクロビットにコピーするという作業が毎回必要になったわけですが、そういうところも小学生にはちょっと難しいのではないかと思っていました。


ただ、そんな心配とは別に、この特別な体験を前に胸が高まる自分もいました。

今でこそ、プログラミング教育とはほぼ関係ない仕事をしていますが、以前はプログラミング教育に人生をかけていたと言っても過言ではない状況でした。
いかにわかりやすくプログラミングの技術を多くの人達に伝えるか」は、長い間自分の中の大きなテーマでした。

・・忘れかけていたその情熱が、今回久しぶりに蘇っていました。


そして臨んだ2コマの授業ですが、正直なところ、大変驚きました。

なぜなら、その授業に参加してくれた38人の5年生の子たちは、全員、たった2コマでプログラミングの概念を確実にマスターし、自分がやってみたいと思った動作を自分で作り込み、どうしたら実現できるか考えて、必要な情報は我々ボランティアスタッフに聞いて、何度もトライ&エラーを繰り返しながら、わずか数十分でオリジナルの作品を完成させたのです。
繰り返しますが、38人全員が、です。

正直に言えば、おそらく数人は、まったく手を付けようともしない子がいたり、心ここにあらずな感じの子がいたり、やる気はあってもなにから手をつけていいかわからずかたまってしまう子がいたり、バイナリの転送の操作が自分ではできない子がいたり、といった形で実際に自力で何か作るという体験が時間内にできる子は半分強くらいかな、と思っていました。

ところが、全員自力でなにかを作って動作させる体験をしてくれたのです。


ただ、後でわかったのですが、今回訪問させていただいた学校はいわゆる優秀な学校であり、入試のハードルもかなり高いところだったそうで、ああやっぱりな。。と思いました。

それでも、おそらくは他の学校であっても、全員がわずか2コマでプログラミングの基礎を習得するのは無理としても、我々が思っている以上に沢山の子供達ができるのではないかと思います。

我々が思っている以上に、小学生の発想力は高く、またスポンジが水を吸収するように瞬時に物事を習得していくのだろうと思われます。

とにかく非常に貴重な体験をさせていただくことができたと思います。
有難いことです。