ドカベン ドリームトーナメント編(23) [ 水島新司 ] |
この分で行くと、この試合だけでコミック2~3冊分はかかると思われます。
主人公チーム以外の試合であるにもかかわらず、それだけ丁寧に、息詰まる展開が続いているというのはいい流れだと思います。
結局、漫画にしろドラマにしろ映画にしろ、物語の厚みをつけていくのは主人公以外のキャラクターがいかに活躍するかによるところが大きく、サイドストーリーが最終的にメインの展開に繋がって、大きな物語になっていくのだと思います。
今回のキーマンは、ホークスの先発投手である、池畑投手だったと思います。
元祖・剛球仮面で「男どあほう甲子園」出身の速球投手である池畑投手ですが、自分を含む多くの人は、その「男どあほう甲子園」時代の池畑投手をあまりよく知らないのではないでしょうか。
「男どあほう甲子園」という漫画は、40年くらい前の作品であり、まだ野球漫画といえば魔球とか、キャッチャーが後ろに数メートルも押されてしまうような剛速球とか、そんな非現実的な内容が中心の時代のものでした。
したがって野球のプレーの描写としてのクオリティは正直それほど高くはない作品だったと思います。
なので、池畑投手の「大回転投法」という投げ方も、物理的に無理のありすぎる投法であり、あれで普通の投げ方よりも速い球が投げられるはずは・・正直ないのですが、40年の時を経て、今の時代の野球漫画になじませているところが素晴らしいです。
ちなみに大回転投法とは、マウンド上でいきなりバック転をして、空中で投げるという離れ業です。
ただ、バック転なので、下手投げならまだそれで回転の勢いを生かしてより速い球になるという理論が成立すると思いますが、絵を見る限り上手投げなので、相当無理があります。。
(ドカベンのキャラクターである、クリーンハイスクール出身の影丸投手の「背負い投げ投法」ならば、全身のバネを使っての前転+上手投げなので、現実性はともかく、速い球になるという物理法則は成り立つと思います)
その大回転投法を、この試合で唯一球、投げたのですが、あれならば、たとえその球が剛速球でなくても、バッターのタイミングが狂って(というかびっくりして)見逃しか空振りして当然だと思います。
結局4回まで投げて、現在は一塁を守っていますが、もう一度投げる可能性もあるかと思われます。
もう一人のキーマンとして、「一球さん」のキャラクターである九郎さんがあげられると思います。
その怪力で、出会いがしらの同点ホームランを打ったのですが、正直九郎さんは、プロ野球選手になれるような器では本来ないと思われます。
しかしながら、個人的には好きなキャラクターの一人でした。
実は「一球さん」は、自分が小学生のころTVアニメ化されて放映されていました。
自分の小学校のクラスメイトの間ではこの一球さんが大流行しており、この九郎さんの話し方の特徴である、語尾に「だーよ」をつける話し方でみんな話していました。
(ちなみにそんなアニメ版の一球さんは視聴率が極めて悪かったようで、あっという間に打ち切りになってしまいました。)
そんな九郎さんが帰ってきてくれたことは、個人的には嬉しいことでしたが、この超一流選手の集うドリームトーナメントで、優勝候補チームの先発の捕手として登場するには下手すぎるのではないかというジレンマがありました。
それでも、上記の通り同点ホームランを打ち、十分な仕事をやってのけたと思います。
おそらく決勝戦には九郎さんは先発しないでしょうから(決勝の先発投手は一球さんではなく、満を持して中西球道選手でしょうから、捕手は高校時代からバッテリーを組んできたエイジ選手だとおもいます)、後は一球さんに任せる、というところでしょうね。