下町ロケットにみる、技術者の本当の喜び | 気分良く前向きに生きよう & テクニカルを楽しむ

気分良く前向きに生きよう & テクニカルを楽しむ

日常感じた心の世界に通じることや脳の働きに関することを書きながら、PCや携帯やプログラミングなどの技術的なことなども書いていこうと思います。

今、「下町ロケット」が一般の人々にも気に入ってもらえて、技術者のみではなくあらゆる人たちに、技術者の喜びと誇りを見てもらえていることを、(もちろん自分はこの小説の作者ではありませんが)個人的にとても嬉しく思っています。

おそらく、自分がこれまでに読んできた小説の中で、もしくは見てきたTVドラマの中で、これほど自分の魂を揺さぶられた小説・ドラマはないと思います。

今の時代、技術者という仕事はあまり華やかな仕事とは言えない場合がおおいかと思います。
日々、動かない、動かない、なぜ動かないんだ、ここか?いや違う、こうしてみたらどうなるんだ?・・・と、夜遅くまで地道な調査とトライを何度も何度も何度も繰り返し、それでやっと動いたとしても、決して目立つわけではない、それが技術者の実状かと思います。

しかし、なぜそれをやるのか。
基本的に理由は常に一つです。「それが面白いから」です。
下町ロケットの主人公が言っている通り、昨日までできなかったことが、今日できるようになる、それが技術であり、その瞬間が面白いのです。

そして、そういう「出来なかったことが出来るようになる」ことを支えているのが技術者であり、そういう面から世の中を支えている、作っている、という誇りが技術者の誇りではないかと思います。

今、自分の職種はどちらかというとビジネス寄りの仕事です。
ビジネス系の仕事の「嬉しい瞬間」とは、大きな商談がまとまった瞬間だったり、新規の大がかりなプロジェクトが軌道に乗ったことを体感できた瞬間だったり、そしてお客様の感謝の言葉をいただくことができた瞬間だったりと、決して小さくない喜びがあると思います。
自分も幸いビジネスの世界での機会に恵まれ、そういった喜びを味わうことができて、アワードをいただくこともできました。

しかし、純粋に技術者として働いていた頃、誰も見ていない小さな部屋のPCのモニター上で、これまでできなかったことを出来るように、自分の手でできた瞬間の喜びは、いまだ忘れることはありません。
その瞬間、自分の魂が喜んだ、自分の体中の細胞一つ一つが高揚した・・そう感じました。
その喜びは、もちろんビジネスの成功の喜びと単純比較できる物ではありませんが、他のことでは味わうことの出来ない、最高の喜びだと思います。

「下町ロケット」は、まさにそんな、技術者の最高の喜びを、多くの人に共有してくれた名作だと思います。

・・この記事を書きながら、ああやっぱり自分の魂は技術者のものなのだ、と思っています。
そしてその気質が確立したのは、自分が幼児だった頃、厚紙とはさみとテープと鉛筆だけであらゆる物を無数に作り続けた、あのころに決まったのだと思います。
無かった物を有る状態にする、自分の手で作り出す、その感覚は、3歳から5歳くらいまでの遊びの中で作り上げられたのだと思います。

そして技術者として生きていくことを、自分の魂が決めたのは、高校時代だと思います。
きっとそれは、普通科に行って、その流れで偏差値にあった大学・学科になんとなく行っていたらきっと生まれることの無かった、強い思いです。

ただ、だからといって今すぐ今の仕事を辞めて、どんなに規模が小さくてもいいから技術者として、日々何かを作り出したり直したりする仕事に就こう、ということではありません。

もちろん、純粋な技術職には今も憧れています。
それこそ下町ロケットの舞台のように、町工場で人知れず技術を進化させている技術者たちを心の底から尊敬しています。
また、自分にも、世界の技術者の聖地のひとつ?で、ある製品を多国語化するための新しいフレームワークを世界の優秀なエンジニアの方々と協業しながら作ることができたということを、人生を生きていく上での支えにしていると思います。

しかし多分、自分が目指すべき方向は、そういうピュアな技術者の魂を忘れずに、それを生かしてビジネスを支えていくことなのだろうと思っています。

技術者の魂を持った、ビジネスの世界での成功者は少なくないと思います。
あのビル・ゲイツ氏も、出身は技術者ですが、ビジネスの世界で大成功を納めた一人だと思います。

この先なにが出来るのか、どんな機会があるのか、もちろん誰にもわからないと思いますが、なにをするとしても、「技術者の魂」を忘れずにやっていきたいものです。


※「技術者の魂」は、我々の高校のクラスの中では関数電卓のことでした。恩師の一人が「(関数)電卓は技術者の魂だ!」という名言?を残され、我々はそれをネタとして受け入れていました。電卓を忘れると、「お前、技術者の魂を忘れたのか?今日の実習はそれじゃあできないぞ?」と言われたりしたものでした。。。