自分の人生の中の大きな夢の一つに、「母を孫に会わせる」ということがありました。
母は人一倍子供好きな人だったので、他人の子供であっても本当にかわいがっていました。
また、母は古風な人だったので、いやなことやつらいことがあってもじっと我慢し続けている人でした。
十代半ばから働き詰めの人生を過ごし、癌が見つかって働けなくなるまでの半世紀以上をほとんど仕事か家事か子育てだけに費やしてきた母でした。
母の言うことを聞かず、母の望むような息子にならず、自分のやりたいことをやって生きてきてしまった自分ですが、それでも、そんな働き詰めの人生だった母に、唯一にして最高の親孝行ができるとしたら、それは孫に会わせることでした。
過去に母に歯向かったりしたこともありましたが、「いつか必ず孫に会わせるから、今は許して、ごめん!」といつも心の中で思っていました。
母が亡くなって一年と一ヶ月半。
今、母の孫が誕生しようとしています。
直接会わせてあげることができなかった。
自分がだらしない人生を送っていたばかりに、わずか一年ちょっとの差で、母に最高の喜びを、恩返しを、することができなかった。
そのことだけが悔やまれますが、それでも母の魂はきっと、孫のそばにいて、元気に無事に生まれてくるように、守ってくれているに違いありません。
だから、直接母に孫を会わせてあげることはできなかったけれども、母と孫を繋ぐことはできたと考えるように努めます。
そしてあんなに子供好きの母が見守ってくれているのだから、自分たちさえしっかり子育てをしていれば、きっと大丈夫に違いありません。