非常に有益な内容が、科学的かつ現実的にたくさん述べられている良い本なのですが、この本の中でもっとも印象に残った話は、「人間はそもそも生まれながらにして、他人に貢献することで喜びを感じるようにできており、損得勘定をしたり私利私欲を満たそうとしたりするのは後で学習することである」というものです。
もう少し詳しく説明すると、人間の脳は生まれながらにして3つの本能を持っているそうです。それは
「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」
というものです。なんとなく納得しますよね。
このうち「仲間になりたい」という本能は、もう少し噛み砕いていくと「人が喜ぶことが自分にとって嬉しい」と感じることにつながっていきます。仲間を喜ばせたい、友人を楽しませたい・・といった気持ちが何の損得勘定もなく生まれる経験は、誰でもしていると思います。
したがって、他人に貢献することで得られる喜びは、科学的に言って、脳にとっていい影響を与えるそうです。
これは、私利私欲が満たされた時に脳に与える影響とは全く異質のもので、そのような脳にとって本質的にいいことをどんどん与えていくことで脳が活性化して、あらゆることにいい影響を与えていき、心身ともに健康な状態になっていくそうです。
「ありがとう」という言葉には特別な力がある、という話を別の本で読んだことがありますが、結局これは「ありがとうと言われる」=「自分のしたことが相手に対しての貢献につながった」=「脳が喜ぶ」=「全身が活性化する」というようにつながっていくからなのでしょう。
そういえば、先日ハイチへの義援金をユニセフに振り込みました。
自分の経済力からすれば結構な額だったので、正直なところ、一瞬戸惑いました。
「このお金を募金にまわさなければ、前から欲しかったアレが十分買える!」
そんな、まさに私利私欲の感情が湧きあがってもきました。
しかし、上記のように、そういった私利私欲を満たすための行動をしても、結局本当の意味での幸せな気持ちにはなれないもの、そうではなくて今生命の危機にさらされているたくさんの人のために確実に役に立つ行為が、今の自分にできることに感謝しよう・・そう思って、振り込みました。
振り込むと同時に、これまでTVやWebでハイチの悲惨な様子を見ながら何もできないでいた自分に対するいら立ちのようなものが晴れて、少しだけ幸せな気持ちになることができました。
上記の本を読む前だったら、ひょっとしたら私利私欲に負けていたかもしれません。
ありがとうございました。