黄岩島海域への侵入と中国海警の対応

2026年7月23日、フィリピン公務船「3012」と「3018」の2隻が黄岩島管轄海域に進入したと、中国海警局の姜略報道官が発表しました。

同局は、侵入した船舶に対し追跡・監視、外部からの圧力、進路規制、阻止・管制といった法に基づく必要な措置を講じたと述べています。

映像は人民網日本のXアカウントでも公開され、黄岩島付近でフィリピン船が退去させられた様子が確認できました。

姜報道官は、これらの船舶が中国側の度重なる警告を無視したと指摘し、黄岩島は中国の固有領土であると主張しています。

同日、微信公式アカウントでも違法活動を行っていたフィリピン船舶に対し管制措置を取った旨が報告されました。

黄岩島を巡る領有権争いと過去の事例

黄岩島(スカボロー礁)はフィリピンの排他的経済水域(EEV)内に位置し、面積は約150平方キロメートル、コア区と実験区に分かれた国家級自然保護区として2025年9月10日に中国政府が承認しました。

中国は2012年から実効支配を続け、九段線を根拠に領有権を主張していますが、2016年のハーグ常設仲裁裁判所は中国の主張に国際法上の根拠がないと判定しました。

それにも関わらず、2025年9月16日には約10隻のフィリピン公船が警告を無視し不法侵入したとして、放水や航路規制といった措置が取られました。この際、放水により乗組員1名が負傷したという報告もあります。

さらに、2025年8月11日の映像では、中国海警が黄岩島付近に侵入したフィリピン船を「駆逐」した様子が映し出されています。

これらの事例は、黄岩島海域における中国側の権益擁護・法執行活動が継続的に行われていることを示しています。

国際的な反応と今後の展望

アメリカは黄岩島の自然保護区指定を「地域の不安定化」と批判し、フィリピンは即時に抗議の声明を出しました。

フィリピン外務省は、中国が設定した領海基線がフィリピンの主権を侵害し国際法に違反すると非難し、同基線の撤回を求めています。

マルコス大統領は南シナ海における自国の海域権限を明確化する法律に署名し、米比相互防衛条約の下で安全保障面でも連携を強めています。

一方、中国は「国家の主権と安全を断固として守る」とし、九段線を根拠に領有権を主張し続けています。

このような状況下で、黄岩島周辺の海上活動は依然として緊張が高まっており、今後も中国海警局が権益維持・法執行活動を継続すると表明しています。