インドの法的争点と主要人物の事案
デリー高等裁判所は2022年12月8日、スワティ・マリワル氏ら4名に対する告訴取消請願を却下し、インド刑法・汚職防止法第13条(1)(d)項に基づく告訴を維持した。
マリワル氏は2015年8月から2016年8月までデリー女性委員会(DCW)の委員長を務め、在任中に知人やAAP党職員を違法に任命したとして検察が告発した。任命件数は90件で、手続き・規則・GFR違反および金銭支払いが指摘された。
下級裁判所は告訴命令を出し、アミット・マハジャン判事が上訴を却下した。汚職防止局は元DCW委員長兼BJP議員バルカ・シュクラ・シン氏の苦情を受けて告訴を提起した。デリー高等裁判所は前年に刑事公判手続きを一時停止したことが報告されている。
アルヴィンド・ケジリワル氏はハリヤナ州出身で、IITカラグプル卒業後タタ・スチールやIRSに勤務した。2005年にNGO「カビール」を設立し、2012年にAAPを結成した。2013年12月にデリー首都圏首相に就任し、2014年2月に汚職防止法案が否決されたことに抗議して辞任した。2015年と2020年の選挙でAAPは多数議席を獲得し、3期目政権を担った。
2024年3月21日に酒類販売免許割当リベート疑惑で逮捕され、約5か月拘留された後、9月13日に保釈された。9月15日に首相職を辞任し、9月17日に正式に辞任届を提出した。後任として教育相Atishi Marlena氏が指名された。2025年に政府は、政治家が逮捕または拘留された場合に30日以内に職を失うことを規定する法案を提出している。
国際汚職指数に見るインドの位置付け
Transparency Internationalが2025年に公表した腐敗認識指数(CPI)では、インドは39ポイントで91位に位置している。上位国はデンマークが89点で1位、フィンランドが88点で2位、シンガポールが84点で3位である。スコアは0点(腐敗最悪)から100点(腐敗最少)までの尺度で算出される。
指数は10〜12の独立機関が過去2年以内に実施した12〜13種類の調査結果を集約し、各国の腐敗認識を評価している。2012年に評価方法が変更され、2011年以前のスコアとは連続性がない。データは2026年4月15日に更新され、2025年分が最新値として提供されている。
2024年の主要国スコアは、ウクライナが35点で105位、ロシアが22点で154位、ベラルーシが33点で114位、韓国が64点で30位、日本が71点で20位、米国が64点で29位である。インドの2024年スコアは公表されておらず、2025年の91位が最新の位置付けとなっている。
グローバルな汚職事案と法制度改革の比較
ブラジルでは「Operation Car Wash」と呼ばれる捜査が継続しており、贈賄・マネーロンダリングを主罪として約300億レアルの資金洗浄が予想されている。主要関与者として元大統領ルーラは9年半の懲役と約3700万レアルの贈賄が認定された。オデブレヒト社は約26億ドルの罰金を課された。
フィリピンの「ゴーストプロジェクト」汚職スキャンダルでは、洪水対策インフラ予算総額5,450億ペソ超が流用された疑いがある。資産約120億ペソが凍結され、銀行口座1,671件、土地144件、車両244台が押収された。2025年9月から12月にかけて数十万人規模の反汚職デモが開催され、政府はインフラ支出を大幅に縮小した。
ウクライナでは2025年に反汚職法12414が国会で可決され、国家汚職対策局(NABU)と特別汚職対策検察庁(SAPO)を検事総長の監督下に置くことが定められた。ゼレンスキー大統領が署名した後、キエフで数千人規模の抗議デモが発生した。EU・G7は本法をEU加盟への障壁と指摘し、欧州委員会は撤回を要請した。
インドの2025年法案は、政治家が逮捕または拘留された場合に30日以内に職を失うことを規定している。ハンガリーは2024年に首相在任期間を8年に制限する憲法改正を行った。ロシアは2022年以降、ウクライナ侵攻に伴う汚職対策機関の独立性が国内外で批判されている。ウクライナは2022年以降、戦時下で汚職対策機関を強化し、EU加盟審査に影響を与えている。