まいどーおおきに 河内の樹々の独り言 -13ページ目
木版画

 聖林寺 国宝十一面観音菩薩立像 (お顔)


墨摺り
 墨液 奈良玄林堂
 
 和紙 新鳥の子・畝





聖林寺(しょうりんじ)は、奈良県桜井市にある真言宗室生寺派の寺院。山号は霊園山(りょうおんざん)。
本尊は地蔵菩薩。開山は定慧(じょうえ)とされる。国宝の十一面観音立像を所蔵することで知られる。
桜井市街地の南方、北方に奈良盆地を見下ろす小高い位置にある。
伝承では和銅5年(712年)に多武峰妙楽寺(現・談山神社)の別院・遍照院として藤原鎌足の長子・定慧
(じょうえ)が創建したという。

明治の神仏分離令の際に、大神神社(三輪明神)神宮寺の一つである大御輪寺(だいごりんじ、おおみわでら 
現・大直禰子神社)本尊の十一面観音像が聖林寺に移管されている。











木版画

 大和桜井 聖林寺 国宝十一面観音立像

墨摺り
 墨液 奈良玄林堂
 
 和紙 新鳥の子・あすか・畝






聖林寺の国宝十一面観音について

 760年代に東大寺の造仏所で造られ、その願主は智努王(天武天皇の孫)とする説が有力です。
かつては四天王に守られ、前立観音の他、左右に多くの仏像が並び立ち、背面には薬師如来
一万体が描かれた板絵がある荘厳の中にまつられてきました。
宝相華唐草の光背(奈良国立博物館に寄託中)は、長い年月により大破していますが、華やかで
見事なものであったと想像されます。
均整のとれた仏身、豊満な顔立ち、量感のある上半身、優婉な纏衣の美しさ、微妙な変化をみせ
る指先等、ミロのヴィーナスとも比較される仏像彫刻の優作です。

十一面観音は、もとは三輪山の神宮寺の一つ「大御輪寺(だいごりんじ)」の仏さまでした。
大御輪寺は大神神社の最も古い神宮寺として奈良時代中頃に設けられ、十一面観音はその本尊と
して祀られてきました。
明治政府の神仏分離令による廃仏毀釈を免れるため、慶応4年(1868)5月16日、大御輪寺と親交の
深かった聖林寺に移されたといわれています。
当時の住職は高僧 大心(聖林寺再興七世)でした。三輪流神道の正嫡であり、東大寺戒壇院の長老
であった大心以外にこの仏像を正式に拝める僧はなかったのでしょう。

明治30年(1897)、旧国宝制度が成立すると国宝に指定され、昭和26年(1951)6月の新制度に移管
された際には、第1回の国宝に選ばれました。この時指定された国宝仏は、わずかに24体でした。

明治20年(1887)、アメリカの哲学者フェノロサによって秘仏の禁が解かれ、人々の前にその美しい
姿を初めて現しました。
フェノロサはその美しさにたいそう驚き、門前から大和盆地を指して、「この界隈にどれ程の素封家
がいるか知らないが、この仏さま一体にとうてい及ぶものでない」と述べたと伝えられています。
本堂脇の厨子は、十一面観音のためにフェノロサらが寄進したもの。内部に滑車を付け、
火事などいざというときに外に運び出せるよう可動式になっており、文化財保護施設になっています。

※フェノロサとは
  アメリカの哲学者アーネスト・フェノロサは、明治11年(1878)に日本政府の要請で来日。古社寺
の調査員として宝物調査を行いました。当時の仏像の多くは、廃仏毀釈によって壊滅的な被害を受け
ていましたが、フェノロサは日本古来の文化財の価値を高く評価し、保護に努めました。

聖林寺公式ホームページより 












木版画

 牡鹿


墨摺り

 墨液 奈良玄林堂
 
 和紙 新鳥の子・あすか・畝




●鹿についてのお勉強 其の参

鹿が群れで生活するのは、外敵におそわれないようにするためです。
仲間の中には、何か不審な気配にいち早く気づくと、鳴き声によって群れ全体に迫る危険を知らせることで群れを守ることができます。
また、同じ仲間がたくさんいれば、外敵の目をくらますことができ、特定の仲間が狙われないようにする効果もあります。

鹿のコミュニケーションのひとつに、いろいろな鳴き声があげられます。
特に秋のオス鹿の発声する鳴き声は、万葉集の歌などにも詠まれ鹿の代表的な鳴き声として有名です。
ニホンジカの音声のいろいろ

発情期オス鹿が縄張りを主張するとき     フィーョー・フィーョー・フィーョー
                   (フューン・フューン・フューン)     

子鹿を呼んだりするときのメスの鳴き声     チュィーン     

威嚇するとき                  ゲ・ゲ・ゲ・ゲ・ゲ
                                      (グ・グ・グ・グ・グ、ク・ク・ク・ク・ク)     

警戒するとき                             ピャッ
 
※資料は一般財団法人 奈良の鹿愛護会