昨年から徳島に新潟から期限付きで来た渡辺泰広というGKがいる。公式戦への出場経験が無い彼を知る人は少ない。今シーズンから京都から期限付き移籍してきた杉本とは知名度に大きな差がある。
彼は新潟でサッカーを始め、新潟Ｊユース、新潟ユースで経験を積み、2011年にトップチームへ正式に昇格した。昨年彼が来た当時、彼を知る人から「彼は怪我さえ無ければトップチームで十分活躍できていたハズだ。怪我による不運でチャンスを逃してきた」と聞いた。渡辺はプロ入り前から活躍し、U-17日本代表にも選出されている選手だ。ユース時代に活躍し、トップチームで伸び悩んでいる選手の抱えるストレスは相当なものだと思う。今シーズンからは杉本も加入してきた。自分より若い経験豊富な選手が加入したのだから、気持ちの上で色々思う所もあるだろう。
正直、彼のGKとしての力は未知数だ。新潟では鳴り物入りでトップチームに昇格したという事だが、度重なる怪我からトップチームでの試合経験が無い。渡辺と同じ左利きのGKと言えば代表でも活躍する西川だ。先日彼と話した時、自分らしさをもっと出して行けば良いんじゃないかと言った。西川のような正確なキックを身に付けるなど、誰にも負けない武器を身に付けたら良いんじゃないかと。だが彼は「徹さんくらい止められる選手にならないと」と彼は言った。GKとして一番大切なものはゴールを守り切る事だと言うことだろう。ただ、あの新潟でトップチームのGKがその座を奪われる事を恐れた選手なのだから、素質は十分だと信じている。
今シーズンの新潟はGKが足りない状況だ。おそらく新潟に残っていたら試合に出れていたかも知れない。だが、彼は言った。徳島で試合に出たいと。そう言ってくれると嬉しいものだ。他のポジションとは違い、GKはチャンスを確実に掴まなければ実力が有ってもなかなか出場機会は与えられない。正ゴールキーパーは実力で掴むものだが、２番手となればそれだけではない。クラブによっては年功序列であったり、クラブへの貢献度で選ばれているところもあると聞く。GKとは色んな意味で厳しいポジションだ。
彼と話していると性格の良さが伝わってくる。控え目で優しい性格。優しすぎる性格が邪魔をしているのではないかと思うくらいだ。人に気を使いすぎなんじゃないのかと思う。自分の方が上手いと口に出すくらいの気の強さが出てくれば、飛躍的に伸びる気がするのだが。
キャッチングの時に彼が発する大きな声が好きだ。あの声を公式戦で早く聞きたい。彼が思っているほど、GKとしての実力に差は無いと思う。気迫を出せ！そうすればもっともっと上に行ける！頑張れヤス！！
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